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ドラゴンディセンダント  作者: ドクターわたる
竜の召喚士
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2-14-9.決勝リーグ⑨

あと決勝リーグは残すところたった3試合だ。

今年、召喚戦闘で最も強い高校生のチームが決まる。


会場は何か異様な盛り上がりを見せている。

熱戦・・・接戦が続いているからだ。


まあさっきの第7試合は全部棄権されて・・・“Z班”第一部が不戦勝に近い形で・・・というか不戦勝で勝ってしまったが。

“Z班”はなんとここまで3戦3勝で・・・リーグトップの成績だ。

この緑アフロ隊長はどこまで計算しているのか。



―――第8試合が始まる・・・。

因縁の対決だ。“DD-stars”に対するは“ホーリーライト・ザ・ファースト”だ。

数々の名勝負を繰り広げてきた両チームだ。でも今日“DD-stars”は信じられないが3戦3敗、それだけレベルが高いリーグ戦なわけだ。“ホーリーライト”は2戦2勝か。

“ホーリーライト”は連戦になり第9試合で我々“Z班”と相まみえることになる。


(うーん、恐ろしい・・・)


先鋒戦が始まる・・・ライバル同士だ・・・纐纈守人と高成弟だ。


・・・決勝リーグは本当にレベルが高い。

この近接戦闘スペシャリストたちのレベルはかなりのものだ。大学リーグや社会人、つまり実業団なんかのプロの召喚士たちにも余裕で通用するんじゃないか。既存の高校生のレベルを超えている・・・権藤先生も近年の降魔六学園のレベルアップは目覚ましいとか言っていたか。


・・・さて彼らはお互いに先鋒戦のスペシャリストでもある・・・先鋒戦は攻撃的で且つ勝率も高く・・・そして次鋒戦から後のメンバーのリズムを作らなければならないのだ。


背負っているものが大きいわけだ・・・負けるわけにいかない・・・気迫と気迫がぶつかり合う。

やっぱり纐纈君の動きは後半に来てどんどん良くなっている・・・ライバルの“ホーリーライト”戦に合わせていたのだろう。

攻撃の鬼・高成弟とカウンターの達人・纐纈君の攻防は一進一退だ。


いやでもとにかく高成弟は攻める攻める・・・ちょっと攻めすぎなのでは・・・。

同時に技と術がぶつかり合う!

少し距離があいたところで纐纈君が仕掛ける!


“武王乃理”

“超弾十四連弾”!!


高成弟はの速射砲のようなクラスター魔法14連発をことごとく妖刀で捌いていく・・・相当な腕前だ。

そして妖刀を担いで加速する・・・!


“鬼相天外”!!

“清誓覚醒金剛陣”!!


火花を散らせる必殺の上段からの妖刀の一閃を纐纈君は金剛陣で跳ね飛ばした・・・高成弟は上体を反らさないように足元は摩擦で炎を上げつつ後退を余儀なくされる。


・・・そして静まり返る・・・金剛陣が切れるまで盾を構えている纐纈君を攻撃しても無意味だからだ。

居合の構えで金剛陣が解けるのを待つ高成弟・・・集中している。


両者ともに目を閉じている・・・。


その時は来た!


“鬼相五車薙”!!

“武神モード”!!


金剛陣を僅かに速めに解除して武神モードに繋げたい纐纈君だろうが、高成弟の薙ぎ払いの方が早い・・・。


妖刀の薙ぎ払いで纐纈君のミドルシールドは横に真っ二つに切り裂かれた・・・。ガードしている左前腕に浅くない傷を負うが・・・少し浅いか・・・だが武神モードを発動している纐纈君の反応速度は先ほどまでの比ではない。


今日ここまで温存した武神モードは纐纈君の切り札だ。


引いて防御しようとしたところを纐纈君に投げ飛ばされている、空中で高成弟は姿勢を整えるが・・・いや強いし速い・・・武神モード全開の纐纈君は・・・確かに10秒ほどは基本状態の葵より少し強いだろう。空中で連続技をくらいながら武士の鎧のような魔装が破損しつつも妖刀を操り一撃返したのは立派・・・。


だがとても立てるダメージではなかった。

気力で・・・ズタズタの高成弟は何度も立とうとしていたが・・・負けた・・・あれ?今日は3連敗か?

落ち込んでるだろうな・・・ん?・・・高成弟・・・僕を見てる?・・・なんで?


まあいいか“DD-stars”がまず1勝だ。



―――次鋒戦だ・・・。

武野島環奈と佐薙亮一だ。

“ホーリーライト”はカンナに有利な佐薙亮一をぶつけてきたわけだ。

カンナは攻撃力は随一だがスピードは普通、遠隔攻撃は大技しかなく、近接から中間距離まで隙の無い火竜の使い手である火竜使いの佐薙亮一が苦手だ。


カンナは佐薙に勝ったことが無いのだ。

佐薙は降魔十傑・・・11位と言われている・・・つまり十傑選外だが・・・とても強い。


って、またかい?

