5-16.アキ、襲撃される!後編
先程まで商船三井さんふらわあ様の新造船『さんふらわあかむい』に乗って大荒れの太平洋の船旅を楽しんでまいりました!
新しい船なのか、そんなに大きく揺れずに酔い止めなしでいけましたね。とても快適な21時間でした。
ただいま水戸駅前のホテルです。船旅いいですよ〜。
お〜!フーは2人相手だね〜!さ〜て、どうしようかなぁ〜?
そう思ってたら1人が投げナイフを投げてきた!それと同時に1人が剣を持って突っ込んできた。ナイフは2本だから、受け止められるね〜!
「ほい!ほいっと!」
「バカな!?」
「いらないからかえすね〜!やっ!!」
フーは投げナイフを返してあげたよ〜!もちろん返した先は剣で斬り掛かってきた人だよ〜!
「ぐぁっ!?」
剣を持った人の体勢が崩れたね!じゃあ今度はフーからいくよ〜!
「ひぎ!しっぷうじんらい!」
「は、はやっ!?ぐはっ!?」
「なに!?ガハッ!!」
フーからは2人一気に片づけれるじーじの剣技でやっちゃった!これで良かったかな〜?
「ばーば!これでよかった〜?」
「···ん。···制圧完了。···すぐに縛って」
「あいあいさー!」
ボクはレオと一緒に寝室で待機していた。外は土砂降りなので、雨音しか聞こえてこないので、ハルたちの状況がまったくわからなかった。
ハルが出ていって2分弱で、ハルが寝室に戻ってきたよ。
「···ん。···制圧完了。···とりあえず縛っておいた」
「あくをこらしめたぜ···!アトラちゃんのマネしてみた〜!」
「ハル、フーちゃん、お疲れさま!無事で良かったよ〜!」
「···今の私たちに武力で対抗しようとするなんて無謀」
「まぁ、相手はそんな事知らないからね。とりあえず侵入者はどうしてるの?」
「···全員縛ったあとにフーが回復魔法をかけてから気絶させて、雨除けのタープをかけている」
「じゃあ、そのままでいいか。明日の朝食後に尋問だね」
「···それも任せて」
「うん、よろしく。それじゃあ寝ようか?」
「···その前にちょっと汗流してくるね」
「うん!ごゆっくり」
そうしてハルはフーちゃんと一緒に軽く温泉で汗を流してから、また寝ることにした。
···ハルさん?ちょ〜っと抱きつく力が強いように思いますけど?体がミシミシ···、と音を立てそうなんですけど···。まぁ、こんな事があったから仕方ないね。今日はボクが少しガマンしよう!
朝。夜中に降ってた雨は止み、小鳥のさえずりが聞こえてきた。
あのあと、ボクとハルはぐっすり眠れたよ。起きた時にはハルはもう通常通りに戻ってくれていた。朝食を食べる姿がいつも通りかわいかったからね。決して惚気じゃないよ!事実なんだから!
「さて、昨日の襲撃者の尋問を始める前にリオたちも呼んでおこうか?」
「···ん。···これは知っておいた方がいい」
リオはレオが呼びに行ってくれたよ。もちろんお寝坊だったところを、ナナがリオの耳元でささやいたんだって。『アキが襲われた!』ってね。
すると、
『···なに!?アキ!すぐ行くぞ!』
っていいながらガバッと起き上がって、寝起きにパンツ一丁でうちに来ようとしたらしいよ。すぐにナナがリオにラリアットをかまして張っ倒したんだってさ。
「びっくりしたぞー!慌てて行こうとしたらナナに止められたからなー」
「アンタね?話を最後まで聞かずに飛び出そうとするからよ!パンツ一丁だなんて格好で飛び出したら、ご近所から変質者扱いされるわよ!?」
「ははは···。リオ、ありがとう。そこまでして駆けつけようとしてくれたのは嬉しいよ」
「そうかー!でー?コイツらが深夜に来た侵入者だなー?」
リオが来るまでに侵入者全員を、文字通り叩き起こして正座させた。もちろん、ちゃんと雨避けのタープを敷いてね。
···なんだか時代劇の某奉行所っぽくなっちゃったなぁ〜。ボクには肩に桜吹雪の入れ墨ないけどさ。裁きは加えるけどね。近所迷惑になるから防音結界は展開済みだ。
「さて。まずはアンタたちが何者で、誰の指示でボクを狙ったか教えてもらおうか?」
「話が違うぞ!?ターゲットは女だと聞いたのに女装してる男だなんて!」
「···ハル?コイツらを鉄板で焼こうか?」
「···ん。···準備しておくよ」
「フーもてつだうよ〜!」
そう言ってハルとフーちゃんは隣でキャンプセットを、ボクの無限収納カバンから取り出して準備し始めた。
「正直に話さないと···、一人ずつあの鉄板の上で上手に焼いてあげるよ?『焼き土下座』する前に言っちゃいなよ。ちゃんと話したらおいしい食事を食べさせて解放するからさ···」
「貴様に話すことなどない!例え殺されてもな!」
「あっそう。実は話さなくても記憶を強引に読む方法があるから。死にたくなるほどの激痛を伴って廃人になっちゃうらしいけど···。それでいいかい?」
「ハッタリだ!そんな方法、あるはずがない!」
「じゃあ試す?まずは···、今叫んだお前でいいか。深夜、妻と孫を『メスやガキ』とののしってナニかしようとしたんだって?そんなゲスからやったほうが良さそうだ···」
「ハァ!?テメエ!こんな事してわかってんのかぁ!?オレらのバックにはマ」
「やめんか!」
ちっ···、もうちょっとで吐くところだったのに···。リーダーっぽい人が止めちゃったなぁ〜。
「···残念だが、我らから話すことなどない。何をされようともしゃべらんぞ!」
「そう···。じゃあ紳士的な尋問はここまでだね。モンドくんとフーちゃんは部屋に戻って。ここから先はちょっと見せられないからね」
「···じーちゃん。さいごまでみさせてくれ!」
「フーも!こんどうちにきたごうとうさんあいてするときのさんこーにする!」
「マジか···。ちょっと刺激強すぎるんだけどなぁ〜」
「···私はいいよ。···これもいい勉強」
「そう?じゃあ始めるか」
そう思ってボクが近づこうとすると···!?
