10話:黒歴史の生まれた日
レオと喧嘩の約束をした次の日、ミューは噴水もある公園のような大広間に来ていた。
…果たしてここで喧嘩なんてしていいのだろうか
そんなことを考えているとレオ含む集団がやってきた。
「待たせたな!」
大人数で鉄パイプを構えてくる。ご丁寧に人払いまでしてある。
「どういうつもりかしら?まさかリンチにするつもりかしら?」
「おいおい。誰もタイマン張るとか言ってねーぞ?怖気付いたか?」
「いや別に塵芥が増えようが変わらないけど…」
だって君凄い弱いし
名前:レオ 性別:男性
種族:人間
ステータス
生命力:74
筋力:18
防御:13
知力:8
精神力:4
魔力量:23
スキル
棒術Lv1
鑑定Lv2
装備
一般:鉄パイプ
筋力+3
一般的な子供よりは強い。だがこの防御じゃ寸止め拳でも顔が潰れてしまう。そんなやつ以下が寄って集って何が出来ると言うのか?
一番手っ取り早い方法は…そうだ!今ならこいつらが人払いしたお陰で周りに人目がない。
『アル。』
『どうしたの?』
『手伝って。こうこうそうそう…するんだけど…』
「塵芥?なんだそれ。とりあえず構えろや。」
あ、忘れてた忘れてた。急かさないでよまったく。
「教えてあげるレオ。相手の見た目に惑わされるとどうなるかをね。魔装召喚『冥月』」
私の目の前に雷が落ちる。
そこには大鎌の魔装『冥月』が浮遊している。
「お、おい!なんだよそれ!お前まさかそんなの使わねぇよな!?」
「え?使うつもりだけど?だって駄目とか言われてなかったし。それにそっちも武器持ってるじゃない。それも大人数で。ここで出し惜しむと私死んじゃうもの。」
「ミューちゃん!?流石に魔装はダメだよ!?」
アルが狙ったようなタイミングで止めに入る。
ここからが勝負どころ。
「ごめんアル。私もう…くふふ…あははは!殺したくて仕方ないの!!」
我ながら中々の名演技だと思う。
「どうせハッタリだ!そうだ!今なら…『鑑定』!」
名前:ミュー 性別:女性
種族:人間(狂化)
ステータス
生命力:500
筋力:398
防御:451
知力:6
精神力:-
魔力量:928
スキル
鎌術Lv73
ユニークスキル
狂戦士の呪いLverror
装備
秘伝級:『冥月』
生者相手に与ダメージ+80%
「え…な、なんだよこれ…こんなの勝てるわけねぇ!うわああああああああ!!!」
レオが我先にと逃げ出すと、取り巻きもそれについて行く。
するとそれを見かけた冒険者がこっちへ向かってくる。
「おいレオのやつどうしたんだ?まさか嬢ちゃん勝ったのか?」
その時はすでに演技を辞めてたので普通に答える
「いいえ?この鎌を見たら怯えて逃げていった
わ。」
「まさか嬢ちゃんが勝つとはなぁ…俺たちも嬢ちゃんが戦えるのか半信半疑だったが人相手でもいけるらしいな。」
「アルに追い払って貰うことも出来たんだけどね?つまんないでしょ?」
「ふっ、大体若い奴らは人を攻撃出来ねぇんだが嬢ちゃんはそこら辺は大丈夫そうだ。」
「ところでおじさん誰?」
「おう。俺はギルマスのラグナだ。」
え?ギルマス?このおじさんが?
「嬢ちゃんはミューだったか?そこのアルってやつと俺の執務室についてきてくれ。その腕を見込んで頼みたい事がある。」
「え?やd「折角、狂戦士の呪いのこと忘れてやろうと思ってたのになー」…見てたの?」
「おう。まぁ受けてくれねぇってんならこれはうちに集ってる野郎共の笑い話に…」
くそ!この性悪おっさんめ!あああぁぁ…黒歴史確定…
「…わかったわよ。行けばいいんでしょ?」
「おうわかればいいんだよ。」
これが今後自由を奪う出来事になり、後にレオを恨み続けるのだがそんなことをミューたちは知るよしもなかった。