2-13-6. インターハイ全国大会⑥
―――よく分からない話しの後、しばらくして本日最終戦となる3戦目が開始間近になった。
もうかなり慣れたが、国立闘技場の館内は人だらけだ・・・よくもこんなに人がいるものだ、ザワザワしている。
それにしてもみんなこのまま戦う気なのだろうか?
なにやら観光に行く気配じゃないなあ。
緑アフロ隊長はロングライフル“九鉄”を両手に持って集中。
幅の広いソード“ギド”をクルクル振り回しているのはオールバッカ―だ・・・こうしてみると、まあまあ様になっているが・・・ん?なにかオールバッカ―を応援している女性が数人いるな・・・まあ気のせいだろう。
ハゲの青木君は・・・真名子にひっぱたかれている・・・うん、応援してるよ青木君。うんそしてひっぱたかれている・・・うんうん。まだひっぱたかれているな。巨体の村上君はそれを止めている・・。
26歳独身巨乳のタイガーセンセは電話してるな、黒川有栖の入院ことのようだ。
さて僕は何故か写真を撮られることが多く・・・段々増えているようだ。何かの呪いに使われないといいが。
闘技場の向こうにはチーム“残影”のメンバーが集まって談笑しながらアップしている・・・バックには相当数の応援団もいるようだ。そういえばZ班の連中って準備運動とかしないな・・・ああ、教えてないからか。
―――“Z班”対“残影”の戦闘開始前のあいさつで田宮動物園の田宮君が「いやいやいや良い試合をしましょう」と爽やかに言った・・・部長はアフロなんだけどな、僕に言われても。
先鋒は特にいつもと変わらないアフロが出撃した。
相手選手は中々豪華絢爛な装飾の魔装で戦う美人な選手だった、というか向こうの選手は全員魔装が煌びやかだ。お金持ちなのだろうか。そこら中にキラキラしたものがくっついている・・・。
・・・先ほど霊眼で教えたばかりの術を使うまでもなく遠距離戦に持ち込んで戦闘時間4分20秒ほどでアフロが勝った。アフロが勝つとなぜか向こうのチームの連中も拍手している、変わった連中だな・・・紳士だなあ。
・・・次鋒戦だ。6戦連続でオールバッカ―が出撃。相手の気迫があまり感じられないが貴族のようないで立ちの長身の男性選手が相手だ。TMPAは23000程か。
戦闘開始・・・オールバッカ―は盾で相手からの攻撃を受けた時、防御硬直を緩くする“斥果力相”を嫌がらず使い・・・有利に戦闘を進めていく。全国大会では特にオールバッカ―は次に何をするかを頭で考えチグハグな動きが戦闘中多いので盾で防御することによりリズムを取れるかと思ったのだが・・・上手くいっているようだ。
おお?結構強く見えなくもない。
相手の攻撃をタイミングよく盾で“斥果力相”で防御する。その時点で相手の距離に合わせて魔装武器“ギド”で攻撃。魔術は相手の隙が大きい時以外は使用禁止と言い聞かせた。
・・・・・・おおお。
なんと危なげなく戦闘時間3分1秒でそんなに変わらないが格上を撃破した。オールバッカ―が勝つとなぜか向こうのチームの連中もまた拍手している、変な連中とか言ってはだめか・・・紳士な連中?
「うおぉぉぉ!やっと。やっと勝ったぜ!みんなすまねえ」颯爽とオールバッカ―が戻ってきて・・・泣く必要なんて全くないのだが・・・まあ長足の進歩には違いない。大したものだ。
「すまねえもけちゃん、アフロ、迷惑かけたな」グスグス泣いている・・・気持ち悪いといいたいところだが・・・なんだろう・・・そんなに気持ち悪くない。
「もけちゃん、防御技だと思ってたらスゲー技だコレ・・うぉおおお!」・・・ぐ?・・・なんでコイツは僕を抱きしめているんだ?
「キャーだめよ。2人とも。もけキュンにそんなことしては・・・青い髪が揺れてキャー」なぜか顔を赤らめつつ写真を撮っている星崎真名子はオールバッカ―に写真と同時に回復魔法をかけているようだ、器用だな。
しかし星崎さんはこの試合・・・全国大会初陣で副将戦出るというのに余裕だな・。
グルォオオオオオオオ!!!!
