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ドラゴンディセンダント  作者: ドクターわたる
竜の召喚士
69/265

2-17.戦い終わって日が暮れて

―――表彰式―――。


決勝リーグに参加した5チームは整列して表彰式は行われた。

会場はまだどよどよと落ち着かない雰囲気だ、間違いなくZ班のせいだろう。


最終結果は。

5位“DD-stars”

4位“Z班第二部王下竜騎兵団”

3位“ドラゴンディセンダント”

2位“ホーリーライト・ザ・ファースト”

1位“Z班”

信じられない・・・。総合力ではぶっちぎり最下位のはずなのに。


順位に納得いっていない中、続いてベストメンバーも発表された。

先鋒:大津留ジェニファー

次鋒:武野島環奈

中堅:天野・安福ペア

副将:更科麗良

大将:神明全


奨励賞

如月葵、不知火玲麻、星崎真名子


いやいや、僕がベストメンバーはおかしいだろう、桔梗だろう・・・。能力的に。自分以外のところはあってる気がするが。つか何で桔梗は入ってないんだ?


惜しみない拍手の中、歓声の中・・・表彰式は進んでいく。

なぜか優勝したZ班は、そしてなぜか全員に金メダルが授与された・・・。一応副部長なのでアフロの次に僕の首に金メダルが掛けられる・・・次はオールバッカ―の首に・・・なんでコイツ泣いてんねん。


Z班に似合わないよな・・・疑問しか残らない・・・よく勝ったな。


・・・しかしこのずしりと重い優勝の証である金メダル・・・右手で触ってまじまじ見てみる・・・みんなも見ているようだ。重い・・・あたりまえか・・・ゴールドだもんな・・・売れるのかな・・・金の含有量はどれくらいなんだろう・・・あとで分析して相場を・・・。


「キエ――!もけ・・・MVPも取ったようだのう。やはり予想通り星崎も入ったか」

「いやいやアフロ。桔梗が入ってないのはおかしいよ、作為を感じる」


「ベストメンバーなぞ作為的に造るものであろう、桔梗はほとんど棄権しておったから仕方なかろう」

そういうものかな?


