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ドラゴンディセンダント  作者: ドクターわたる
第4章 プチ聖魔大戦
202/265

4-7-3.恋愛成就は五里霧中③不知火玲麻と武野島環奈

―――2人の女性が手を繋いで校舎のすぐ上を並んで飛行している・・・スピードはそれほどではない、肉眼による索敵も兼ねているのだ。

1人は白を基調とした女騎士のような姿の魔装で、もう1人は黄色いメタリックなボディスーツのような魔装である。

2人とも髪は長くスレンダーであり女性のシルエットであることは遠目にも分かる・・・。

魔装姿でありもちろん臨戦態勢である。


2人ともチーム“DD-stars”に所属しており全校生徒約3000人の第3高校では特別有名人である。


黄色い魔装の女性がずっと話している。

「―――あたしはモグラたたきみたいで嫌いじゃないわよ・・・あ!手振ってる!・・そっちは調子どぉ??・・・ええ頑張ってくるわぁ、それよりさあ―――」


校舎の屋上から見上げている生徒数名から声が上がった。

―――オォ~!

―――レマさんとカンナさんだ!―――

―――がんばって下さい!!!

―――雷神とハンマー姉さんだ!


黄色い魔装の女性は一生懸命にこやかに手を振っている。

「まあ、そこそこがんばるわぁ!ってだれがハンマー姉さんよ!」

「舌をかまないようにしてね、カンナ。加速しますよ」


「わーかってるわよ、言われなくてもね。人気取りも大事よ、あたしたち落ち目なんだから・・・」


飛行しているのはレマの能力である。

現在は“DD-stars”3年生のレマとカンナの2人で組んで氷樹界の枝の下を飛び回り防衛しているのだ。


地下から校内に侵入する魔族がいるためにそれを一つずつ潰しているのだ・・・レマの能力で高速で飛行する必要があった。

地下から侵入してくるポイントは、大体の場所は本部から連絡がある。


今、氷の枝の下を飛びながらその一つに向かっているのだ。


・・・あらゆる距離で強力な術者であるレマと接近戦しかできないカンナなのだが、カンナの恐るべき物理攻撃力は圧倒的であり低い機動力をレマが補っているのだ。

飛行はレマの得意技でありずっと飛んでいてもさして疲れない・・・加えてカンナは探知能力はほぼゼロ・・・スピードも遅いため遊撃には向かないが二人一組なら問題なくカンナは能力を発揮できる・・・つまりハンマーを振り回せるわけだ。


―――ゴッバァアア!!


地面が盛り上がり、ひび割れ巨大な芋虫のような魔族の真っ黒い頭部が顔を出す・・・その魔族の外骨格はまさに鎧で鋼鉄よりも硬い。


―――キシャアアアアァア!!


叫び声をあげる魔族がとあることに気付く。

真上から何か降ってきたのだ。


黄色くメタリックな質感のスーツに身を包み・・・自分の身体より巨大なハンマーを両手にもち腰を捻り腕を捻り上げ巨大ハンマーを構えている。


そしてただ無骨に振り下ろした。


―――ゴスゥウウ!!!!

―――ヅォオオオンンン!!!!!


なんの技でもない・・・力の限りハンマーを振り下ろしただけなのだが地上に出ている魔族の肉体は消し飛んで地面もめくれ上がり、噴煙が立ち上る。

そこそこの大きさのクレーターが誕生した。

つまりこの超威力の攻撃はほとんど魔力消費は無い、力任せの物理攻撃なのだ。


「まーったくやあねぇ・・・」

そう言いつつかがんで右手を大地につけた。


“土角結界”!


一気に周囲の大地がカンナの魔力で硬質化し変異する。

地下にはこの魔族が通ってきたトンネルがあるはずだがこの結界形成によりさらなる校内への侵入を阻むためである。


「気持ち悪いわねぇ・・・あたしミミズとかニョロニョロ系は苦手なのよね」


周囲に芋虫の肉片が落ちている。

これで一仕事終わるはずだが今回はそうはならなかった。

クレーター中央・・・つまりカンナのすぐ傍の大地にいくつも小さめの亀裂が入る・・・。


数体の魔族が土中から現れたのだ。


「うわっ!・・えええ・・・なんでぇ、なんで土角結界が破られるのよ!言われた通りやったわよ」


魔族は人間より一回り小さく小柄で小さな角がある、それぞれ剣や斧で武装している。

ハンマーをカンナが構えた瞬間、辺り一帯がスパークした!


“雷光陣”!!


