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ドラゴンディセンダント  作者: ドクターわたる
竜の召喚士
60/265

2-14-5.決勝リーグ⑤

―――そしてモニターでは第4試合が始まる・・・。

“ホーリーライト”対“Z班第二部・王下竜騎兵団”だ。


さっきのよりもこっちの試合の方が気になるな僕は。

しっかしアフロは“ホーリーライト”の試合も見ないつもりか・・・大丈夫なの?


先鋒戦は高成弟とプリン石川の勝負だ。


お?やっぱり僕との戦闘後に何故かパワーアップした輝皇大大剣を装備できるようになっている・・・。つい先日まで使ってなかったからギリギリで能力的に装備可能になったのか。


プリン石川はもともと第2高校でファンクラブまであったモテモテぶりだったらしいが・・・なにやらさらに洗練されていい戦士の顔になったな。

モニターだと細かな能力は見えないな。


普段、霊眼に頼りすぎだよな・・・反省しよう。


対する高成弟はややイラついている・・・かも?

あれか、ジェニファーに負けたからか?まあ本人に聞かないと分からないが。


妖刀と光の大剣の勝負でもあるわけだ。


キィイイイ――ン!!


おや?この音・・・刀と剣がぶつかり合い火花を散らした音だが・・・いけるかも・・・高成弟の刀は相手の剣すら切ってしまうのだが・・・多分だけど輝皇大大剣は切れないな。


お互い両手に得物をもって切り合うという見ごたえのある戦闘だ。

近づき過ぎず離れ過ぎず・・・緩急があり・・・まさしく上級者同士だ。


キン!!

キイーン!!


研ぎ澄まされた音だ・・・。

プリン石川は2年生でこの強さか、大したものだ。

攻撃力は互角、スピードは高成弟、防御はプリンの方だ。


中間距離ではプリンの光属性攻撃がなかなかエグイ・・・避けにくそうだ。


もう一つ両者に差がある・・・。失念してると危ないぞ高成弟・・・。


キィ――ザクッッッッ!!!


それはリーチだ・・・単純に輝皇大大剣の方が少し長い・・・。

一撃はいると・・・ブンブン大剣を振り回し始めた。振り回すたびに金属音がする・・・いや効いてるな。


妖刀と普通の剣を合わせると大概の剣や武器は破損してしまう・・・そういう意味では輝皇大大剣は頑丈だな。プリン石川もそれを分かって振り回している。一撃くらって高成弟は熱くなってきているな・・・少し離れたらいいのに。


剣と刀が合わさる度に高成弟は少し後ろにグラついていく。どうしようもなくなって間合いをとろうとしたところを輝皇大大剣の突きをくらって・・・ああ、あと一撃で負ける・・・まだ勝ち目はあるが・・・。


最期の攻撃は相討ちだ・・・といってもプリン石川は立っている。


負けたか・・・高成弟・・・ジェニファーに負けてイラついたか?まあ立て直せないのは自分の責任だが・・・今日は調子悪くないか。


先鋒戦“ホーリーライト”は落とした。



―――次鋒戦・・・。

“ホーリーライト”で一番モテるとかいう噂の仁久崎星真に対するは“Z班第二部”の真面目な印象の泉麻希だ。

そうか、雷竜同士のバトルか・・・。


降魔六学園の最強雷使いは文句なしにレマだろう・・・麗良は雷竜だが基本は光属性しか使わない。雷使いの第二位の決定戦なわけだ。


ほぼすべての面で・・・TMPA、攻撃力、防御力・・・仁久崎が優る。遠距離戦なら泉麻希も互角に戦えるだろうが。


モニターは激しい雷属性魔法の応酬を映している。


「信じらんねえぜ、おれっちたちがこんな奴らと戦うなんてよ!でもやるしかねえぜ!」

“ホーリーライト”は降魔六学園においては恐怖と尊敬の対象だ・・・それに1勝でもするとなると・・・まあ大したものだし、そう思うのも仕方ない・・・飲まれてしまっては元も子もないが。

ガラにもなく忠告じゃないけど少し話すか・・・。

「オールバッカ―。僕も桔梗と戦う時は怖かったよ」

「・・・まじかよ。もけちゃん。何度動画見ても余裕にしか見えねえけど。元気づけてくれるつもりなんだろうけどよ・・・」

「いやいや怖くて逃げたかったよ。ただ危険な時ほど面白い、相手のことも自分のことも新たな発見があったりするよ。試合なんてまず命落とさないんだから練習だよ。練習。ナンパするんだろ?オールバッカ―、多分いっしょさ。タイミングだよ。招き入れるんだろ自分の領域に・・・自分の得意分野にさ」

