表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/473

第四章 決戦前夜 第四十七話

「こちとら、可愛い甥っ子に会いに来たと言うのにのぉ。苦手と言われると、悲しいもんじゃき」


ウォルターは腕を大げさに振り上げて涙を拭く仕草をした。


「よしてください、叔父上!大人げない」


ヒーリーは立ち上がると泣きまねをする叔父に駆け寄った。


ウォルター・エル・フォレスタルは45歳、フォレスタル国王ジェイムズの実弟である。14歳のときに船上の盟約にともない、3年間の人質生活を余儀なくされたが、王太子エリクシルの誕生と共に、フォレスタル王国に帰還した。その際船上から見たガスパール川の美しさに魅了され、水軍に入隊。以後頭角を現したウォルターは数々の実戦を経験し、30歳で水軍提督に昇格した。また、剣の達人としても知られ、ピット、ジェイムズというアルマダ屈指の剣豪と互角に渡り合えるほどの腕の持ち主だった。


ヒーリーはメアリ以上に、このアルマダ唯一の提督を苦手としていた。メアリは数々の体罰から来るトラウマから苦手であったし、ウォルターはその芝居がかった行動そのものが苦手だった。もともと、何事にも無関心であったヒーリーには、何事にも暑苦しく自分にからんでくるウォルターが嫌だったのである。


「わかった、わかった。ところで、仕事の話にもどるがのぉ、ヒーリー。水軍の船総数600隻、メルキド増援軍輸送の任、確かに承ったぜよ。あとはお前らをのせるだけじゃき」


船乗り特有の焼けた肌に白い歯をまぶしくきらめかせて、ウォルターは笑った。


「ありがとうございます。提督。つきましては提督にもう一つお願いがございます」


「なんじゃ?いきなりかしこまって。気持ち悪いのぉ。わしとお前の仲ぜよ。なんでも言うてみぃ」


「ミュセドーラス平野まで、我々増援軍の補給部隊の護衛をお願いしたいのです」

ただ今、アルファポリスファンタジー大賞にエントリー中です。

良かったら、投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