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国王の白い追憶(300字SS)

第8回Text-Revolutions内有志企画、『第7回300字SSポストカードラリー』にて配布したSSです。

ムジーク王国に降る雪は少ない。

世界でも温暖な気候地帯とされる南方に在り、また、精霊の力によって天候自体が王の治世の安定と直結しているからだ。

王が正気である限り、この地に住む生物にとって快適な環境が保たれる。


ゆえに、雪は凶事の兆しとされた。


思い返してみれば、俺が生きてきた中でも降雪を見たのは数えるほどしかない。

そして、そのどれもが辛い思い出と共にあった。

雪に罪がないのはわかっている。


だが、その色も。

温度も。

かたち作る景色も。


存在そのものが、あの時の苦みを――苦しみを、どうしようもなく想起させた。



彼女の祖国には、雪が降る。

彼女と共に見る雪景色は、この胸を占める苦さを甘さに塗り替えてくれるだろうか。

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