小鬼は7匹全てがバタバタと煙を上げて倒れていく。

中央に囲まれていたカンナは驚いた顔をしているが無事である。


「さっきのミミズの体内に潜んでいたみたい・・・かなりの数がいたみたいだけどカンナの攻撃でほとんど倒しちゃってたみたい」

「みたい、みたいって・・・大丈夫なの?もういないのよね?」

「・・・みたいね」


“次の座標を送ります・・・今いるその地点は人員を割いて結界を補強しておきますのでご心配なく”

声がレマの頭の中にだけ響く・・・念話通信だ。


「わかりました・・・」

「あ、権藤先生、あたしたちいつまでこんなことやらされるわけですか?交代制にしてよ・・・見てよ泥だらけになっちゃったし。休憩したいわ。お茶飲まないと脱水になっちゃう、お肌にも悪いし・・・」

「もう通信切れてます。次行きましょ」

「・・・あたしはあんたと違ってか弱い乙女なのよ、権藤先生も横暴だわ。あたしたちばっかり使って・・・美人を浪費させすぎてるのよ。あんな無限体力バカのメスゴリラと違うのよ・・・」

「はいはい」

「ちょっと聞いてるのレマ、あたしはテレパスないんだから伝えてよね・・・体力の限界よ・・・聞いてないわこんなこと」


ちなみに魔族との戦闘が始まってからずっと武野島環奈は愚痴を言い続けているがきちんと聞いている人はいない。チームメイトのレマもいつものことなので気にもしていない。



・・・再び手をつないでレマとカンナは出来立てのクレーターから飛び立つ・・・。

相変わらずカンナの口数は減らない。


「このままあたしたち魔族に殺されていまうんだわ。こんな若くて美人なのに・・・貴女耐えられるの?あたしは耐えられないわ」

「・・・」

「美人薄命っていうもんね。なんかさぁ。あの子たちが入学してきてからずっとこんな感じじゃない?」

「そう?関係ないと思うけど」

「絶対そうよ・・・さっきものすごい嫌な予感がしたのよ。くらくらしたわ・・・あたしの感は当たるのよ・・・あのメスゴリラが疫病神なんじゃないの?」

「・・・ないでしょね。生徒会長の悪口はやめたら」

もともとカンナは口が悪いが今日は特にといったところだった・・・イライラしているのだ。


探知系能力がカンナに無い事実はチームメイトだけでなく全校の大半の生徒が知っている。

“DD-stars”は第3高校ではアイドルグループのような存在で降魔六学園では人気も有名度も非常に高い。


だが先ほど一時的にカンナは非常に気分が悪くなったのだ・・・第3高校上空で戦闘開始になりしばらくたったころだった。

呪術攻撃かと思ったほどだがカンナは周りに聞いても気のせいで済まされた。


ほぼ同時刻にカンナの親友の大津留ジェニファーが中央区で命を落としたのだがそれと関係があるかは誰にも分からない。


「なんであの子の肩持つの?分かってるのよ?神明くんの妹さんだもんね?」

「・・・」

「守人君もかわいそうにね・・・まああたしも守人君はないけどな。ネガネガネガティブだもんね、顔はいいのよ、背も高いし家柄もいいし及第点だわ・・・長男だけど。でもあんなどんよりされたら疲れるよね。月に一回くらいしか元気な時ないからね・・・回答のないことしつこくこねくり回すし、うざいのよね・・・でも資産家なら考えるわ」

「・・・」

「別に応援したげるよ。神明君とのこと、妹がメスゴリラでも・・・あたしはあの子・・・そう緑川くんがイケメンで行動力あってさわやかで狙ってたけど・・・死んじゃったらどうしようもないじゃない・・・温泉行く約束してたのに・・・ジェニーも狙ってた感じだけど・・・こうなったら藤崎君に乗り換えようかな、最近いい雰囲気なのよ。お弁当作ってあげたしさ・・・どう思う?」

「藤崎?藤崎は学外に彼女いるわ」

「ええええええ!ひどい!ひどいわ・・・5秒で失恋なんて・・・ああやっぱり美人薄命なんだわ・・・あ、四字熟語つかっちゃった・・・三守病だわ」何かかにつけてカンナは1年女子をディスっている。

「カンナは後輩が嫌いみたいね?」

「あったりまえでしょ。こっちは先輩よ!完全にドラディセに抜かれちゃった感あるけどね・・・別にいいのよそんなことは・・・でも聞いた?校内で一番美人が秋元未来ってうわさ・・・ありえないでしょ?そりゃ金髪でかわいいとは思うけどさ・・・くやしいでしょ?」