「さらに金メダルはさすがに売らないようにな・・・もけ?」

ぐっ!読まれている・・・。いかん携帯端末をもっていることは悟らせないようにしないと。借金を踏み倒している6校生がまだまだいるし・・・。


そいでもってコイツ等またまた騒がしい・・・表彰式が終わるや否や・・・なんなんだ・・・。

さっきも今度も泣きながら抱きつくなオールバッカ―。


「おれっち、おれっちはよう・・・とうとう」

「それはだめ、それはだめよ。もけキュン」

まわりのチームを見ろよ・・・こんなに騒がしくないぞ・・・ハズカシイ・・・。

「鋼鉄の貴公子のぉこの金の玉を君にぃぃぃぃ」

「あぁ?コロされたいのアオキ!こいつを地獄へつきおとしてミイロミューン」

「いやあみなさんのおかげです、足引っ張ってごめんなさい。ごめんなさい。すぐ緊張しちゃうし、ごめんなさい・・・」

「グモ~前傾姿勢で走るのが大事なのじゃ、水分補給も大事なのじゃ~コース取りよりも気迫・・・」


まあ勝てばいいのか・・・タイガーセンセにはタダ飯の恩返しになったかな・・・。いやあそれなりに幸せそうだな、さすがに喜んでるみたいだし。


目が合った瞬間、タイガーセンセがやって来る。なにやらウルウルしている。

「さすがだわ。もう先生は胸がいっぱいで、これって・・・」


そして何人も祝辞を言いに来た・・・他のチームの連中もだ。

というか結構たくさん来るな・・。



おっとこっちへ来るのは・・・“ドラゴンディセンダント”のメンバーだ。


4人の女生徒・・・如月葵、秋元未来、三守沙羅それにジェニファーもいる。


「余裕で優勝とは兄さま、さすがです。手も足も出ませんでした」

「お兄さま。おめでとうなのなの。葵ちゃんの敬語気持ち悪いのなの」

「うっせえな。いいんだよ未来」

「うちからも最大限の祝辞をおくります。今後も良しなに。また伺ってもよろしいでしょうか」

「はぁ?・・・だぁー。勝手にいつ会ってたんだよ」

「もう間違いないわけ。この手足の・・・あのありがとう・・・なわけ。あたしお礼言うのはなんか苦手なワケ。さっきも来たかったんだけど」

「んだよ・・・ジェニちゃんもかよ・・・何照れてんだよ」


なんだかんだで“ドラゴンディセンダント”も成長してるなあ・・・最近覗いてないけど。


「だぁーー!なんでみんな兄さまと会ってるんだよ」

なぜか葵は気に入らない様子だ。


上手に人ごみをかき分けながらヤバい女・・・ピンクツインテールがやってくる。

「神明さま。さすがの一言につきます。この城嶋由良、お側に仕えることができて光栄でございます。あら華聯も?」

「はい。本当にさすがです。僭越ながら全く太刀打ちできなかった更科選手を一瞬でございました。恐るべき手腕でございま・・・」


「オッス!!優勝おめでとうございま―――ス!!!」

「オッス!!優勝おめでとうございま―――ス!!!」

ハモるな筋肉もりもり劇画兄弟め。ほら由良と華聯に睨まれている。


ゴーゴゴ!ゴーゴゴ!ゴーゴーゴーゴー!!

ゴーゴゴ!ゴーゴゴ!ゴーゴーゴーゴー!!


海でおぼれてる設定の応援歌が始まってしまって・・・ああ・・・普通にうるさい!

「うるさいでしょう、あなた達。神明さまが困っているでしょう!」


「なんだと城嶋!天命である!」

「なんだと城嶋!天命である!」

だからいかつい顔でハモるなって。


城嶋由良と花屋敷華聯の2人とガリバー兄弟は睨み合い・・・一触即発・・・?あれ?

4人で笑いあっている・・・4高と5高は敵同士なはずなんだけど・・・。


まあいいや。


さっき話したばっかのレマさんもこっちに来るみたいだ・・・?手を振ってる。

あっと・・・ああ・・・“ホーリーライト”がやって来る。


西園寺桔梗だ・・・プカプカ浮いて麗良も・・・2人でこっちに来るみたいだ。


一瞬で周囲に緊張が走る・・・レマさんと麗良、華聯は反応が早い。

そう・・・桔梗は危険だ。アフロも気付いている・・・さすがにトンデモナイあほのZ班メンバーもギクッとしている。


すげぇ怖い・・・。

春の彼女との死闘は思い出したくもない。


なぜに僕の目の前に来るつもりなの?


ああ・・・来ちゃった・・・怖ええ。

結構近くまで来るんだね・・・まさか襲い掛かって来ないよね?全員でかかっても勝てるか分からないけど・・・。


なんなんだ?あの爆殺属性って?

対処法が分からない、ガードできるのか避けられるのか?


・・・冷静に分析すると・・・今戦ったら多分勝てない。


身長175㎝の彼女がすぐそこにいる、髪は少し伸びたな。“加速一現”で逃げる準備はしてある。

ああ・・・目の前まできてしまった、少し僕は身長は伸びているけどまだまだ彼女は頭一つ高い。


軽く会釈して何事か呟く・・・。

「ワタシハケンニナリタイノデス」

緊張で何言ってるか分かんねえ、えっと反芻しよう。


・・・私は剣になりたいのです・・・


ああ!そうか!そうか!・・・やっぱり・さっぱり意味わかんねえ。

桔梗の右上で「あちゃあ」とか声がする、いい役だよね麗良ちゃん。


優勝の余韻などというモノはなく現実味がない。




―――あり得ないことが起きて、さらに僕の・・・あるいはZ班を取り巻く環境は激変した。

決勝戦の後はZ班専用のバスで第6高校にもどることになった。


辺りはもう暗くなっている。


優勝って・・・夢・・・じゃないよな。


バスの中でZ班メンバーはタイガーセンセのタブレットで黒川有栖と優勝を分かち合い・・・そしてすぐに全員爆睡したようでバスの中のことは覚えていない・・・普段あり得ないが僕も寝てしまったのだ。




もう夜だったが第6高校の校庭にバスが着いて、ほぼ並走していたZ班第二部のバスも遅れて到着した。


背伸びしているのはアフロだ。


「キエ~!良く寝たのである。皆のもの。起きんかい!」

「起きてるよアフロ、それより妙な気配が」なんだ外の気配は?殺気は感じないが・・・。

寝起きの悪い連中ばかりだが・・・げ?

「ぐも~、ぐも~」

目開いてるけど?寝てるのかダイブツくんは?・・・そっとしておこう。


何やら夜の校庭が騒がしい・・・。


アフロに続いてカバンを持ってバスを降りると・・・。


―――Z班!優勝おめでと―――――!!!!

―――Z班第二部!4位おめでと―――――!!!!!


うお?結構人がいるな、6校生徒か?

殺気が無いからあんまり探知してなかったけど、何百人もいるな。

夜中に何してるんだ?


「もけ!英雄の帰還である!ビシっとせい!」

(ああ、僕らとZ班第二部のお出迎え?的な?このクズたちがぁ?)