「・・・ナンパ・・・ナンパと一緒か・・・それは考えた事なかったぜ・・・ナンパか・・・」

状況によっては呪殺されうる僕と違って何も失うものがないのに何を緊張しているのか。


巨体がすまなさそうな顔で近づいて来る、でっけえな・・・。

「ん?村上君?」

「あのもけクン。よかったらアドバイスしてくれないかな。出来たらでいいのですけど」

「村上君はそのままずっと緊張してていいよ。戦闘中は理性飛ぶんだからさ」

「ええ?ええ?えっとそう。そういえば・・・そう」

でかい頭を傾げるな・・・全く・・・。


というか逆で・・・それ以外の連中は全く緊張してないな・・・。青木君は携帯端末でなんだが美少女ゲームみたいのをしてる・・・星崎さんはなんだろう端末で小説読んでる・・・やっぱりお似合いだ。壁にもたれてアフロは寝てる・・・。ダイブツくんは何してるんだろう・・・?ブリーフいっちょで長椅子に寝て・・・口を開いて天井を見て四肢をバタつかせている・・・一切瞬きしていない・・・野生の世界のアレかな・・・意味不明だが世界には解明されていないものがあるのだ・・・分かっている事は有限で、分かっていないことは無限にある・・・そういう意味でダイブツくんの行為について言及するのは全くの無駄だ。


ん?今度は土下座しながら何か近づいて来る・・・華曾我部茜さんか。

「茜にもお言葉を頂けませんでしょうか?神明さま」ああ茜さんか。

「レベル上がってるし、身体は動けてるし別にいいんじゃない?」

「えええ~。そ、それだけなんでしょうか」なんやねん・・・両手をモジモジさせて、うるうるすんな。

「まあしいて言えば茜さんのデータは分からない。全国大会予選も本戦も出てないし情報がないんだから妙な小細工はせずに得意技をぶっぱなして対処されたら、戦法を変化させればいいんじゃないかな」

「なるほど理解いたしました」

まあどうせアフロが采配振るってるんだし・・・何言ってもいいや。

で、なんでタイガーが来るんだ?


「じんめちゃん。先生にもなにか言いたいこととか・・・したいこととかあるでしょ?」

「はい?・・・先生はアドバイスする側でしょ・・・」

何言ってんねん・・・このタイガーは?

「あ!先生」

「なに?じんめちゃん。先生と何か・・・」

「次鋒戦終わりますよ」もう決着だ。

「・・・・・・どうでもいいのよ。そんなの」


おお!僕は相討ちとか自爆とかには左肩の呪詛のせいでウルサイのだ。

耐性上げたのか・・・泉麻希・・・。


攻撃力において雷属性は最強クラスの属性なのだが、雷の召喚士は大概が雷系魔術の攻撃に耐性が低いのだ。例えば火属性の召喚士はまず火炎系魔術に強力な耐性がある。


絶体絶命・・・ほぼ負けが見えている状態でワザと泉麻希は仁久崎星真に抱きついて敵にも自分にも雷系魔術で攻撃したのだ。仁久崎も両手の雷光をスパークさせて攻撃したが・・・すごいな・・・強引だ・。練習してるねこれは泉麻希・・・。


チカチカしていた二人は抱きつき合ったまま倒れていった。

引き分けだ・・・。


(圧倒的不利でも相討ちに・・・僕の座右の銘のようなものだ・・・見習わねば)



―――中堅ダブルス・・・。

“ホーリーライト”は天野・エミリーのペアで、“Z班第二部”は神取・瀬川のペアだ。

天野は身長ほぼ2メートル、なぜか丸坊主で袖の無い世紀末な感じの学ランを着ている神取・瀬川の2人も190センチを超えている・・・見ごたえある眺めだ。


つまり“ゴールデンアイ・スチールレッグス”対“ガリバー兄弟”とういわけだ。ガリバー兄弟というのはただのニックネームだが。


戦闘開始・・・あっという間に天野・エミリーは黄金の目の輝く鋼鉄蜘蛛を形成する・・・。必勝パターンだ。


対する・・・んん?なんか・・・神取・瀬川ペアは二人並んで歌っている・・・?ナニコレ?