「ははは!しゃべらんと言った意味を思い知らせてやる!やれ!!」
リーダーっぽい人がそう叫ぶと、全員が口を強く噛み込んだ!!
···しかし なにも おこらなかった!!
「な!?なぜだ!?毒が···!?」
「···残念。···気絶させた時に毒は抜き取らせてもらった」
ハルさん···。そこまで把握してたんだね。さすがだわ〜!侵入者たちは全員顔が青ざめてたよ。
「さて、これで定番の奥の手を潰したから、もうこっちの言いなりになった方が楽だよ?大丈夫!ちゃんと話してくれたら送り返してあげるから。この場で殺されても文句言えない事やってるんだから、送り返してあげるだけでも寛大な処置って思ってもらわないとね···」
「クソッタレ!もはやこれまでか···」
どうやら観念したようだ。ちゃんとしゃべってもらったよ。モンドくんやフーちゃんに残酷な尋問を見せなくて良かったよ···。
やっぱりマクス帝国からの刺客だったね。取り調べと入国審査の時にアクロに住んでるって話しちゃってるからね。まぁ、なぜか変に情報が伝わっちゃってるから、ボクが女だって事で探したようだった。
目的は逮捕してマクス帝国に連れていく事。裁判で死刑にして、ボクの神の力の核を奪おうって作戦だったようだね。今回失敗しちゃってるから、これからも刺客が送られてきそうだなぁ〜。
尋問が終わり、ハルとフーちゃんがすぐ横で鉄板を用意してくれたから、そのままバーベキューをすることにした。侵入者たちにも縄で縛った状態で食べさせてあげたよ。
そして、ハルが侵入者全員の記憶を消して、『ここに来たが、そんな人物はいなかった』という偽の記憶を植え付けた。これも暗殺術だそうで、ナツとヨウくんも使えるらしいね。せっかくの機会なのでモンドくんとフーちゃんも教えてもらっていた。
さらにハルとフーちゃんに悪さをしようとしていたヤツは、教材としてフーちゃんとモンドくんの記憶操作の練習台になってもらった。もちろん1回で成功するわけないし、失敗して激痛が走ったのか叫び声を上げてたね。猿ぐつわしておいたけど。
最終的に廃人っぽく目がうつろで、呼びかけても反応しなくなったけど、まぁいいでしょ。死ぬよりかはね。人命最優先じゃない国の人たちだから、こんな事されても命があるだけでありがたいと思ってもらわないと。
そして、リオと合体変身してから超長距離転移でマクス帝国の近くの砂漠で解放してあげた。砂嵐が近づいてたけど、なんとかするでしょ。そこまでボクはお人好しじゃない。
はぁ~、これからもこんな事が起こるのかと思うと、あの時は迂闊だったなぁ〜。
さて、これからどうしようかなぁ〜?
初めての刺客の襲撃でしたが、この戦力にかなうはずがありませんね。とりあえず記憶操作の練習台にされてしまった刺客たちでした。
大丈夫ですよ!残虐なやり方じゃないですし、命取ってませんからね。ちょっとボケちゃいますけどね。
残虐かどうかはわかりませんが、刺客たちは縄に縛られた状態で焼き立てのお肉を食べさせられました。口の中がやけどしちゃってるかもしれませんが、これは残虐ではないと思いますよ?嫌いなものを食べさせられるのもある意味罰といえば罰ですが(笑)。
さて次回予告ですが、刺客はアキくんがなぜか女性と勘違いしてました。そこで、さらに誤認されるようある工夫をすることになりました。
そこで登場するアイテムとは何なのでしょうか?
ハルちゃんお手製のアイテムはとんでもない能力まで備わってますよ〜!
明日で第5章完結なので、茨城空港へ行くバスの中から本編を投稿し、夜にネタバレ集を投稿します。
お楽しみに〜!




