表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/473

第一章 オセロー平原の戦い 第六話

「あ、いたいた! ヒーリー! やっと見つけた」


「ヴェル! それにポーラ!」


エメラルド色をした翼竜の背にはポーラが乗っていた。


「ポーラ。なんで君がヴェルの背中に乗ってるんだ?」


ヒーリーは不満そうにポーラに尋ねた。


「だって、私がヒーリーを探してたら、ヴェルが乗せてくれたんだもん。ねぇ?」


ポーラがヴェルに同意を求めると、ヴェルは短く鳴き声を上げた。


「この裏切り者!」


ヒーリーは、美しき翼竜に言った。

ヴェルは世界でも珍しいエメラルドワイバーンと呼ばれる翼竜だった。高い知性とエメラルド色の美しい体が特徴で、この世で最も美しい動物の一つに数えられていた。


ヴェルは仔龍のときに親とはぐれてしまい、たまたま父親の狩りについて来ていたヒーリーに拾われた。以来、ヒーリーと共に長い時間を過ごして来た。


エメラルドワイバーンは誇り高い性格でも知られ、ヴェルもまた、ヒーリーを含め、数少ない人間にしか心開かず、自分の背に乗せるのも、ヒーリー以外に許すことはなかった。ヒーリーにしてみれば、ヴェルの気まぐれとは言え、ポーラをのせるのは、納得がいかないことでもあったのだった。


そんな事情も知らず、ポーラはヒーリーに連絡した。


「ヒーリー。マクベス様からのご伝言よ。武装の件の手配は終わったって。それから、近衛旅団からの選抜兵が集合したから、広場に来てくれって」


「わかった」


そう言うと、ヒーリーはヴェルの背中に乗った。


「ヒーリー。魔術銃はあとで部屋までメルに届けさせるよ。あと、例のものは攻城兵隊長にとりにこさせるように連絡しておいてくれ」


「わかった。……ヴェル!」


ヴェルは甲高い声を上げると翼を羽ばたかせ、一気に空まで舞い上がった。ヒーリーとヴェルの眼下には突風に耐えるポーラ、メル、ラグの姿があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