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第五章 決戦! 第十七話

同日、ロークライン手前30kmの街、ラシードに到着したハイネは、全軍ミュセドーラス平野に向けて進軍せよとの命令書を受け取っていた。


「ミュセドーラス平野とは遠いですね。ここからでは、2週間以上かかりますよ」


命令書を覗き込んだ第一軍団参謀長エルンストは言った。


「補給線が伸びつつあります。もし後方撹乱されたら、厄介です。早いうちに我々は進軍限界点に達してしまうでしょう」


「その程度のことはマンフレートも、マレーネ殿も心得ていよう。それでも命令書が届いたと言うのであれば、進言が却下されたと見た方が言いだろう」


ハイネは親友と皇帝の行動を正確に予測していた。しかし、皇帝と右元帥との間に亀裂が生じ始めていることまでは読むことは出来ていなかった。ハイネは全速で本隊に戻るよう指示を出した。


「軍団長、フォレスタルの増援軍がメルキドに上陸したとの報告が入りました」


「それは本当か?」


「はい。メルキド上空を警戒飛行していた第七軍団所属の龍騎兵からの情報です。ロークライン西方に龍騎兵らしき影を見たと」


伝令の報告にハイネの顔色が変わった。


「ついに来たか・・・・・・だが、規模までは分かるまい。ゲルハルトを呼べ」


ハイネは伝令に命じた。エルンストはハイネの言わんことを読み取ると、金髪の軍団長に尋ねた。


「では、第一軍団本隊は、全速でワイバニア軍本隊へ向かい、龍騎兵一個中隊は強行偵察に出撃で、よろしいですか?」


「よくわかったな」


「軍団長とは長い付き合いですから」


「敵に貴公のようなものがいて欲しくないものだ。腹の中が見透かされているようで気持ちが悪いからな。軍団の指揮は一時貴公に預ける」


ハイネはらしくない冗談を言うと、エルンストに軍団の指揮を任せた。ちょうどそのとき、レイヴンと共に龍騎兵大隊長ゲルハルト・ライプニッツがハイネのもとに降り立った。

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