中堅ダブルスは・・・開始と同時に赤ノ巨人が咆哮とともに凄い顔のまま固まった青木君(鉄棒)を一振りして相手の2人のシルエットは書き消えて・・・勝利した。これで3勝0敗か。
・・・ん?今度は相手のチーム唖然としていて拍手しないな・・・?よくわかんない連中だ、紳士じゃないのか。
さっき挨拶にきた田宮君は真後ろにひっくり返っている、それどころか逆立ちしてる??変わってるな。
そして副将戦・・・真名子の全国大会初登場だ・。
僕らの試合はギャラリーがかなり増えてきている。
―――すげえかわいい子出てきた―――
―――あの女の子戦うのかよ―――
―――キリサメだぜ!相手!ダイジョブかよ!―――
えっと・・・相手は“残影”のポイントゲッター霧雨牡丹だ。なんか聞いたことある名前だ、うーん去年も全国大会出ているか・・・確か春季大会にもいたかも。身長187㎝体重85Kgでマッチョ。こいつだけ突出して他の連中よりTMPA1万くらい強い。TMPA32400、竜族だな。木属性、サブで地属性。近接戦闘攻撃寄りスピード型だ。魔装武器は両手に小太刀を持っている・・・。魔装鎧も彼だけは変な装飾品は着いていない。心身充実・・・いい戦士だ。
気を付けるべきはかなりのスピードと体術だろうか。
「殺せ!キリサメ―――!!」と田宮なんとか君が立ち上がって激高している、変わってるな・・・あれ?
・・・戦闘開始!
普段は真名子は魔装すると赤いチュニックを着装するのだが。戦闘用にかなり頭を使って真名子用にダマスカスプレートアーマーを構築したのだ。黒を基調に縞模様でデザインされている、自分で組んでおいてなんだがいいできの鎧だ。真名子のTMPAは15000もなくそれほど素では強くないため当然魔装鎧もそれほど強くない・・・だが真名子の状態によって変化するよう作成したのだ・・・さすが僕だ。
戦闘開始の合図が終わるころ・・。
なかなかの迫力の霧雨牡丹は怒声を上げている!
「故あって手加減はせぬ・・覚悟せい!女!」いつの時代の人だ・・・高校生か、このおじさんは・・・。
ピッシャ―――!!
いい音が響く。目にも止まらないスピードで真名子が霧雨牡丹の左顔面にビンタを食らわせたのだ。
(いやあ早いな・・・というか・・・すごく速い・・・。)
黒い革のような材質で霧雨牡丹は頭部を全身を覆っているが顔面がひしゃげてしまっている。
「ぬううん!!」
一瞬バックへ飛びのき、霧雨牡丹は前傾姿勢で真名子へ攻撃する、予備動作も少なく他の“残影”のチームメイトとは比較にならない。やっぱりコイツ去年まで“飛影”という全国大会常連のチームにいた気がする・見た覚えがある。
チーム“飛影”は分裂したのかもしれないな。
パッシ―――ン!!
もう一発だ。真名子に左顔面をひっぱたかれている。
霧雨牡丹はその勢いで空中で一回転したが倒れず小太刀も離さず四足獣のようにふわりと地面に立ち・・・何が起きているのか分析しているようだ。
揺らぎながら残像を残して後退する。
・・・まあ3勝しているし・・・真名子は棄権してもいいし・・・そうかまた勝っちゃったなあ、ということは。
お?霧雨牡丹の気配が消えていく・。
“風生風滅”
ああ。緑川尊が得意にしていたサードアビリティだ。
そうか緑川尊か、久しぶりに思い出したな・。ドラゴンディセンダントの三守沙羅たちチームメイトは彼の死を乗り越えられたのだろうか。チームドラゴンディセンダントは校内予選には出場しなかったが地方戦を勝ち上がり全国に駒を進めているんだった。そういえば江上明日萌だったっけ?アフロのファンは・・・。あの子も変な子だったな。
・・・おっと試合中だ。姿を消した霧雨牡丹は音も無く真名子の背後に迫る・・・真名子は気づいていないはず・・・だが。
――ッシ!
??
2本の小太刀を使った背後からの一撃は真名子の身体を通り抜けている。
・・・真名子に攻撃を避けられたのだ。
ビシッ!!ピッシャー――ン!!
