表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
256/473

第五章 決戦! 第五十一話

「だーっ! くそっ!」


クリストフは地面を蹴り上げた。暗殺者が去った中庭では、アウグストが応急処置を行なっていた。マリアは意識を失っており、断続的に息をしては、時折血を吐き出していた。


「まずいな。骨折もひどい・・・・・・一刻も早く病院に運ばないと・・・・・・」


「おい、大丈夫か? 夫人の状態は?」


クリストフはアウグストに尋ねたが、新人は上司の問いに答えることなく診断と処置に没頭していた。クリストフは隣に立っていたクララに目を向けたが、クララは黙って首を振った。彼の耳には何も入っていないのだろう。クリストフはかっとなって、アウグストの肩をつかんだ。


「おい!」


「静かにしてください! 診断の邪魔です!」


「大丈夫なのか? 夫人は?」


いつにないアウグストの剣幕におされながら、クリストフは尋ねた。


「正直よくはありません。脚と腕に骨折があります。それに、吐血が見られたことから、落下の衝撃で内臓を傷めたと思います。それに、頭だって打っているかも。すぐに病院へ運ぶ必要があります」


「病院って言ったって・・・・・・それは、マズいだろう。いつまた襲われるとも限らないんだ」


クリストフの言葉に、アウグストは少し考えると、上司に答えた。


「僕に、心当たりがあります。そっちに運びましょう。室長は木の棒とシーツ、クッションを使って、簡単な担架を作ってください。クララ先輩。先輩は馬車をこちらに寄せてください。状態は一刻を争います。急いで!」


「お、おぅ!」


「わかったわ」


普段とはまったく違うクリストフの態度に戸惑いながらも、クリストフとクララはそれぞれの仕事に駆け出していった。


星王暦2183年7月10日、ワイバニア帝国本土でも嵐が吹き荒れていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