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第三章 メルキド侵攻 第四十一話

ワイバニア軍がアーデン盆地に到達したのと時を同じくして、ヴィヴァ・レオは幹部を要塞内部の作戦室に集めていた。


参加した将校は元ベリクリーズ要塞司令官ボルガ、元タッソー要塞司令官レグロン、アーデン要塞司令官マルルゥーだった。


「我々はうって出る」


会議室の円卓を囲んだ諸将を前に、総司令官のヴィヴァ・レオは言い放った。


「お待ちください、閣下。ここは篭城戦の方が良いのではありませんか?フォレスタルと我が軍主力が合流し、決戦のための時間を稼ぐと言うことが今回の我々の戦略目的と考えます。要塞から出て戦ったとして、十分な時間は稼げないのではないでしょうか?」


マルルゥーはヴィヴァ・レオに言った。要塞戦の専門家のマルルゥーにしてみれば、わざわざ難攻不落の要塞から出て戦うというヴィヴァ・レオの案は納得しかねるものだった。


「たしかに援軍が期待出来るものなら、篭城するのが相応しいだろう。しかし、今回は援軍を期待出来ない。今回の作戦の骨子は敵軍を奇襲し、その心胆を寒からしめることによって、敵の進撃速度を緩めることにある。なぁに、うまくいけば、ワイバニアの皇帝だってうち取れるかも分からんぞ」


そう言うと、ヴィヴァ・レオは作戦の詳細を説明し始めた。ヴィヴァ・レオの作戦案を聞いたマルルゥーは頷き、篭城案を捨てることを了承した。


「いいか!この戦いはまず初戦が肝心だ。負け戦には違いないが、せいぜい奴らを震え上がらせてやろう!」


ヴィヴァ・レオは幹部達に呼びかけた。レグロン、ボルガ、マルルゥーは立ち上がるとヴィヴァ・レオに敬礼し、任務へと散っていった。


「少しでもあいつらを戦いやすくさせてやらなければな・・・・・・スプリッツァー。あとは頼んだぞ」


一人残った作戦室でメルキド六軍団最強の指揮官はつぶやいた。大胆、剛毅と言う言葉が最も良く似合うヴィヴァ・レオに悲壮の影が付き従っていた。

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