今度は2発左顔面にビンタを入れられている。霧雨牡丹の顔面は覆っていた革がめくれて少し顔が見えている。
“地走覚醒針地獄”
気配も少ないし静かに上手に覚醒魔法を詠唱する人だな・・・霧雨牡丹。それにしても“残影”バランス悪いチームだな。・・・まあうちほどじゃないけど。
「うわちゃちゃ・・」とかいいつつも真名子は広域覚醒魔法を器用に避けまくっている。
うーん早いな・・・。ヒドイな・。そのまま真名子は霧雨牡丹の背後に回りそのままさらに回って・・・あれ?何する気だ?・・・そのまま相手の小太刀を避けまくって・・・。
ピッターン!!!
もう一発だ、左顔面にビンタしている。ヒドイ戦い方だ。背後から攻撃しろよ・・・我ながらコンナ・・・。まあいいか。
しかも攻撃がビンタだけ・・・。
相手が自分より予想を超えてとてつもなく早いことを霧雨牡丹はようやく悟ったようだ・・・まあ認めたくないわな。真名子の動きは素人だし、そもそも補欠だし・・・。
―――おっと霧雨牡丹は上手に真名子の腕を手繰り・・右関節を決めようとしているが・・・「キャー青木君のど変態!!」といった真名子の攻撃はひどいものだった。
・・・真名子は霧雨牡丹に馬乗りになり両手で引っ掻きまくったのだがあまりのスピードに霧雨牡丹の身体は摩擦でゴウゴウ燃えている。自分で火をつけて降りてキャーキャー言って闘技場を走り回った・・・。なんのこっちゃ?
しかし我ながらすごいスピードだ。
かわいそうに・・・相手の人のトラウマが心配だな・・。
・・・ちなみに試合前にアフロが相手を青木君と思え・・・とか言っていたな。あれかなキライキライもスキの内?だったけ・・・。なんか違うか?
ん?真名子が突然構えている・・・ファイティングポーズだ。全然できてないが・・・そもそも教えていない・・・どっかで見た構えだな・・・。
これって・・・まさか?
魔力で鎮火して霧雨牡丹が起き上がった瞬間「青木君!これでとどめ!!」とか真名子は言っている。
あれ?闘技結界内が暗転する・・・。
あれれ?相手の心眼をだましつつ。心眼の隙間から回避不可能な連撃を超速で浴びせる・・・・。いやちがう・・全部相手の顔面を狙っている・・・7発全部顔面に・・・酷いなあ・・・・しかしこれは・・・。
これって・・・・えええええ!
冗談じゃない・・・僕の“瞬殺神威”を真似た?というか途中までできていた??
やってられないな星崎真名子・・・“瞬殺神威”何万回練習したと思ってるんだ・・・。もしかして僕って才能ないんじゃ・・・いや才能ないから睡眠削って命削って努力しているんだけど・・・。星崎さんは竜は特発株だしな・・・いいなあ・僕ってZ班でも才能最下位なんじゃ?
・・・つか僕の甲竜“モルネ”はいつ蛹から孵化するんだ?長くない?病気カナ?
“瞬殺神威”を一回見ただけで覚えるって・・・冗談・・・じゃないのか。
―――副将戦勝利・・・完勝だ。4勝0敗。
田宮君が転げまわって悔しがっている・・・変わっているっていうか・・・面白い人かもしれない。飾らないし・・・仲良くなれるかな?さっきはフレンドリーだったし。
無傷の真名子がルンルンと帰ってくる・・・なんだかな。
「みんなやったよ。もけキュンってやっぱり強いね」
・・・真名子の能力は不可思議な点だらけで分からないことだらけだが・・・とりあえず間違いなくできるのは・・・能力のコピーだ。姿カタチもコピーできるが。試合前に僕の能力をコピーしたのだ。といってもコピーすると劣化し約80%の能力になるが・・・。TMPA44000スピード超特化の僕をコピーするとTMPA35200スピード超特化型の星崎真名子のできあがりだ。
・・・そりゃ強いわな。時間制限あるけど・・・相手は知らないし。
―――大将戦だ―――。
といっても勝負は着いている。負けてあげてもいいんだけどな。相手はあの面白い動きの田宮君だ。拍手したり転げまわったり逆立ちしたり・・・とても面白い・。戦後、一族の人は動物園を作るのに苦労したみたいなことを言っていたし苦労人なのだろう・・・確かに弟王子にしてやられている僕とは気が合うかもしれないな。負けてあげようかな。うまか棒50本で買収とはシャレてるし。
そもそも僕は戦う理由が無い。まあそりゃオールバッカ―が勝って泣けばなんかまあなんかって感じだし。黒川の戦いには正直心揺さぶられた・・・。星崎さんはなんだろう・・・こそばゆい感じだ、アフロはなんだ?なんだろう?青木・村上ペアは面白い・・こんな戦い方我ながらよく思いついた・。
・・・なんだろう嫌いじゃないの・・かな・。でも仲間じゃない・・・仲間はいらない。いらないって決めたのだ、ずっと前に。じゃあなんだ?