「どっせぇえええい!!」いきなりカンナはブラストハンマーで全開全力だ・・・いつもそれで負けるのに。決め打ちでぶっぱだ。相手が近かろうが遠かろうがお構いなしか。


思い切りは良いんだけど・・・全開で撃つと動けなくなるのだ。


「限定解除!!」

“重積圧縮断層波”!!!!


ドゴォオオオオォオオン―――!!!!


爆音と噴煙が巻き起り、カンナの前方は消し飛んだ!

攻撃範囲があまりにも広く・・・黒っぽい魔装鎧は少し破損したが佐薙亮一は健在・・・ダッシュで近づいて来る、そして両ひざをついて肩で息をしているカンナに密着して・・・。


罠にはまる・・・。


スッと立ち上がったカンナはブラストハンマーを真下へ打ち下ろす!!


“限定解除”

“圧縮炸裂三段烈波”!!!!


ドグググォオォオオン―――!!!!


今度はカンナを中心に闘技場の床が膨れ上がり破裂した!!

非常に優秀な佐薙亮一だがまさしく・・・。


「やった、やったわ。ひっかかったわあ」


その通り、粉塵の降る中、フラフラのカンナの言う通りひっかかった。

最初の技のまえに限定解除と叫んでいるが口で言っているだけで魔力は乗っていない。

限定解除は使うと疲労し一時動けなくなる諸刃の攻撃ブースト術なのだが・・・。こんな中学生レベルのフェイントにひっかかるとは・・・僕みたいに人を疑っていかないと・・・。


次鋒戦、カンナは初めて連敗していた佐薙亮一に勝った・・・完勝だ。


これで“DD-stars”2勝か・・・あれ“ホーリーライト”は2連敗だな。



―――中堅ダブルスだ・・・。

“ホーリーライト”はこれから3勝しないと後がない。

天野・エミリーの“ゴールデンアイ・スチールレッグス”と戦うのは藤崎・黒川ペアだ。

春季大会で藤崎・ジェニファーペアが“ゴールデンアイ・スチールレッグス”を追い詰めたが結局負けて、今まで中堅戦は負け続けてのリベンジだが・・・厳しいだろう。


しかしここは戦略だよな、もし中堅ダブルスがレマと姫川だったら。“DD-stars”は勝つかもしれないもんな。藤崎・黒川ペアが勝つ可能性は・・・低い。“ゴールデンアイ・スチールレッグス”はとにかく非常に防御力が高いのだ。


戦闘開始だ・・・。黒川真由紀は黒竜使い、少しだけ霊眼を使うと高速で闇魔法を詠唱・・・探知も上手いし、範囲攻撃も苛烈だ・・・まさしく遠隔攻撃のスペシャリストだ。星崎さんがさっき調べてくれたっけ・・・これで2年生か、非常に優秀。藤崎成城もレアで強力な双頭竜使い、実はジェニファーと変わらない実力者・・・でもどうしようもない。付け焼刃の戦法では歯が立たない。ハオ・ランとズー・ハンのペアやガリバー兄弟のように自爆技を混ぜないと普通は倒す目がない。


中堅ダブルスは“ホーリーライト”の順当勝ちだった。

これ・・・誰が戦うんだ?“Z班”は?

アフロの采配が気になるが・・・僕を使うつもりだろうか。



―――副将戦が始まる・・・。

実はこれは副将戦はターニングポイントになる。更科麗良は姫川樹奈に一度も勝ったことがないのだ。今までは戦闘中に全試合で棄権している。いつもは次鋒、中堅、大将が勝って“ホーリーライト”は“DD-stars”を下しているのだ。今日は次鋒戦をカンナが酷いフェイントで勝ってしまったため副将戦を落とすとチーム“ホーリーライト”の負けが決定してしまう。


しかし更科麗良は・・・。

この試合は気になる・・・とても。


・・・ああ時間だ、戦闘開始。


いつも通り、更科麗良は涼しい顔でプカプカ浮いている。

対する姫川樹奈は“氷樹界”を形成していく。“氷樹界”を倒すには基本的には速攻しか無いのに麗良は動かない・・・何をする気だ?


いつも麗良は空中で氷枝の薙ぎ払いと氷果から発射されるレーザーを回避しまくって無理そうになるとギブアップしている。


うん?あれ?いつも通りだ、麗良は回避している。


“氷樹界”は成長すると氷枝は大きくなり、特に氷果が増えると自動レーザーがシャワーのようになり避けられなくなる・・・どうする麗良?・・・まさか無策?なわけが・・・。


ああ・・・。レーザーがどんどん増えていく・・・。

濃密なレーザー攻撃を麗良は空中を漂い、時に13枚の光輪を使って防いでいる。


しかしどう考えても避けられなくなるのだ・・・。


・・・それはすぐやってきた。数十発のレーザー攻撃が退路のないタイミングで麗良に襲い掛かる!!


“集光”

“陽光覚醒八咫鏡”


えええ?霊眼発動!・・・してしまった、しないと見えない。

“氷樹界”のレーザーを麗良の背中に円形に並んだ8枚の光輪が吸収している!そんなこと可能なの?