そうか・・・これは全く・・・無防備・・・に見えるがまさか・・・。


ドゴォ!!!


鋼鉄蜘蛛の巨大な脚で歌っている二人は一薙ぎでぶっとばされる・・・。


やはりこれは・・・この歌は・・・。


2人はスックと立ち上がる・・・血まみれで重症だ・・・。

まだ歌っている・・・この歌・・・どう考えてもなんの意味もない・・・完全に無防備だ・・・アホか?


・・・その後は2人とも闘気をまとい―――もちろん魔装鎧はダブルスでは使用できない―――なんとか戦闘になっているが如何せん防御力が裸と戦車くらいの差があるわけで厳しい・・・。


瀬川の真後ろに神取が隠れて激しく動き撹乱しつつ瀬川が水属性で防御・・・神取が雷属性で攻撃していく。あれだ、春季大会で“DD-stars”がやったような戦闘方法の応用だが、しかしスピードが神取・瀬川ペアには足りない、かなり攻撃をくらってしまう。


(これは見ても仕方ないな、そろそろアフロを起こすか)


っと・・お?すごい膂力だ。神取・瀬川ペアは鋼鉄蜘蛛の背中の装甲を大ダメージを負いながら一部を剥いでいる。


(両想いの天野・エミリーにはノーダメージだし、しかしモニターに映る顔は神取も瀬川も劇画みたいな顔つきになっている、二人ともだ、ちょっと気持ち悪い)


「まさか、何か起きるなんてことは・・・」あ?珍しく独り言を言ってしまった。


・・・なるほど、それは効くだろう。ようやく何をするつもりか理解できた。


“ゴールデンアイ・スチールレッグス”のビームをくらいまくりつつ瀬川は水属性魔術で鋼鉄蜘蛛の背中を攻撃しまくっている・・・全くダメージはないだろうが・・・鋼鉄蜘蛛の内部は少し浸水しているはずだ・・・。そこに強引に近づいて神取が雷属性魔法をぶち込んでいる!水を伝導させるわけか。なるほど電解質を含んでいるのか。


さすがに確実にダメージが入っているはずだが。


“スチールサイクロン”!!!


鋼鉄蜘蛛は超高速で回転して背中に捕まっていた神取は飛ばされてしまう。

神取をキャッチした瀬川だが目の前に鋼鉄の嵐が迫る!

なにか抗術を使ったようだが・・・ダメだ、2人は独楽のようにぶっ飛ばされた。

跳ね飛ばされて回転しながら床に結界にぶつかりダウンした。


霊眼で見なくても分かる・・・全身打撲・・・複数ヵ所骨折・・・内臓損傷・・・。勝負ありだ。立てない。


(もういいや。そろそろ副将戦だしアフロ起こさないと・・・)


ゴーゴゴ、ゴーゴゴ、ゴーゴーゴーゴー!

ゴーゴゴ、ゴーゴゴ、ゴーゴーゴーゴー!


後ろのモニターから何か聞こえる。聞き覚えある歌だ。

え?瀬川も神取も立ってる、瀬川は口から泡沫状の血だ。血気胸になってるかもしれない。神取は目が開かない・・・眼窩骨折ぽい。立つなバカ。しかも歌って・・・。


ん?血の模様がおかしい。


二人ともダメ押しのエミリーの光魔術に刺し貫かれる。


終わりだ!


試合終了・・・になってない!・・ええ?まだ立ってる。いや桔梗戦での葵のは違うんだダメージが回復するから立ってるんだ。コイツ等なに考えてるん?


血の模様・・・これは巫術・・・巫術だ。瀬川と神取の全身に血で模様が浮き出ている。


自分の血を使って発動する巫術か・・・それでワザと血を流させた?


うっそお、バカじゃないの。


な・・・何をする気だ?

鋼鉄蜘蛛を挟む位置にいる神取と瀬川は何か自爆技に近いことをする気だ。


“二重奏”!!

“阿吽の構え”!!

“迅雷覚醒連弾”!!

“水烈覚醒連弾”!!


というかこれも自爆技だ・・・ワザと飛ばされたのか!

