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第四章 決戦前夜 第二十三話

その時だった。後続のヴィヴァ・レオ本隊から、二個歩兵大隊が救援に現れたのである。歩兵大隊はメルキド騎兵を蹂躙するワイバニア騎兵に横撃を加えた。


「しまった!」


「ふっ」


このとき、両軍の司令官は同時に異なる表情を浮かべた。


形勢は再びメルキド軍に傾いた。鶴翼陣形の変化形である虎吼の弱点は側面攻撃にある。さらに騎兵はその突進力と早さ故に側面が死角になる。ヴィヴァ・レオは虎の口が閉じたその瞬間に見定め、兵力を投入した。


虚をつかれたワイバニア軍はしばらく狂躁の中にいた。死角から槍を突かれ、落馬するワイバニア騎兵。彼を取り囲むように、剣と槍の雨が降り注いだ。


「ぐっ!」


「ちくしょう!」


次々と落馬する騎兵達は、剣や槍、そしてボウガンと、それぞれ手に応戦したが、数が違っていた。追いつめられたワイバニア騎兵が剣を一閃する度、その倍する斬撃が彼らに見舞われたのである。


「私としたことが、このような醜態をさらすとはな……」


虎吼の崩壊を目の当たりにしたハイネはほぞを噛んだ。


「並の将では、ああも鮮やかに挽回出来ないでしょう。やはり、恐るべき敵です」


参謀長のエルンストがハイネに言った。ハイネは後ろに控える参謀長の言葉に頷いた。


「貴公の言う通りだ。強いと思っていたが、これほどとはな。騎兵大隊は後退。第一重装歩兵大隊を前に出せ、両翼は弓兵大隊を展開、援護射撃せよ」


ハイネはすぐに命令を下した。通常ならば、歩兵に対し、騎兵は余りある程強大な戦力ではあったが、陣形が大きく崩れた今、すぐに戦力を再編する必要があった。

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