8枚の光輪は8枚の鏡のように見える・・・。残り5枚の光輪で氷枝を切り落としつつ・・・。


そして速やかに麗良の魔力も乗せて背中の8枚の鏡から増幅された眩い巨大レーザーが“氷樹界”の根本あたりを襲う・・・!


おお!勝負あり!


“氷樹界”が崩れていく・・・反射させると一撃で倒せるだけのレーザーが自分に集中するのを待っていたのか。


オオオオオ―――――!!!


これまたすごい歓声と拍手だ・・・!うるさいぐらいで・・・観客席は立ち見がでるほど盛況だ。


勝ち名乗りをうけてもプカプカと更科麗良はいつも通り涼しい顔してるし・・・やっぱりな。


やっぱりいつでも倒せたわけだ。とんでもない攻撃スキルだ・・・回避スキルも超越している。

葵よりひょっとして・・・。


いや・・・僕でも倒せるか微妙だぞ・・・。

成長したというよりは隠していた・・・?



―――大将戦だ・・・。

高校生最強の西園寺桔梗と戦うのは第3高校の雷神、不知火玲麻だ。


ほとんどの公式戦個人戦は桔梗が優勝、準優勝がレマなのだ。それは団体戦も同じだが。まあ僕も一つだけ個人戦は優勝したが、この2人がトッププレイヤーなのは間違いない見解だろう。


桔梗はレマが相手の時だけは本気で戦う・・・それにこれは大事な試合だ。


絶対にいやだがもし桔梗と戦うことがあるなら見ておく必要があるだろう。

というか、桔梗はずっと戦っていない。今大会はほぼ棄権している。城嶋由良との午前中の戦闘がまだしも久しぶりの戦闘といえるが・・・霊眼で見て無かったし、あれだが・・・どう考えても力を大きく落として手加減して戦っていた・・・。


霊眼は使わない約束だが・・・アフロには内緒で霊眼で試合を見ておこう。


戦闘開始だ・・・。

桔梗は動かない・・・。相手を見据えるレマは雷をまといつつ空中へ飛ぶ・・・近接攻撃も覚醒魔法も狙える距離だ。


ん?桔梗が何か呟いている。

なんだ?聞こえない。


―――クラッテシネ、ネンドウバクサツ―――


霊眼で読唇するとこんな感じか。

ん?念動爆殺ってぇええ?ナニ?

くらって死ねとか・・・怖わあああ。


ん?何もない空間をバルムンクグレーで切る桔梗・・・なんだ?・・・なにが・・・あ!


ズゥン!!!!!


空中でレマの身体が爆発した・・・!

破損したレマの鎧がパラパラと降ってくる・・・。同時にレマも・・・ば、爆発!?

なんで?いつ攻撃を当てた?


ちょっと待って・・・霊眼で見てたのに・・・。


立てないのか・・・レマさん。

も、もう?し、試合終了って?相手はレマだよ?

いや僕も勝ったけど・・・不意をついてるし・・・中堅戦だったから魔装してなくて防御力低かったし。

フル装備のレマは防御力だって・・・。


いや、ちょっとまって・・・僕の霊眼で見ても分からない。レマの身体が自分から爆発したようにしか見えなかった・・・。


大歓声の中でゾッとする・・・意味不明・・・。


“ホーリーライト”は勝利を収めた・・・リーグ戦、3戦3勝・・・“DD-stars”は4戦4敗で終了か。



む?隣のアフロがこそッと聞いてくる。

「時にもけ?桔梗のあれはなんであろう?うむ・・・言い方を変えよう・・・倒せるか?」

「無理だね。倒す糸口もない。範囲も射程も威力も分からない。TMPAも春より上がってる・・・56000くらい」

「うむ」ってそれだけかい、聞くことは。


近接戦闘の僕はあの爆発属性の攻撃範囲内で間違いなく戦うことになるだろう。

まさかセレーテッドに適合した?そんなことが・・・新たな複合属性を造ったとしか思えない。

僕があの時、病室の桔梗にあげたセレーテッドをメインクリスタルにしている。あり得ないけどあり得るとしか、そう考えるしかない。どれほど試行錯誤すると新たな属性に到達するんだ。

悪い夢でも見ているかのようだ。


夢・・・?そいうえば最近よく夢を見るなぁ・・・夜の海の・・・。


ん!そんなことはどうでもいい。

とても倒せないぞ・・・どれだけ計算しても・・・桔梗はパワーアップしてる。

春に戦った時とは西園寺桔梗・・・別人だ・・・強くなるなんて。


更科麗良もヤバい・・・僕も含めて誰も勝てないかも・。

中堅の“ゴールデンアイ・スチールレッグス”も倒し方思いつかないけど。

うーん気が遠くなるな。


あの不敵に笑っているアフロさん・・・僕を誰と戦わせるおつもりですか・・・。


すぐ始まる第9試合はこの“ホーリーライト・ザ・ファースト”と我々“Z班”の戦いになる・・・。

事実上の決勝戦・・・ということに・・・。


さすがに緊張・・・してるのかな。


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