覚醒魔法で挟んで攻撃・・・倒すには足りない・・・自分たちの身体を媒体にして出力アップ・・・さらに乱反射させて。

闘技結界内は雷雨警報状態だ・・・!数限りない雷撃が水撃が鋼鉄蜘蛛を襲い続ける。

そして、どれほど攻撃を受けても神取と瀬川は倒れない“阿吽の構え”で強引に立ち続けている!


おおお?まさか・・・。


停止している・・・闘技場中央の“ゴールデンアイ・スチールレッグス”・・・。動いていないぞ・・・。

まさか勝った?いや引き分けか?全員戦闘不能?

え?何か聞こえるぞ。


ゴーゴゴ、ゴーゴゴ、ゴーゴーゴーゴー

ゴーゴゴ、ゴーゴゴ、ゴーゴーゴーゴー


このダメージで2人とも歌ってる?

え?どうなってる?霊眼使いたいな。


んん?引き分けの判定だ・・・?なんで?歌ってるのに。


「・・・まさか、神取・瀬川ペアは2人とも立ったまま気絶してる上、意識無いのに応援歌をハモってるの?」

「すさまじい戦いであったな?もけよ」

「い・・・いつの間にアフロ」

いつの間に起きたんだ、というかモニターに集中しまくっていた。

「魂の鎮魂歌であろう。間違いない自信を持てい」

このゴーゴゴっての鎮魂歌だったの?関わり合いたくねえな。



―――衝撃の展開のなか副将戦が始まる!


強すぎる・・・いくらなんでも・・・。

副将戦はプカプカ浮いて緊張感無く登場した更科麗良の圧勝だった。

ここまで全勝でチームを引っ張ったポイントゲッターの花屋敷華聯なのだが、しかもほとんどの技や術を見切りノーダメに近い状態でここまで来たのだが。一撃も麗良に入れられないまま光輪で切り刻まれた。華聯も色々な仕込みをしていただろうが通用しなかった、何も。

しかし麗良の戦闘技術って・・・想定外だ、とんでもない。


―――さて大将戦だ・・・。

ここまで1勝1敗2分けで五分だ。

今大会、初めて西園寺桔梗が出てくる・・・はず。


「貴女は今日、神明全サマに負けます。わたくし達の仕事は貴女を引きずり出すこと・・・不思議だわ。貴女を前にしても。もうちっとも怖くはないんですね」

ピンクツインテールの城嶋由良がキツネ目を尖らせてビシっと桔梗を指さしてシレっととんでもないことを今、言わなかったか?桔梗は目を閉じていて特に会話する気はなさそうだが、いやあの・・・。

ケンカ売りたければ勝手にしてくれ、僕はカンケイないじゃん。無関係なんです。

いつぞやの茜さんみたいに土下座しながら桔梗に謝った方がいい。そうしよう。


ぜ、ぜ・・・ぜったぁああああいに!桔梗とは・・・戦いません。


絶対いやだ。あの極悪人は僕に何か酷いことをする気だ、分かっているのだ。


いかん、いけない、やばい、マジ怖ええ。

これだけはアフロに伝えておかなくては。

「あのさアフロ・・・」

「はじまるぞ。もけ」

ああ、由良さんボロボロにされるぞ・・・。まあ仕方ない。


速い!モニターはダメだ・・・映ってない。


どうも、何かしようとしていた由良さんの鳩尾に桔梗は一撃ボディブローを入れてそれで終わってしまったようだ。

あれ?これだけ?そんなに酷いことしない日なのか?極悪人にそんな日あるのか?

モニター前で“Z班”は絶句だ・・・やはり桔梗は強いなんてもんじゃない。


「キエ―――!さて第5試合がはじまる。我々も出陣である」

我々の試合はさらに次の第6試合だ。第5試合は“DD-stars”対“Z班第二部”だ。


おっと?ハゲがいきり立っている?

「うおぉぉおおおお!全部脱がせましたぁああ!!」

よく分からないがこの状況で携帯ゲームに没頭できるとは・・・青木君すげえ。

「うぇええん。・・・この携帯小説・・・悲恋ものだったなんて。ミイロミューン・・・2人を助けてあげて・・・」

うん、さっぱり分からないが星崎さんもやるなあ。小説の登場人物じゃなくって僕らを助けてくれ。

村上君はトイレに行くと言って帰ってきていない。ダイブツくんは天井向いてまだあのよくわからない体操をしている。


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