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雨季  作者: 秋雨 玲翔
4/7

時雨

駅からの帰り道

「凛花、どうやって雨の人たち探すんだ?方法とかある?」

「あるよ。見分ける方法。それはね、もう1度雨を降らして見ればわかると思う。」

そう言って凛花はまた目と髪を水色に染めた。

「…関係ない人にとっては大迷惑なんだろな。」

心の中で謝りながら雨が降るのを待つ。

そして、すぐに雨は降ってきた。

「玲翔、鏡貸してあげる。自分の姿をみてみなよ。」

そう言われて鏡を見る。

すると、

「!!」

目が凛花と同じく水色に染まっていた。

「雨の人たちはね、特別になるんじゃないんだよ?雨に似るの。雨がね、呼んでるの。おいでって。だから雨の色、匂い、音。全てが似るの。」

「…凛花は雨は好きか?」

そう僕が聞くと凛花は迷ったような顔をした後、

「嫌いじゃないけどかわいそうと思う。」

と、答えた。

「かわいそう?」

「うん。だってみんなに嫌われるから。なんか雨の冷たさも泣いてるように見えるんだよ。」

「そっか。」

凛花は雨に対して特別な考え方があるみたい。

「そろそろ私の家だからここでお別れね。明日学校で会おうね。バイバイ。」

「おう。また明日。」

こうして、衝撃的な1日は過ぎた。


次の日の朝

「やっほー。玲翔、来たよー。」

「…。」

なぜか、家の前にいた。

「学校で会おうって言ったよね?凛花は。」

「うん。で?」

「なんで来たの?」

「待ちきれなくて!」

「いや、それくらい待てよ。」

結構落ち着きのない性格らしい。

「ほらー!いくよー。」

「いや、制服ちぎれるから!どんな力だよ!」

「うん?雨の力。」

「いや、その力そんなとこまで影響しないだろ!」

「なら、愛の力?」

「馬鹿力の間違いじゃないか?」

そう言うと凛花は、

「そんなこと言う人はお仕置きです。」

と言って僕のいるところだけ雨を降らしてきた。周りにはみえないらしいからいいけど朝から全身びしょ濡れだった。


休み時間、凛花を呼んで雨の人たちを探すことにした。

「凛花、他になにか探しやすい方法はないの?」

「あるよ?」

「なら早く言おうね?凛花さん…。」

凛花からの情報では

雨が降ると目が水色になる。

名前に雨がついている。

そして、

「常に私の近くにいるの。どこかに。」

「そういう能力なの?」

「みたいだね。」

しかし僕はここで疑問に思った。

なぜ、探す条件がわかるんだろうか。僕一人しか見つけていないはずなのに。そして、常に近くにいるという情報がなぜわかったのか。

しかし、怪しんでても仕方がないので僕は凛花を信じることにした。

「じゃ、一緒に探そうか。」

「そうだな。近くにいるなら一緒にいる方がいいか。」

ちなみに、今、凛花は能力を使っているため2人とも目は水色になっている。凛花に関しては髪も。でもこれは雨の人たちにしかわからないみたい。それも利用することにする。


歩いて数分、やはり簡単には見つからない。

「屋上にいく?気分変えようよ。どうせ玲翔は見つからないし。」

「ついていくよ。」

僕たちは立ち入り禁止の屋上に行くことにした。

屋上は汚く汚れなどが目立つ。

そんな中1人の少女が屋上で呆然と立っていた。しかし、

「…ねぇ、玲翔、なんかさあの子フェンスの向こう側にいる気がするんだけど私だけかな?見えてるの…」

「…止めにいくぞ!」

そう呟くやいなや僕は走りフェンスの向こう側で今にも落ちそうな少女の服をつかんだ。

「…なにすんの!」

少女は怒った目で僕をみた。

「…え?」

少女も僕も驚いた。

僕も少女も目が綺麗な水色をしていた。

凛花は静かにその場面を覗いていた。

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