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従軍記者の日記 13

「すいません!許中尉!ジャコビン曹長!それに御子神中尉」 

 そんなやり取りをしていたクリス達に格納庫の入り口で角刈りの少年兵が叫んでいる。

「おい、柴崎!なんで俺だけとって付けたように言うんだ?」 

 御子神は入ってきた少年をにらみつける。だが、気が強そうな伍長の階級章をつけた少年は逆に皮肉めいた笑みを浮かべて突っ立っている。

「ああ、紹介しておくわ。第二小隊の二番機の専属パイロット柴崎浩二伍長。うちでは隊長が太鼓判を押した期待の新人よ」 

「へっへっへ。どうも」 

 どこか粗野な雰囲気のある少年士官が右手を差し出す。クリスは彼の握手の申し出に応じた。

「外人さんですか。わざわざうちに来るとは変わってますね」 

 言葉のどこかに棘があるような語調に少しばかりクリスは嫌悪感を感じた。

「それと紹介しておいたほうが良いかしら?」 

 そう言うと明華の言葉を察したと言うように二人の女性士官と小柄な一人の男性下士官が前に出た。

 色黒で、がっしりとした体格の青年下士官。赤い髪を肩の所で切りそろえたような長身の女性士官。そして紺色の髪を後ろで編み上げた女性士官が敬礼をしている。

「まず彼が飯岡小十郎軍曹。胡州出身で海軍のアサルト・モジュール部隊に在籍していたベテランよ。それに柔道家なんですよね」 

「自分はそれほどでもありません!」 

 頑丈そうな腕をさらして敬礼する飯岡。そして隣で赤い髪の女性士官が釣られて敬礼する。そんな様子を見ながら紺色の女性士官は笑いをこらえていた。

「そして、彼女がルーラ・パイラン少尉。遼北の周大佐が先の大戦で率いた『魔女機甲隊』は有名でしょ?パイロット不足ということでそこから私のコネで見つけてきたのよ。二式の試験ではパイロットでは一番良い成績だったわね」 

 静かに敬礼するルーラ。そして自分の番だと言うように敬礼する紺色の髪。

「じゃあ柴崎君。何で私達を……」 

「紹介してくださいよ!」 

 取り残された准尉の階級章の女性士官。仕方が無いというように明華は咳払いをした。

「彼女が……」 

「レム・リスボン准尉です!第一小隊三番機担当です!みんな拍手!」 

 周りを取り巻く隊員達がいかにも仕方が無いというように拍手を送る。目を細めてその歓声に答えるレム。 

「遊んでると怒られんじゃないですか?明日の作戦の説明があるとかで楠木少佐が待ってますよ!」 

 その言葉を聴くと、女性陣はなぜか大きくため息をついた。

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