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第五章 決戦! 第十話

翌六月二九日午後、レイヴンを最高速で飛ばしたハイネは、アーデン盆地にて補給、再編中の第一軍団と合流した。二週間の休暇から戻ったハイネを第一軍団参謀長のエルンスト・サヴァリッシュがあたたかく出迎えた。


「おかえりなさい。軍団長」


「気遣い、すまなかったエルンスト」


あいさつも程々に、エルンストは歩きながらハイネに報告を始めた。


「兵力の補充と補給はすでに終わっています。いつでも本隊に合流出来ます」


「そうか……墓もつくったのか?」


エルンストの報告を聞きながら、ハイネは第一軍団宿営地の横にある十字架の群れに目を向けた。


「えぇ、我々だけでなく、メルキド軍のものも作りました。あれほどの勇者達です。懇ろに弔わないのは戦士として、軍人として非礼と言うものでしょう」


「そうだな。感謝する。参謀長」


ハイネの感謝の言葉にハイネより少し年長の参謀長ははにかんだ。


「すぐに本隊に合流するぞ。エルンスト。明朝、出立する。進路はメルキド公都ロークラインだ」


「わかりました」


星王暦二一八三年六月三〇日、戦力再編を終えたワイバニア軍第一軍団は公都ロークラインに向け進軍を開始した。


ハイネら第一軍団がアーデン盆地を離れたのと時を同じくして、ワイバニア軍本隊もまた、ベルゼンを出発していた。


「ヴィヴァ・レオを倒したとて、メルキドの軍団長はあと五人を残しておる。油断は禁物だろうて」


全軍の中でも最後衛を任された第四軍団長のグレゴール・フォン・ベッケンバウアーは馬上にて小さくつぶやいた。


「軍団長らしからぬ慎重なお言葉ですな」


グレゴールの背後に片方の顔を鉄の仮面で隠した若い男が現れた。第四軍団龍騎兵大隊長ベルハルト・フォン・ディースカウである。

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