なんだ?泣いてる連中もいる?おお?拍手が始まったで?


「んだ?こりゃ?おれっちたちを待ってたのかよ?」

後ろでオールバッカ―が何か言っているが聞き取りにくい。


眩し!校庭のライト点けたのか?


―――オメデト――――!!!!!


ワーワーとそして結構な音量の拍手が・・・鳴りやまない。

あれ?多くないか?いくらなんでも。

ん?4校生に5校生もまじってる?何してるんだろう?


―――ヒーローの御帰還だぁ――――!!!!

―――ヒロインもいるでしょ――――!!


ん?いつの間にかハゲの青木君が両手を挙げながら群衆の方へ行くぞ?大丈夫か?


―――キャ――!アオキさま!かわいい!!―――

―――すげえナマ青木だよ!―――

―――かわいい!こっち向いてぇ!―――


ええ?なんの冗談?なんの罠?もみくちゃにされている!

ナマ青木ってなんだ?


「もけよ?冗談でも罠でもないのであろう!これが現実である!!」

何を決め顔で言ってるんだ?って言うか僕の考えを予測するのは辞めてくれ。


はあ?


―――きゃーーー!オールバッカ―様ぁ!!―――

―――氷の貴公子よぉ!!!―――

―――おお!ナマオールバッカ―だぜ!!!―――


「なんだよ。おれっちのことかよ?」

頭をかきながらコイツも群衆の方にフラフラと行くつもりか・・・。

ナマなんとかってナニ?


群衆が道を造っているようだ・・・が・・・あそこを通れと言うのか?

前後左右から攻撃されたらどうするんだ?


呆気に取られているとピンクツインテールの城嶋由良が向こうのバスからやって来た。

「さあ、Z班の方々。そして敬愛するじんめ様。チャンピオンロードですわ。第二部のものは先に通るわけに参りません。お先にどうぞ」なんだその手は・・・先に行かせる気か?危険そうだから人ごみは。


考えないと・・・。


「いやいや由良さん。お互い頑張ったんだし。ああ・・・ほら何かあったら助けてくれる約束だったよね。というわけで・・・いっしょに行こうよ?」

「ごいっしょに!!でしょうか?それは・・・素晴らしい気配り・・・お優しいお言葉で・・・由良は感動で・・・泣きそうです。で、ですが」

「キエ~!由良殿。素晴らしい援護射撃であった。勝利の立役者はZ班第二部であろう。もけと腕でも組んで行くがよかろう」

「そんな、わたくしは。腕なんて。お嫌でしょうし・・・」なんだ?見たことない表情でこっちを見てるな・・・いざとなれば由良を盾にできるかな?

「うん。アフロ部長もそう言ってるし腕組んで行こう?由良さん」

「そんな。わたくし・・・わたくし今日・・・生まれて今日が一番しあわせ・・・」

何故か由良さんと腕を組んで訳の分からない群衆が造る道を通るハメに。


―――きゃーーー!じんめさまぁ!!!!――――

―――美しすぎるぅううううう!!!―――

―――何あの、あれ!すごいすごい!!―――


―――美神だぁああああ!!!―――

―――じんめさまぁああああ!由良さまぁあああ!―――

―――キャ―――!腕組んでるしぃ!!―――


―――オメデトウゴザイマス!!!!!―――


なんだ?やっぱり4校生も5校生も混じってるな。

由良といればさすがに4校生は襲撃しないだろうし。


群衆の中、まん丸い顔のリツコが由良に挨拶している「さすがです由良様。最強コンビ誕生おめでとうございます!」とか言っている、コイツもなんで泣いている?


後ろのアフロが何か言っている、聞き取りにくい。

「キエ~!もけ!手ぐらい振らんかい!こうだこう!」

何を言ってるんだ?


って・・・僕以外はそういえばメンバーは第二部の連中まで・・・手を振ってるな・・・。


そうか理解した、笑いながら手を振るのが流儀か。

最近僕は笑えるようになったのだ。


安全そうな方向にとりあえず笑って手を少し振ってみるか・・・。

なるべくニッコリと・・・。


オオ!簡単じゃないか。


―――キャ―――!!


ん?目が合った女生徒が・・・倒れたぞ・・・3人くらい・・・。

いやバタバタ倒れていく。

ヤバい・・・やめよう。婦女暴行で訴える気か?

「さすがです。じんめ様。由良は幸せでどうにかなりそうです」真横で由良が何か言っている。なんだ少し震えているな。

「何が?」


―――アフロ!たいちょぉおおお!!!―――

―――真名子ねぇさぁーーーん!!―――


まあ悪い気しないか・・・今日のところは殺気もないし安全だと信じてみよう。


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