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従軍記者の日記 135

「ぶったるんでるぞ!貴様等!」 

 そう叫んで入ってきたのは飯岡だった。ランニング姿のまま机の上のタオルで汗を拭う。

「あ!それ私の!」 

 レムの言葉にタオルを眺める飯岡。

「別にいいだろうが!ランニングから帰ってきたところだ。汗をかくのが普通だろう!」 

「それじゃあ雑巾にしましょう」 

「リボンズ!俺に喧嘩売ってるのか!」 

 怒鳴りつけた飯岡だが、彼を見つめる視線の冷たさに手にしたタオルを戻した。

「それじゃあシャワーでも浴びるかな……」 

「ここにもシャワーあるよ」 

 シャムの一言に口元を引きつらせる飯岡。

「うるせえ!俺は本部のシャワーを浴びたくなったんだ!」 

 そう言うとそのまま飯岡は出て行った。

「全く何しにきたんだか……」 

 コーヒーをすすりながらチェックリストの整理が終わった明華が立ち上がる。

「皆さんは何で戦ってるんですか?」 

 突然のジェナンの言葉に明華は視線を彼に向けた。

「私は任務だからよ」 

 そう言うと明華はチェックリストを手に出て行く。

「私は何かな……」 

 言われた言葉の意味を図りかねて天井を見上げるレム。ルーラも答えに窮してとりあえずコーヒーを啜っている。

「私はね。騎士だからと思っていたけど……」 

 そう言うとシャムは腰に下げている短剣に目をやった。そして力強く言葉を続けた。

「もうね、出しちゃ駄目なんだよ。私みたいにおとうを殺されたり、熊太郎みたいにおかんを殺されたり。もうそんなことが繰り返されちゃ駄目なんだ。だから戦うんだよ。もう私達みたいな悲しい子供ができない為に」 

 そう言うとシャムは腰の短剣の柄に手をかけた。

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