ストラーヴァの二面鏡
僕の度重なる失敗や事のせいで皆を不安に陥れてしまった。
つまり僕は皆からの信頼を失ったのだ。
これからまだまだ人生は続くというのに、ここで信頼を失ってしまうとは。
完璧主義の僕にとっては最大級に悲しいことなのだ。
説教される度に何度聞いたことだろう。
"私はあなたのことを信じていません。"
先生や友達、ついには親にまで。
この件で、僕はどれだけプライドが高いだけの人間なのかということを思い知らされた。
なんということだ...。
悲しくなって鏡を見てみた。
僕の目は光を反射するどころか、吸収している。
目に光がなかった。
もう見るのはやめた。
こんなに精神的にやられるとはね。
いや、僕が悪いのだからこうなってしまうのも当然だ。
「お前は自分で自分の評価を下げているんだぞ。」
「自分でしたことなんだからね。」
み、皆もそう言ってたことだし。
だから、自分が、わ、悪い...悪いから....悪いから。
自業自得だから、罰を与えよう。
___________学校で使っていたネクタイ。
これが最後か...。
遺書は...書かなくて良いか。恥ずかしいし。
!!
誰かに首を絞められた...。
ダメだ。もう...終わりなのか。
これでいいのかも知れない。
これで僕の犯罪は終わりだ。
皆...!ごめんなさい...!
..........。
暗い...。夜...。
え...?死ねなかった?気を失っていただけなのか...?
なんてことだ!!
死ねなかったなんて!!
恐らく僕は何をしても死ねないのであろう。
ああー最悪...。いや、丈夫な体にしてくれた親に感謝すべきだよな...。
部屋には僕一人...。誰が首を絞めたんだろう。
怖いなあ。
また鏡を見た。今度は暗いからきっと大丈夫。
しかし、僅かに見えてしまった。
恐ろしい顔した、僕が。
何故...。僕の顔じゃない!!誰なんだ!!!!
僕のもう一人の人格!?もう一人の僕なのか!?
一人しかいないのに...!
いや、考えるのも疲れた。
もう遅いわけだ、寝よう。
今日も夕飯、出してもらえなかったなあ。
信じてない、って言われた日から僕はいない存在になっていた。
話しかけても無視。ご飯も出してもらえず、学校の費用も払わず。
結局学校を辞めさせられてしまった。
そんなあの日からもう一週間。
お腹空いたあー...。耐えられない...。
僕は何回机をかじり、隅に沸いて出た虫を食っては吐き出してんだろう。
よっぽど飢えてるんだな。
みっともないからやめなくては。
今日も少々机をかじり、寝転がった。
きっともう一人の僕が殺してくれると信じて。
手にネクタイを持って寝た。
それからもう、ずーっと目覚めていない。