餓鬼橋の人喰い
残酷描写が苦手な方はお気をつけください
「餓鬼橋の人喰い」
1920年 日本
後に、餓鬼橋と呼ばれる橋の物語
12歳の誠司と5歳の孝次郎には親がいない。
病気で二人とも亡くなった。
誠司は痩せた体で逃げていた。
食べ物を盗んだのだ、何しろ金がない。
いつもこうやって盗んで八戸橋の下で生きている。
ボロボロの着物に隠し逃げてゆく。
今際の際に行っては戻り、行っては戻り。
いっそのこと、もう諦めた方が楽だろう。
そう思うような生活をしていた。
力は無くなるばかり。鼠と寝る日々。
腹の鳴る音が子守唄。無情な日々。
栄養がない、肌は荒れるばかり。
誠司は、瘡蓋を掻いた。
取れた瘡蓋を、食べた。
味はない、少し血が出る。それも貴重な飲み物。
狂っているだろうか?生きるためだ。
誠司ならそう言うだろう。
盗む力も無くなった。孝次郎は息も絶え絶え。
誠司はなんとか盗みをしようとするが、足が動かない。
数日後、孝次郎は息をするのをやめた。
誠司はもう、なにも考えなくなった。
ただ腹が減る。
遂に誠司は、人をやめた。孝次郎を食った。
鼠と共に、肉を貪った。
久しぶりに、肉を食った。
そこに人が通りかかる。
悪魔を見てしまった。腰を抜かし、逃げた。
誠司は、腹が埋まって笑顔だった。
しかし、長くは続かない。
生で食ったものだから、体調が悪化した。
1ヶ月後、悪魔は動かなくなった。
数日後、悪臭を辿った人が悪魔を見た。
そこには、白骨と腐った悪魔がいた。
人々は、餓鬼が住んでいたと噂した。
そして、八戸橋は餓鬼橋と呼ばれるようになった。
この橋は人々に恐れられ、忌み嫌われた。
大正の日本に、生きた悪魔がいた。
これを「餓鬼橋の人喰い」という。




