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【シリーズ完結!】アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~  作者: ぷちきゅう
第5章 クロのホームステイ

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5-12.レオナード王国の王都訪問

  グロー歴523年9月2日 晴れ


 おはよう!今日も暑くなりそうだなぁ〜。


 昨日は孫たちとクロくんがカーネさん相手に大暴れだったね。カーネさんも喜んでたし、孫たちにもいい経験になったと思うよ。


 昔にフユたちもカーネさんとアイリさんにボコボコにされて、そして成長したもんね。懐かしいなぁ〜。



 さて、今日は王都リスタへ向かって、女王様に情報を伝えなくちゃいけないんだ。


 夕方はナツのお店でまた大宴会だよ。今回はナツが作るフルコースメニューだそうで、いったい何が出るのか楽しみだね〜。


 夜はフユのいる道場で寝させてもらい、翌日は道場で一緒に稽古をつけてもらうんだ。エイルさんとイピムさんも来てくれるんだよ。


 デジアさんは欠席になってしまったんだ。どうも町長が代替わりでデジアさんになったらしくて大忙しだそうだ。主に前町長がやらかしたいたずらの補償問題らしいけど···。



 というわけで、ボクたちはリオたちの高速飛行魔法の訓練名目で飛んでいくことになった。


 リオの背中にボクとセイくんが、ナナの背中にハルとクーちゃんが乗って、他のみんなは高速飛行魔法で行くことになった。



「よーし!ナナが先頭に立って、オレが一番後ろから支援するぞー!ムリはするなよー!」


「「「「はい!!」」」」


「気を付けてな!アキも困ったらすぐに頼るのだぞ!」


「はい!カーネさん、アイリさん。ありがとうございました!それでは!」



 こうしてボクたちはカイジの町から飛び立った。



 さて、飛んだのはいいものの、いつもよりも速度は出てない。まだまだ高速飛行魔法をものにできてないからね。


 どうしても出力制御が難しいようだ。速度が上がったり下がったり、急に左右に曲がってしまったり···。安定には乏しい飛び方だったよ。


 そんな中、そこそこマシな飛び方だったのはレオだ。やっぱり経験でカバーしているようだね。


 次に安定してるのがスウくんだ。フラフラしてるけどね。


 一番危ないのがモンドくんだ···。そりゃ、ドラゴン族のように翼がない分を魔法で補ってるからなぁ〜。


 フーちゃんもフラフラしてるね。飛べるだけでもすごいことなんだけどね。



 飛び始めて30分。モンドくんが墜落しかけたので、リオが救出に入った。この時点でフーちゃんも終了だ。



「くそー!まほうがあんていしねー!」


「フーも···。とぶのってむずかしいね」


「ふたりとも、よくがんばったね!飛ぶのはいろいろやらないといけないことが多すぎるんだよ。それでもこれだけ飛べるのもすごいことなんだよ。これからもがんばろうね!」


「「うんっ!!」」



 その後、スウくんもクロくんも墜落しかけたので、リオが助けに入ったよ。レオもそろそろ限界のようだったから、中断してもらった。



「くそーー!なかなか安定しないなぁ〜!」


「レオ、歩くのと違って、風向きや風の強さ、天気で飛ぶ環境は全く違うし、飛び方も変わるからね。こればっかりは経験かな?」


「なるほどなぁ〜。知識として知っていても役に立たないかぁ〜」


「いや、知識は必要なんだけど、それをどう活用するか?ってとこだよ。これはどの事にも共通するね。元の世界でボクの好きなことわざに『学者は(これ)を行うを尊び、知るを尊ばず』ってのがあるんだよ。知識だけじゃなくて、知った事を実践する事が大事って事なんだよ」


「その通りだな···。よし!次も頑張るぜ!」



 試験飛行を終えてみんなにはリオの背中で休憩していると、王都が見えてきた。



 入国手続きを門で終えると、エイルさんが馬車を用意して待っていてくれた。事前に女王様にアポ取りをお願いしていたからね。



「アキさん、お久しぶりですね」


「エイルさん、もう王国兵でないのに今回はアポ取りありがとうございました」


「ははは!気にしなくていいよ。確かに私は退役軍人ではあるけど、外壁の外で農園をヨウと一緒に営んでいるからね。魔獣の目撃情報や討伐情報などで城にはそこそこ出入りしているから問題ないよ」



 そう、エイルさんはヨウくんと外壁の外という危険な場所で農園をやってるんだ。ヨウくんはナツのお店がメインだから、実質エイルさんが経営と魔獣退治をやってるんだよ。


 何でも元整調者(ピースメーカー)が軍人として王国にいたらパワーバランスが崩壊して周辺諸国が嫌がるかららしいね。エイルさんもそこを気にしてたから、大魔王ムーオを送還してすぐに退役したそうだ。



「そうそう、そちらのキミが黒竜のクロくんだね?初めまして。私はエイルと言うもので、最後の整調者(ピースメーカー)のリーダーをさせてもらっていた。今は農園を経営しているんだ。よろしくね」


「おう!俺は黒竜のクロだ!後で手合わせ願うぜ!」


「ええ。イピムはすでにフユくんの道場で道場生をしばき倒してるらしいですから、明日にでもお手合わせ願いましょう」



 イピムさん···。フユの道場生をゲストで鍛えてるのかぁ〜。そういえばリオもたまに臨時講師で行ってるからなぁ〜。



 そうしてボクたちは馬車に乗って城に入り、イスピ女王様にウェーバー大陸の状況を報告したんだ。



「なるほど···。ウェーバー大陸では戦争を始めようとしているのね?」


「はい。口実でボクを利用してくるようです。ご迷惑おかけし、申し訳ありません」


「状況からしてハメられたという感じがするわね。パス皇帝もアキさんを守る方向ですし、我が王国でも王国民を守る義務があります。アキさんはボルタニア大陸では安心して過ごせるよう手配しましょう」


「お気持ちだけで十分です。ボクたちもそれなりの実力がありますから。何か助けが必要でしたら、要請しますので」


「···わかりました。こちらとしてもウェーバー大陸からの来訪者と動向には十分に気をつけておきましょう。おそらくスパイなどが入り込む可能性もありますしね」


「そうですね」


「アキさんはまたウェーバー大陸に行くおつもりですか?」


「はい。もうマクス帝国には行けませんが、まだ大陸の西端まで行ってないですからね」


「もうそのあたりまで行くと、交流のない秘境になんでしょうね。これから先は単に旅行ではなくて、本当の冒険者であり開拓者となるんででしょうね」


「ボク自身はそんな気はないんですけどね。見知らぬ地へ行ってみたいってだけですから、目的なんてないですし」


「そうですか。気をつけるんですよ?」


「お心遣い、感謝いたします」



 こうして女王様にウェーバー大陸での状況説明を終えた。時刻はもう午後5時になり、今からナツのお店へ行って大宴会だよ〜!

 高速飛行魔法は極めて難しい魔法です。リナちゃんやケンくんはアキくんの世界で飛行機を体験してるので、すぐにイメージが固まりましたが、知らないとかなり厳しいですね。鳥が飛ぶ理屈じゃないので余計にね。


 さて次回予告ですが、王都に来たのだったらナツちゃんのお店に寄らないとね!ということで、ナツちゃんの家で宴会をするつもりだったのですが、なんとコース料理が用意されてました!

 さらにフーちゃんが家に帰ってきた事でヨウくんは大喜びしますよ〜!


 それではお楽しみに〜!

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