プロローグ
こう。なろう全体で自分の読みたい感じのロボットものがなかったので実際に書くことにしたんだ。
どれだけ笑われてきたかわからない。どれだけ狩られたかわからない。どれだけ煽られたかわからない。
罵声なら飽きるほど聞いてきた。お前のせいでと何度も言われた。
俺からすればいつだってそんな奴らのせいで負けてきた。言い返したいのはこっちだ。
安パイに勝てるなら、初めから選ばない。環境で勝てるなら初めからそうする。
だが俺はそれでは勝てなかった。なぜか勝てない。短気な性格のせいだろうかすぐに踏みこみたくなる。
そしてハチの巣にされる。一体どのくらい、負けたのか1000から先は数えていない。
だがふと総対戦数が5000を超えたころ、ようやく何かが見えてきた。その何かを追って戦い続けて総対戦数が7000を超えたころ。戦場にあるリズムを感じ取れるようになり、10000を超えるころ。俺の中にシステムを超えたところにある勝機ってのをつかめるようになった。
それでも勝ちは安定しなかった。積み上げること10253戦 勝利数4410勝。勝率約40パーセント。
ヒエラルキーの中では最下層に近い場所に俺はいた。
人が求め続けてどのくらい経ったろうか。人が思ってどのくらい経ったろうか。自分は今感謝している。何よりも大きく深くより強く。
VRゲームこの存在が今生きているこの瞬間に存在することに。
このゲーム体系が真にそのスペックを発揮できるのはよくある異世界物ではないと俺は思っている。
こいつが全力でその魅力を語ることのできるのはシューティング系であると断言したい。そしてこの俺が最もその中で押すのはロボット系である。
巨大なロボットがその鎬を削る。現実世界では物理法則に縛られ決して動くことのない巨大マシンが動く。
その感動がわかる人は実際ゲームを楽しむ人口中では僅かであろう。だが俺はこれも断言できる。全員が強く思っている。もれなく全員がだ、その感動を理解できる人間全員が自分でマシンを動かしたいと思っている。
硝煙の匂いがくすぶる戦場を歩きたいと思っている。そしてその答えが俺の手の中にあった。
古来より、ロボットには様々な形態が存在した。
誰もが見上げるようなキロメートル級のロボットがあった。誰にでも着れるパワードスーツサイズのロボットがあった。人の形を模さず、動物の形をしたロボットがあった。ガソリンエンジンで動くロボットがあった。核融合の反応で動くロボットがあった。未知の粒子で動くロボットがあった。コントローラーで動くロボットがあった。電池で動くロボットがあった。魔法が使えるロボットがあった。ワープするロボットがあった。変形するロボットがあった。合体するロボットがあった。スーパーロボットがあった。リアルロボットがあった。
これについて語れば3日あっても足りないが、このゲームと関連する部分を語れば一言で済む。
すべて再現可能である。
であれば証明せねばならないだろう。他無数のロボットがあれど俺ロボットが最強でああると。
その結果は前述の通りだが、でもそれでも俺はこのゲームが好きで、なおかつ俺自身の機体で勝ちたかった。
ゲームの名はエターナル・バトル・ワールド・オンライン。
永遠の戦場を提供する。硝煙の臭いが漂う世界。その中で俺はまだ勝ちを拾えぬままただ燻っていた。
主人公最強ものではありません。そこはご承知ください。