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ドラゴンディセンダント  作者: ドクターわたる
竜の召喚士
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2-14-7.決勝リーグ⑦

中堅戦よく勝ったな・・・接戦を潜り抜けて辛勝できた要因はなんだろう・・・アフロの策?


如月葵のチーム・・・“ドラゴンディセンダント”と我らが“Z班”はまさしく接戦だ・・・。

あとは副将戦と大将戦を残すのみだ。


軽症とは言い難いアフロとオールバッカーが回復魔法を受けつつ戻ってくる。


「やるね、アフロ・・・」いや会話より回復が先だな。僕も抗術でさっさと回復を上乗せしてやろう。

集中して僕はアフロとオールバッカ―のそれぞれの肩に手を置いて強力な回復術を流し込んでやる。

「ああ、そんなもけキュン、いけないわ。2人いっぺんなんて。さっきの小説みたいになっちゃう」何を言っているのか時々さっぱっり分かんねえ・・・やっぱり星崎さんは星崎さんか。


「ありがとよ。もけちゃん。おれっち・おれっちやったぜ」泣いてやがる・・・けど、まあ凄いよ君の覚醒魔法は・・・とんでもない、ちゃんと撃てるようになればどれほどの威力になるか。そもそも撃てるほどの魔力は無いんだけどな。

「キエ~まあこんなものであろう」

「恐れ入ったよ。不確定要素だらけなのにアフロ・・・まあいいや、まだ試合中だし」

まあ聞きたいことは山ほどあるのだが。

「いけないわ。いけない、もけキュン」何をさっきから星崎さんは力説しているのか?



―――副将戦はもう始まっている。

黒いボンテージ衣装の秋元未来と戦うのは青木小空君だ。

2人とも小柄な体格だが・・・秋元未来には闇の深淵ともいえる強力な魔力が身体から妖艶に立ち上っているし、青木君の未知の変態度はMAXで妖しさがはげた頭から光となって漏れている。


分かっている・・・いい勝負にはならない・・・。


しかし相変わらず青木君は面白い。両手を組んでそこに顔を乗せてニタっと笑って鋼鉄の塊と化した。


・・・確実に負けるね。秋元未来の攻撃は最硬を誇る青木君を傷つけるだろう。

これで2勝2敗・・・アドバンテージありの状態に多分なる。


つまり大変だな。


うう、如月葵と引き分け以上じゃないと負けるのか。


んん?しかし闘技場では未来・・・やりにくそうだな。

すこい変顔で固まっている青木君には幽体も効かず、通常の魔法攻撃は効かず、闇属性の槍も数十発ぶち込んでるが青木君は転がっただけでダメージはない。いやあ覚醒魔法クラスじゃないと無理だろう。


なるほど、次もあるし魔術の消費を抑えたいのかな。鋼鉄ハゲ坊主に少しでも傷つけれれば勝ちだし。

だが今のところ青木君は汚れてるだけで傷はついてない。

あんまり近づくとカンナみたいに抱きつかれるぞ。あんまり近くに寄らない方が。ママの香樓鬼さんとは上手に付き合いたいし、あんまり酷いことはやめようね青木君。


闇の魔力が長杖に集中していく・・・大技を撃つ気だ・・・遠隔攻撃か・・・そうだそれでいい。

眩い閃光と共に魔力が解き放たれる。


ズォオオ!オオオオオ!!


おお、上手だ未来。闘技場も結界もそれほど破壊せずに・・・おお?ちょっぴり青木君に傷が付いている・・・。


転がっている青木君を確認している・・・確かに傷がある・・・あとは時間切れで優勢勝ち・・・というわけだ。

秋元未来の勝ちだな・・・。


あ!


“加速一現”!


「きゃあ。えええ?」

離れようとしたところを抱きつかれてしまった・。

「は、離してくださいなの」

変態度MAXの青木くんは空中で一瞬、鋼鉄化を解いて抱きついてそのまま鋼鉄にもどった。

秋元未来は鋼鉄の坊主に抱きしめられた形になったのだ。


いいのかなこんな戦い方、星崎さんも見てるのに。


おお?星崎さんは熱い目で青木君を見ている・・・こんな変態でもいいんだ・・・いやいや変態じゃない・・・何らかの攻撃だこれは・・・いやいや僕は両想いの2人を祝福できる・・・自分にはロマンスのひとかけらも無い人生でも・・・そういう器量の大きい男を目指しているのだ。


鋼鉄の塊の青木君は500㎏前後にもなるが秋元未来は余裕で宙に浮いてはいる。しかし引き離すのは・・・なんとかかんとかもがいたが無駄だった。


時間だ。


・・・青木君は優勢負けだった。

抱きついたところまでは良かったが攻撃する隙はなかったようだ。かすり傷の青木君だったが星崎さんに熱い抱擁を求め、照れる星崎さんは「触らないでこのウジ虫!」とか怖い顔で言っていた。


この2人・・・ひょっとしてつき合う寸前なのでは?


