表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/83

時と時計と時戻しの魔法(300字SS)

第7回Text-Revolutions内有志企画、『第6回300字SSポストカードラリー』にて配布したSSです。

時の精霊。

特殊な言語を唇で爪弾けば、時に支配されたありとあらゆるモノの時間を操ることができる。


――時を戻す、以外は。


足元に落ちた破片を拾い上げる。

蝶番が欠けて外れた蓋と硝子の風防にはヒビが入り、それらが守護すべき文字盤と三本の針は静止したまま。

まるで時の支配から逃れたいかのように、僕の手から滑り落ちたのだ。


《この懐中時計、壊れる前に戻してよ》


僕の呼びかけを、時の精霊はあっさり無視した。


でも、仮に時が戻ってこの時計が直ったとして、そこから再び刻み始めるのは本当の時間なのだろうか。

僕にはわからない。

だからこれでいいんだ。


「……気に入ってたのにな」


つ、と指で古ぼけたエッジを撫で、箱の棺へと埋葬した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