・・・あれかな?地中海風なんとかかな。食べたことないけど。最近ネットを見る機会が大幅に増えたので東京の有名イタリアンを検索しててみつけたのだ、地中海風なんとかの3D写真はおいしそうだった。
これだ!
Z班のどうでもいいクズたちは・・・仲間じゃない。仲間風だ。
うん、仲間風知り合いだ。
・・・仲間風知り合いのためなら僕は戦えるのか・・・うん。余裕で戦えそうだ・。
おや面白い顔で額に皺を寄せつつ田宮君がずいずいやってくる。
「あのあのあのあの。あなたね。こんな試合どうでもいいですけど。我々を敵に回しましたよ。さぞさぞさぞ御うれしいでしょうね。知り合いに弁護士も検察官も裁判所関係者も国会議員にだって知り合いいますからね。暴力団関係者だって思いのままですからね。普通に暮らせると思わないでくださいね・・・ああえっと試合開始はちょっとお待ちください」審判に何か合図している。すごい!審判を買収しているのだろうか・・・やるなあ。
「やっぱり田宮君はおもしろいね」(すごい面白いな・・・)
「田宮ってだれですか。そこまでそこまでバカにしますか。だいたいだいたいだいたいだいたい!1億で足りなければ2億だって3億だって払いますのに交渉の余地もなく無下に切り捨てるとはなんというバランス感覚の悪さ!政治家失格です!のし上がっていけませんよ!」
「1億ってなんでしたっけ?そんなことよりもどっちかっていうと僕はお金が欲しいんですけど」買収がうまか棒50本も面白いけど・・売れないしな。
「神明さん。残念です!我が剣“シルビンウォーター”は液状化してあなたの体内にはいり内臓を食い破ります!・・・もういいですよ!はい始めましょう!」そう審判にまた合図している。
―――試合開始―――。
なんだろう・・・うまか棒と田宮動物園が提携しているのかな。まあ5000円くらいくれれば負けてあげるのにな、4000円でもいいな。
まあ仕方ない試合するか。
「私は強いですよ!」そういう田宮君はなんかギャグ漫画の世界の人の様だ。水属性の曲刀を構えている。まあいいや、さっさと終わってアフロにどういうつもりか聞かないと。まさか明日の決勝リーグは出ないと思うけど・・・。
だって観光はいつ行くんだ?
無手流奥義
“瞬殺神威”
一瞬魔力ある人の心眼は塗りつぶされる。田宮君はもとより結界の外から見ている人からも一瞬僕ら周囲は真っ暗に見えるだろう。その間に心眼の隙間から15発の連撃を見舞う。
奥村槍術無手流奥義だ。変な風に覚えている真名子に見せているのだ・・・うん?おかしくない?なんで?見えるの?
ドコココ!!ドスドスドス!!ズガガガアァァ!!!
さて僕が開始線にもどったころ、田宮君の魔装鎧は15発の連撃に見舞われ消し潰れた。田宮君あはいい奴だ、めちゃくちゃな形になっちゃったけど恨んだりしないだろう。
きっと友達になれる気がする・・・生まれて3人目の友達か・・・そんなにいらないか。
大将戦・・・勝利だ。5勝0敗だ。
ああ、3連勝で明日の決勝リーグに駒を進めてしまった。まさか明日は観光するよね?
よね?アフロさん?
「さすがね。じんめちゃん」
さらに上気したタイガーセンセが闘技場の上まで来ている。嬉しそうだな。何かいいことあったのかな。
「さすがだのう、もけ。向こうの大将と何を話しとったんじゃい?」
「ああアフロ、あの人いい人でね」
そしてオールバッカ―に青木君に星崎さんにみんな駆け寄ってくる。仲間風仲間もいいものかもしれない。ワッショイワッショイいっている大丈夫かこの人たちは?
仲間風ならそこまでそこまで苦しくないし。
ん?仲間風仲間はおかしいな?仲間風知り合いだ。
んー。あの緑川尊は死んでドラゴンディセンダントは火が消えたようになっただろう・・・本当の仲間だったから。で、僕は仲間なんていない・いらない、だれも悲しむはずもない。
ああ気楽だ・・・闘技場の天井を見ると照明は結構明るくて少し青みを帯びているようだ・・・。
きっとアビルは解放される・・・たぶん葵も・・・おそらくは桔梗も・・・。
ん?何かのわずかな気配が・・・接近に気付かないなんて!