「青木君はおしかったね。抱きついた後の攻撃があればね」

「キエ~!最初から攻撃する気などないであろう、自分の趣味嗜好を満たしているだけである、間違いない」

むう?そうなの?


っていうか・・・ああ・・・次じゃないか。



―――ああ大将戦だ・・・。

ああイヤだな、出番じゃないか。


うう、あの如月葵が目の前にいる。

「兄さま。よろしくお願いします」そしてゆっくりと一礼している。

「あ、ああ。まあうん。よろしく」対して僕は右手を少し上げてすます。


って・・・手加減する気、ないな。


・・・おおっと・・・降魔六学園最速だろう葵のスピードは・・・矢のようにぶっ飛んでくる。

ヴィジョンアイ・クラッカーモードは発動している、それでも早い。

この全国大会でも最速・・・クイックネスという意味ではジェニファーかもしれないが。


兄であり師匠の僕に手加減しろよな・・・。


この父王の養女は何者なのか、調べても本当の両親の記録のキの字も出てこない。父王が守ろうとするのだから・・・しかも王族の血をひいていて・・・父の姉上の隠し子ではないのだろうか?


父の姉上は行方不明なのだが十中八九、生きてはいないだろうが。


いけないな・・・集中しよう。


権藤先生が僕と葵の戦闘を見て驚いてる「は、はやすぎる」とか言っているようだ。今日は戦闘時以外は霊眼を封印しているので少し新鮮だ。観客の声も良く聞こえる、まあスローなので脳内再生しているわけだが。


―――凄い戦いだぁああ―――

―――さすが竜王家同士の―――

―――じんめサマぁあ―――

―――いけぇ!如月部ちょ―――

ん?ロミオか復活してよかったな。

―――なんという力だ―――

これは権藤先生か。

―――もけちゃん!!がんば―――

全然聞いてなかったけどオールバッカ―もずっと声出してるのか。喉痛めるで。

―――全然見えねえ―――

―――兄の方が美人ってどうい―――

―――なんというスピー―――


うん、よく見えている・・・葵のダッシュ、攻撃、飛行・・・。


“エラスティックショット”!!


この葵の鎧は僕が造ったもので・・・エラスティックショットを組み込んだのも僕・・・だからリーチはよく分かっているのだ。まあ葵本人も試行錯誤しているようだが。


“スプラッシュ”

“エラスティックショット”!!


いやあ安全だ。間合いの外だからなあ。

要は近づかれなきゃいいんだ、葵は早いが制御はきいていない。減速して次の攻撃に移るのが遅いのだ。


今のところ余裕だな。


全く実は攻撃する気はない・・・これが攻略方法だ。

どう分析しても葵は攻撃を喰らうとTMPAが上がって行くようだ。竜気の影響だろうが。戦っている最中にダメージを負うたびに能力以上にどんどん強くなるのなら・・・。っていうかどういう能力だ、戦う相手にとっては悪夢だな。


ダメージを与えなければいいのだ。

TMPAが通常4万台として、桔梗戦だと6万ほどになっていたというなら。勝てない。


攻撃を防御するのも良くない・・・特に“極大火焔粒子咆”は纐纈君に撃った時・・・どんどん攻撃力が上がり続けた・・・防御もダメだ。


つまりさっきシミュレーションしたところ、葵には攻撃しない方がいい・・・防御もだめ、つまり葵の攻撃は回避のみに集中するべきで防御しても能力アップされる可能性がある。


さてシミュレーションどおり、僕の霊眼に葵のパワーアップは認められない。


このままで良さそうだな。良かった・・・思ったより簡単だ。


多分外から見てると訳わからないスピードだろうけど。やっぱり通常状態だと僕の方が早いね。ゆっくり葵の伸び切った右手をつかみ右足を弾いて転ばせる。

高速でスライドしている最中だったため葵はごろごろスピンしながら転がっていく。これは魔術攻撃を一切乗せていないためノーダメージであるが、時間稼ぎになる。

起き上がるとともに攻撃してくる。


“ダブルチャージ”

“エラスティックショット”!!


これも出始めに隙がある。葵の右手首を関節を決めながら捻って投げ飛ばす。色んな武道に伝わっている基本技だ。

それでも葵の攻撃は掠るとまずいから気を付けつつ、さらになるべくノーダメで投げ飛ばして時間を稼ぐ。


「おおおおお!」突然、葵は吠えた・・・。


お?エラスティックショットで剣を作ったか。これは葵のオリジナルだ・・・教えていない。


“エラスティックスラスト”!!