「・・・べつにどうでもいいわ」

「知ってる?3高の美人ランキングってあるんだけど・・・レマが1位であたしが2位だったのよ・・・以前はだけど・・・今は変わっちゃったみたいだけどさ。というか顔で女性を判断するなんてよくないのよ。でもね負けるとくやしいでしょ、どこに目を付けてんのよ―――」


第3高校美人ランキングは非公式ホームページに有志により作成されていて毎月更新されている・・・そしてかなりの閲覧数を稼いでいる。


現在の第3高校美人ランキングと主だった二つ名は・・・。

1位・・・秋元キャサリン未来・・・堕落天使

2位・・・不知火玲麻・・・雷神

3位・・・大津留ジェニファー・・・女豹

4位・・・黒川真由紀・・・黒いシンフォニー

5位・・・如月葵・・・暴れんぼう生徒会長

6位・・・三守沙羅・・・純和風美女

7位・・・姫川樹奈・・・氷姫

9位・・・江上明日萌・・・不思議ちゃん

11位・・・侯子涵・・・中華美人

20位・・・武野島環奈・・・元和風美女

となっている。


実力もさることながら“DD-stars”と“ドラゴンディセンダント”の女性メンバーは美人ランキングトップ20位以内にこんなにランクインしている・・・第3高校に女生徒が1400人ほどいることを考えればかなりの割合である。


とくに1位の秋元未来は緑川尊が主催した伝説の美人コンテスト以来ファンクラブがある。最近順位をあげてきている注目株は4位の黒川真由紀と6位の三守沙羅である。

“DD-staras”の黒川真由紀はミステリアスで圧倒的に一部の女生徒からの支持が多い、そして三守沙羅は四角い鏡のように固く鋭い印象だったのが表情も言葉も最近柔らかくなったと評判である。

ちなみの武野島環奈が2位以上になったという記録は彼女が入学してから一度もない。


2位の不知火玲麻と3位の大津留ジェニファーの人気は安定している。

不知火玲麻は男女ともに高い人気・・・ジェニファーは金髪で特にスタイルがよく男性人気が特に高いのだが交際を申し込んだ強者もいるが全て玉砕している。


「―――まあだからさ、なんだったらあたしとレマとジェニーの3人美女と・・・6高の神明全くん、あの緑色のアフロの人と金髪のオールバックの人の3人で卒業前に6人で合コンしたらいいと思わない?あの金髪の子、結構カッコよくない?」

「わたしが神明くんでカンナが金髪のオールバック狙い?・・・じゃあジェニファーはアフロの人と?・・・うーん。私はパス」

「えええ、なんでよ。卒業したらなかなか思い人の神明くんに会えないわよ?いいの?」

「神明くんとは同じ大学に進学します」

「んんん?そうなの?」

「・・・・それにルームシェアして一緒に住みます。もう約束しました」

「はぁ?・・・はあああああ!?え!あんたたちそういう関係なの?・・・え?もう?そういう関係なの?・・・つまりそういう関係?・・え?同棲すんのぉ?ってあ!」


ピタッと空中で2人の召喚士は停止した・・・目的の場所がみつかったのだ。


「―――カンナ、あの体育館の真下です・・・行って・・・」

「話途中なんだけど!・・・・ああ!いいわいいわ!また投げ捨てればいいわ!レマ!いつの間にか抜け駆けしたのね!カレシ持ちなの!?・・・あたしなんか藤崎くんに失恋したばっかなのに、ずるいわ!ずるいわ!」

「じゃよろしくね・・・・あとそんなのは失恋とは言いません」

「じゃあカレシに行ってあの金髪の子あたしに紹介してよ・・・オールバッカ―で呼ばれてるあの子をさ」

「今度ね・・・」

そういいつつ自分を軸にレマはカンナを空中で振り回し始めた。

・・・遠心力を十分高めてそして放たれた。


―――今度じゃな・・・きゃあぁあああぁぁぁぁ―――


先ほどの戦闘よりもかなり強くカンナは体育館に向かってほぼ真下に投げ落とされた。


(全部魔族が悪いのよ!彼氏もできないし!レマの裏切り者!・・・魔族めぇええ!レマめぇええ!乙女の底力をなめないでよ!どっせぇえええええええい!)


―――あああぁああああああぁぁぁ―――


巨大ハンマーを右手に物質化して武野島環奈は叫びながらミサイルのように体育館に突っ込んでいった。


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