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ワールドアビリティ  作者: 天童 響
4/4

友情

エアロイドとの対戦を終え、フォース本部へと帰ってきた岳達は、坂上隊長の所へ行っていた。


案内されたのはやはり、清楚な雰囲気漂う綺麗な部屋だった。

しかし、そこで話されていた内容は場違いな内容であった。


「隊長!どういうことでしょうか!説明してください!」

机を叩きながら、憤怒している可憐が言葉の啖呵切った。

「僕は、ただ、君たちに初任務を与えただけなんだけどな〜」


その含みのある言い方にには、何らかの意図が隠されているのだか・・・それが何なのか今はまだ分からない。

そんな、思考が脳内を過ぎるが今はそれを払拭し、岳が言い募る。

「俺達は、あそこで死にかけたんですよ」

「でも、まぁ結果生きてるし、結果論としてはいいんじゃないかな。チームの中も深まったことだし」


すると、扉がウィーンという音を鳴らし外から隊長の秘書らしき人物が入ってくる。隊長の耳元でヒソヒソと囁くと隊長が「うむ」と言い、

「済まないが、もう時間なんだ。また今度。」

そう言い残して扉を出て去っていった。



部屋の中では、何なのか理解出来ていない凛と顔を顰める岳と可憐だけが残り数秒もとい数分の沈黙が流れた。

その沈黙を破ったのはやはり可憐だった。

「さてと。話は、終わったしMr.猪突猛進の所へ顔を出してあげるとしましょうか」

Mr.猪突猛進とは、勿論道明寺竜也の事である。

だが、そのあだ名にしっくりこなかったのか望月凛が珍しく反発する。

「Mr.猪突猛進じゃないよ!竜だよ!!」

その通り、名前とは似つかず、天真爛漫な性格の凛は、他人にあだ名を付ける系人間なのである。


余談だが、桐山岳は、岳を崩して(がっくー)朝比奈可憐は、名字の朝を取って(ひな)と呼ばれている。

勿論凛自体にも自分で付けた(饅頭)というあだ名があるが俺達は、恥ずかしいという名目を理由にして、なんとかあだ名で呼ばない事許してくれてるが本人は納得していない。

そんなことを思い巡らせながら病室にいる竜也の元へ向かった。


竜也様と書かれた扉の前にいた岳は、中々中に入れなかった。

それもそのはず、エアロイドと戦う前はろくに話も出来なかったしコミュニケーションが全く取れていなかった。

そんな緊張している岳を見兼ねた可憐は、肩に手を置いて岳を勇気づけてくれている。

それを受けて岳の緊張も多少は和らぎ、意を決して中へ入ることを試みる。



コンコンとノックし起きているかを確認

「はーい!」

扉の向から竜也の声が聞こえ、取り敢えず起きている事を確認。

そして、覚悟を決め岳と竜也の絆の境界線へと足を踏み入れた。


「よー・・・・・体調はどうだ?」

「お、おう。岳か・・・・・・」

顔色は、良さそうだか下を俯いている。その仕草がこの空気を一掃重くする。

(やばい。やばいやばいやばいやばいやばいやばい。気まずい!ここは、俺から話し掛けるべきか・・・・・いや、相手の出方を伺う方がいいんじゃないか・・・・・考えろ!桐山岳!お前ならできる)


岳がこの空気を打開しようと思考をフル回転させて脳内で葛藤していたその時!

竜也の口から驚くべき一言が発言された。


「・・・・・・ありがとうな・・・・・」


その発言にこの場にいる三人の脳機能が停止した。

「あ、あああんた!どうしたのよ!まさか倒れた時に頭を強打したんじゃ・・・・・大変!すぐに医者に診てもらわないと・・・」

続いて凛が

「ちょっと待ってて!すぐに医者よんでくるから!」

今にも飛び出して行きそうな凛を竜也が引き止めた。


「ちょっと待て!」

その声に、三人の脳機能がようやく運転を再開する。

「俺だって礼くらいする!まぁなんだ・・・・飛び出していった俺を助けてくれたのはお前らだ。今回は済まなかった。そしてありがとう。」


しかし、岳は、予想だにしない言葉を発した。

「全くだせ!お陰で死ぬかもしれなかったたんだからな。責任は取ってもらう!」

「ちょっと岳・・・・・」

「そうだよ!がっくー!それは、あんまりだよ」

二人の反論に対し、竜也は申し訳なさそうな表情をし、言葉を返した。

「ああ。何でも言ってくれ。」

「それなら、俺の仲間もとい友達になってくれ!」


その発言に予想外だったかのように竜也は、驚愕していた。

だが、すぐに微笑むと。

「ふん!全くお前って奴は気にくわん!ああ。責任だから仕方が無いな。」

すると、岳は、手を伸ばし。

「もう、友達だからあの時しなかった握手してくれるよな」

そういい、竜也も手を伸ばし。

「そうだな!これから宜しく岳!」

そこで、二人の熱い握手が交わされ更に横から可憐と凛の手も加わり、4人全員で、頷く。


ーーそしてここにこのチームの物語の

一ページ目が刻まれた。

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