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第四章 決戦前夜 第六話

「そうだね・・・・・・」


ラグは穏やかに言うと、ポットに視線を戻した。


「それで、今度は君の番と言う訳かい?」


ラグは後ろのピットを振り返らずに尋ねた。


「あぁ、今度の戦いは前以上に厳しいものになるだろう。このアルマダ始まって以来の大きな戦いだ。犠牲は計り知れない。だが、せめてヒーリー坊やメアリ、ウィリアムら若い者達は死なせたくはない」


ピットは静かに決意を述べた。


「・・・・・・まぁ、無駄死にするつもりも、死に急ぐつもりもない。もしかしたら、笑って返ってくるかも知れんぞ」


そう言うと、ピットは破顔した。ちょうどそのとき、湯が沸いた。ラグは茶葉をいれた別のポットに湯を入れ直してピットに振り返った。


「それを聞いて安心したよ。フランシス。出撃前だから、酒というわけにはいかないな。茶で乾杯といこうじゃないか。君の武運を祈って」


ラグはテーブルにカップとポットを置いた。60年来の友人はそれぞれの時間が許す限り、思い出話を語り合った。


「ポーラ!!・・・・・・」


ヒーリーは廊下を歩いていたポーラを呼び止めた。城中を探しまわったヒーリーは息を切らしてポーラのもとにやってきた。


「ヒーリー!?どうしたの!?」


いつもとは逆の展開に驚きながら、ポーラはヒーリーに尋ねた。


「な、なんでもない。それより、今、時間、いいかな?」


数分後、二人は空の上にいた。翼竜ヴェルの背に乗り、王城を飛び出した二人の眼下には森に恵まれたフォレスタルの風景が広がっていた。

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