(うわっ!妖怪?)
「グモ―――!どうしてどうなっているのじゃ!どうしてどうして起こしてくれないのじゃ!」
「キエ―――!ダイブツくんではないか。ダイブツくん?おぬしは秘密兵器なわけであろう?秘密兵器は公に出てはいかん!」久しぶりにまじかで見るとダイブツくんの顔は強烈だ、アップで見ると眠れなくなりそうだ・・・もともと僕は寝ないけどあんまり。
「グモ~~~、グモングモン」わけわからん理論だったが、にんまり笑って納得したようだ。
「グモ―!そんなことでだまされないのじゃ!」ああ、だめだったか。
「ちゃんと勝ったから大丈夫よ!え~っと・・・たけ・・・えっと?ダイブツくん」タイガーセンセは絶対ダイブツくんの名前知らないと見た、生徒の名前覚えろよな・・・僕もまあうろ覚えだけど・・・ダイブツくんの名前・・・川上だったかな・・・違うな。
「グモー!どうなってるのじゃ―――!!お弁当はどこなのじゃ!お腹空いたのじゃ!」
全員普通に転がった・・・お弁当の話しだったのか・・・試合に起こさないことじゃなくってか。さすがダイブツくん、斜め上を行く唯一無二の男だ・・・あれ?そういえば由良さんが見せてくれた人気ランキングにダイブツくん入って無かったような?
「アリスちゃんが浮かばれないわ。ミイロミューンみんなの心を導いて・・・」
「真名子。この青木が着いていますよ」そいうって青木君は優しく星崎さんを抱きしめた。これは恋が進展する予感・・・。
パッチ―――ン!!
「うっはあ!」おもいきっりひっぱたかれた、青木君はもんどりうって地面に転がった。腰が入っていていいビンタだ。副将戦を乗り越えて星崎さんも成長しているな(ビンタが)・・・よかったよかった。村上君はトイレ・・・オールバッカ―は誰かにメールかな。マイペースだなあ。
「青木君!瞬殺神威でとどめが欲しいようね!早くこの世から消さないと・・・」
あれ?だから僕の瞬殺神威って・・・そういえば暗転してあらゆる探知ができないはずなのに・・・どうやって見たんだ?どうやって知覚した?どうやって覚えた?この子の能力は一体?
「キャー――!!」ダイブツくんがタイガーのジャージの中に両腕を突っ込もうとしている。チャレンジャーだなぁ。
みんな成長しているな。いいことだ。
「グモ―!お弁当ぉおおおお!!」さらにタイガーのジャージに頭を突っ込んでいく。
「そんなとこあるわけないでしょう!!」
ゴスッ!!!
「この!このっ!」
本気で嫌がっているようにも見えるタイガーセンセは肘でダイブツくんを地面に叩きつけてそのまま踵でドスドス頭を踏みつけている・・・まだ踏みまくっている・・・もういいのでは・・・。
まだ踏むか・・・先生、生徒は大事にしましょうね。
そしておもむろに僕に抱きついてきた・・・なんでやねん。
「じんめちゃん。きいてよコイツ胸を触ってきたの。コイツ!じんめちゃん・・・聞いてよぉ―――」先生・・・生徒をコイツ呼ばわりはちょっと・・・。相性悪いのかな。ダイブツくん背が低いもんな。あ、それなら僕も一緒か。ん?タイガーセンセはなんだろう?いい匂いがする・・・。
「あの、鳥井先生・・・鳥井大雅先生!黒川さんがいないからって抱きつきすぎですよ。ミイロミューンが許しませんからね、もけキュンの貞操は・・・あ・た・し・が!守ります!」
「っち。・・・まあとりあえずホテルへもどりましょう。部長、Z班、本戦リーグ突破おめでとう。締めてくれる?部長さん」
うん?ダイブツくんが誰かの黒いブラジャーを後ろ手に持っているのが気になるが・・・。
「キエ―――――!みなのもの―――」
取り敢えずみんなアフロの前に思い思い適当に立つ・・・。
整然とする必要はない。
それはまるで仲間風仲間・・・。
「あれ?あれ?・・・じんめちゃん。先生のあれ知らない?あの?」
「知りません」きっぱりと言っておこう・・・僕は持ってません。