赤い刀剣の先端が振り下ろされながらリーチが伸びる・・・先端の刀身が飛んでくるかのごとくだ・・・かなりのスピードだが。

でもタイミングが読まれていてはどうしようもない、この技は以前見た。

桔梗の左胸の装甲を易々と壊していたからな、いつ来るかと待っている僕には当たらない。


でも闘技場は“エラスティックショット”連発のせいで穴だらけで半壊してしまっている。


ん?葵が立ち止まった・・・つまり今度はあれかな。

多分あれをやってくる。


必殺技か、葵の前面に竜の頭が形成されて咢が開きブレス攻撃が来る!

遅すぎて欠伸が出そうだが・・・僕なら6回は竜殺槍で刺せるが・・・攻撃はしない。


“極大火焔粒子咆”!!


闘技場内は熱線のようなブレスでオレンジ色に染まる・・・。


が、すぐにブレスは止む。

これも予想通りだ・・・。反則じゃないとは思うのだが相手の、つまり葵の影にしばらく潜む技だ。影の中は燃えないからな。燃やすものがないとブレス攻撃は強化、延長されないわけだ。敵の存在自体が燃料のようなものなのか。


相手を失った葵は高速で動きながら僕を探している・・・探知力もまだまだか。


しかし攻撃すればするほどTMPAが上がるとすると・・・450年前に“紅蓮返し”が敵も味方も3万人もの人も含めて一撃で燃やしたというのも頷けるわけだ。かつ敵が多い方が火力が出せる特殊なブレスなのかもしれないな。


極大火焔粒子咆を僕が喰らったように見えたのだろう。全く無傷の僕を見て葵は驚いている、いやさっさと切り替えないとさ。まあ戦闘技術はまだまだかな、スピード早くても地上でも、空中でも急停止、急旋回できないと・・・。もうちょっと教えないといけないかな。


―――もう長いこと戦っている気がする、4倍速で動いているから5分は体感で20分だもんな。何千発かのエラスティックショットを避けて、これで60回目か・・・葵を捻って投げる・・・。


戦闘終了まであと0.8秒、体感で3.2秒・・・もう少し引き付けてから・・・あと0.2秒くらい・・・。


最速で近づいて、始めて僕は葵に攻撃した・・・鳩尾に掌底を叩き込んだのだ・・・。

炸裂だ・・・この試合最初の一撃。

ぶっ飛んでいくが両足でブレーキをして結界壁付近で葵は止まる。


『大将戦、Z班の優勢勝ちです』


そうそう、攻撃すると強く速く硬くなるなら最後に一発だけ入れればいいのだ。


これがさっき思いついた葵の攻略法だ。


本名・・・如月神明睦月葵は降魔六学園で2位くらいの実力と見たんだけど、もうちょっと弱いかもしれない。ベールを脱いだ麗良の方が強いかもな。いやでもTMPAが上がれば手強くなるだろうし、まあこんなものかな。


「はぁ・・・兄さま。さすがです。さすが。何もできませんでいた。稽古久しぶりにつけて頂いてありがとうございました。こんなに・・・こんなに、うれしいことありません」おお?葵も成長したか。なんか礼儀正しいし嬉しそうに一礼したし、なんか半泣きだし?

あれ?なんか降魔六学園でダークアリスの次くらいに横暴で手が付けられず、わがままで素行不良のどうしようもない不良少女かと思っていたんだけど、この顔を見てると・・・社会復帰できるかもしれない。


なぜかずっと一礼しているし・・・。


とにかく僕は怪我しなくてよかった。

痛いのは嫌だもんな。絶対に怪我したくない。


タイガーセンセを始め、みんなが出迎えてくれる。

何やらもみくちゃにされるが。

「アフロ、恐れ入るよ。どこまで予想通りなんだか」

「勝つとは思ったが、もけよ。さすがに予想外であろう。なんという俊敏さだ。桔梗とそう変わらん戦闘力の如月葵に何もさせんとはな。キエ~間違いない」いや違うんだと言おうとしたがなんなんだコイツ等、うわっと・・・抱擁とかいらないんだ。

「もけちゃん、すげえな!おれっち目で追えねえぜ!感動で泣けてくるぜ!」おまえも泣くな。

「カワユイもけキュン、だめよ。だめ。それはだめ。そのカップリングは・・・だめ」何が?

「じんめちゃん、さすが先生のじんめちゃんね。もう何でもしてあげる、あきら」じゃあ焼きそば欲しい。

「へへ、もけ君。音速光速大回転貴公子じゃないですか電磁力加重反重力バスターを地面に撃った感じですよ」まだ意味わかる・・・やっぱ、よく分からん。

「神明さま。世界が違うとはこのことでございます」チンプンカン高校め、4万円払え。

ああそうか黒川有栖に続いて村上君もリタイヤだったか。脳浮腫は起こしていないからダークアリスよりずっと軽症だろうけど。これで6人きっかりか。

あとZ班は2戦ある。まあ分かりやすくていいが。


要は背水の陣・・・そんな感じか。


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