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第三章 メルキド侵攻 第三十四話

星王暦二一八三年五月二十一日、ワイバニア軍野営地の中心、皇帝専用の大型テントの中で、軍団長の就任式は行なわれた。うち、帝国本土防衛を命じられていた第十軍団長のジークムント・フォン・ネルトリンゲンをのぞくすべての軍団長がテントの中に集まり、新しい軍団長の到着を待っていた。


「新しい第三軍団長は一体誰だ?」


第五軍団長のヴァルター・フォン・ブッフバルトが隣に立つ第八軍団長のゲオルグ・ヒッパーに尋ねた。


「さぁ、だが、相当の手腕の者にちがいない。あのヨハネスの後任になるわけだからな」


「ロウィーナの騎兵大隊長だと僕は聞きましたよ」


二人の会話の間に第十二軍団長のヴィクター・フォン・バルクホルンが割って入った。


「あのロウィーナの騎兵大隊長だって!? よく石頭のシュティルナーが納得したな」


ヴァルターがヴィクターの話を聞いて驚いた。


「何でも、左元帥閣下が直々に説得されたとかで……」


十二軍団一の情報通であるヴィクターは少し恐縮したように言った。


「来たみたいよ」


第九軍団長のマルガレーテが言うが早いか、皇帝のジギスムントが右元帥のシモーヌを引き連れて入ってきた。


「諸将よ。集まっているな。知っての通り、新任の第三、第七軍団長が本日到着した。ワイバニア帝国皇帝ジギスムントI世の名において、この二名に、第三、第七軍団長を任命するものとする。二人とも、入るがよい」


皇帝に呼ばれた二名の新任軍団長がテントに入ってきた。礼装に身を包んだ二人の姿を見た冷静無比な第一軍団長は目を見開いた。


「マンフレート・フリッツ・フォン・シラー」


「はっ!」


「貴公を第三軍団長に任命する。ベティーナ・フォン・ワイエルシュトラス」


「はい……」


「貴公を第七軍団長に任命する。余の覇業を助けよ」


「は! 龍の旗に誓って!」


二人はジギスムントの背後にかかるワイバニアの国旗に宣誓した。この瞬間、シラーとベティーナは正式に軍団長になったのだった。


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