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第四章 決戦前夜 第五十七話

「さぁ、シラー。着て!」


「嫌です! もう、先輩帰ってください! 俺だって忙しいんですよ」


シラーがベティーナを叱りつけたその時、執務室の扉をノックして、第十二軍団長のヴィクター・フォン・バルクホルンが入って来た。


「失礼します。シラー軍団長、騎兵大隊の運用についてシラー軍団長の意見を伺いたく来たのですが……」


年少の来訪者の登場に、ベティーナの目が輝いた。ヴィクターの目の前には顔を抑えたシラーと、嬉しそうに目を輝かせたベティーナがいた。ベティーナはシラーを見るやいなや、目にも止まらぬ速さで近づいた。


「ねぇ、ヴィクター君。ヴィクター君は第十二軍団長よね?」


「は、はい……」


「私は第七軍団長だから、私はヴィクター君に命令出来る権利があるの。わかるわよね?」


「は、はい……」


有無を言わさぬベティーナの様子にヴィクターは後ずさりした。


「でね、ヴィクター君。命令よ!これ、着なさい!」


嬉しそうにベティーナはメイド服をヴィクターに見せた。自分の数分後の未来を予期した若き軍団長は小刻みに首を振りながらさらに後ろへと下がった。


「い、いやです。そんなの。ベティーナさん……あっ!」


いつの間にか、ヴィクターは壁まで追いつめられていた。


「うふふ……大丈夫よ。ヴィクター君。嫌よ嫌よも好きのうち……お姉さんが手伝ってあげるから……」


「ちょ、やめて……シラーさん、助けて! あーっ!」


ベティーナは目をきらめかせヴィクターの軍服をはぎ取ると、無理矢理メイド服を着せた。その様子を背後に聞きながら、シラーは無精髭まじりの顔を伏せた。


済まない。ヴィクター。ここで、お前を助けては俺まで先輩の魔の手にかかってしまう。お前の犠牲、無駄にはしない。シラーは心の中でヴィクターに謝った。


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