2話:終わりと始まり2
優美は事業所に来て呆然としていた。
指定されたが高層ビル1つ全てを占めているからだ。この時代は高層ビルなんて国の力なしで扱えないようなものなのに、それを1つ持っていることが異常と言えば異常だった。
本来ここで腐った世界の国家が力押ししてる企業を疑うべきだが
「国お抱えの企業かぁ…本当に夢みたい…」
そう。優美は国家公認という事実でむしろ安心してしまったのだ。
「鹿島優美さんですね?これから研修の説明をしますので私についてきてください」
受付嬢の案内の通りについて行く優美。
そこからの優美の人生は家畜以下そのものだった。
まず機械を知ることが大事という名目で、対人機の相手をさせられて、そこから半殺しの状態で治されの繰り返しを30日不眠不休で続けられたのだ。
31日目、ふと設計士達の話を耳にした。
「あのモルモットまだ騙されてるってな」
「いい加減兵器の的になってることに気づけよなwまぁもうすぐ次世代機来るんだろ?」
「あぁ。あのモルモットは強制再生剤が効きやす いらしいからな。次世代機の的にもなるだろう」
ここで初めて優美は気づいた。そして次の対人機試験運用の時に監視者を問い詰めた。
「私が対人機の的ってどういうことですか!そんなの話に聞いてませんよ!」
そう言うと科学者は嘲り、
「えぇ言ってませんとも。それよりあなたはここを出たいですか?出してあげてもいいですよ。でもまぁ丁度良かった。あなたの次は後学の為にも『幼子』を使いましょうか」
つまりこう言っているのだ。「お前が逃げたら他を当たる」と。
「この下衆が!」
「なんとでも言うがいいさ。無駄な行為だがね。」
結局私は逃げなかった。その後も同じことをずっと続けた。
20年が過ぎ、とうとう私は的ではなく部品として使われた。私を部品とした機体は世界に絶望を与えた。誰もが神に祈った。『神よ我らに救済を』と。その瞬間世界が終わった。1つの声と共に。
『汝らの願い。聞き届けたり』
セリフ少ないなぁ…