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【シリーズ完結!】アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~  作者: ぷちきゅう
第5章 クロのホームステイ

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5-8.クロ、高速飛行魔法を教えてもらう!

  グロー歴523年8月33日 曇


 おはよう!今日はちょっと曇ってるから蒸し暑いなぁ〜。エアコン魔法を常時使ってるから快適なんだけどね。


 今日はリオがクロくんに高速飛行魔法を教えてもらうことになってるんだ。習得したらボルタニア大陸にも自力で来ることができるからね。


 本当はクロくんに対する鍛練のはずだったんだけど···、



「オレも教えてもらうぞ〜!」



 そう、レオも教えてもらうことになったんだ。そういえばウェーバー大陸に着いた時に教えてもらうって言ってたからね。


 今日もボクがお弁当を用意した。フユたちは帰っちゃったけど、モンドくんとフーちゃんはボクが学園の授業が始まる直前まで預かることになったんだ。もっとボクやリオに教えてもらえるいい機会って事でね。


 ただ、ヨウくんだけ猛反対だったんだよ。『まだ俺が大変な目に遭うのか〜!?』ってね。そう叫んだ瞬間にナツが強烈なボディブローをまたまた食らわせて気絶させちゃったよ···。ナツ、ヨウくんにもっと優しくしてあげなよ···。



 こうしてリオによる高速飛行魔法の訓練が、クロくんだけでなくレオ、モンドくん、フーちゃんに行われた。さらにスウ、カーク、ルメちゃんも参加することになったんだ。


 コルくんとリナも『そろそろいける頃合いだと思うからちょうど良かったわ!』との事だったよ。



「よーし!じゃーまずはクロに高速歩行魔法を見せるぞー!」


「お願いします!」



 まずはクロくんにどんなものか体験してもらうためにリオに乗ってもらった。そして遊覧飛行を1時間ほどやってから戻ってきたよ。


 その間、スウくんたちはジェットエンジン魔法を地上で練習していた。やっぱり飛行機を実物で見てないから、なかなか思うようにイメージできないみたいだね。一応スマホで動画を見てもらってるんだけどね。


 クロくんが戻ってきてからはレオとモンドくん、フーちゃんも加わってジェットエンジン魔法の前に飛行機が飛ぶ理由を、ボクが紙飛行機を使って教えてあげた。基礎的なものさえわかってしまえば、魔力でゴリ押しできるからね。理屈がわかれば消費魔力量を抑えられるけど。



「このように、高速飛行魔法はジェットエンジンの後方に強力な噴射を行うことで前へ進みます。飛んでる時の姿勢をコントロールするために3つの方向の回転する力を作るために翼とかがあるんですね〜」



 ちょっとモンドくんとフーちゃんには難しすぎたかなぁ〜?でも紙飛行機を使って説明してあげたらなんとなくわかってくれたようだよ。今はそれでいい。やってみたらコツがわかってくるだろうからね!


 次はジェットエンジン魔法の訓練だ。これが一番難しいんだよね。エーレタニアにはない技術だからなおさらだよ。


 魔力を燃料代わりにして、細かく噴射しつつ、圧縮空気を供給して爆発させるからね。風魔法で圧縮空気を作りつつ、爆裂魔法を使用するという複合魔法だからね。


 しかも手足から魔法を使用するのではなくて、体から少し離れた部分に2箇所出すんだ。相当器用さを求められるんだよ。


 しかし!そんな難しい魔法なんだけどレオとフーちゃんはあっさりと習得してしまったんだ···。



「おっ!?なんとかできたぞ〜!」


「フーも〜!すっご〜いかぜがでてる〜!」


「くそ〜!なんだかうまくいかねーー!」


「オレもだぜ···。イメージが悪いのか?」


「モンドくんもクロくんもいい線いってるよ。慌てちゃダメだよ。リオたちだって、結構苦労したからね。特にレオたちは翼がないから、ここからも大変だしね」



 モンドくんもクロくんも落ち込んでたけど、レオとフーちゃんが早すぎるだけだからね。


 一方のスウくん、カークくん、ルメちゃんはジェットエンジン魔法を習得しかけていた。



「む〜〜···。あっ!?まほうがとけちゃった···」


「おれもだぜ···。なかなかつづかないなぁ〜」


「あたしも···。かげんがむずかしいわね〜!」



 ジェットエンジン魔法は発動するんだけど、加減が難しいようだね。出力を絞りすぎて魔法が解けてしまうんだよ。



「おー!もうそこまでできるんだなー!あんまり絞りすぎると魔法は解けるからなー!絞っても魔法が続く加減を覚えるんだぞー。それ以上絞るなら周囲にばらまかせてムダにしたらいいぞー」



 リオが言ってるのはエンジンだと一般的な方法だ。エンジンは最低回転数が決まってるんだ。それ以下になると爆発が連続しなくなって止まっちゃうんだよ。だからムダにしないといけない時もあるんだよ。


 ジェットエンジンはガスタービンエンジンの一種で、燃費が出力にあんまり関係なく一定って特性があるんだ。負荷が一定なものに対して燃費がいいんだよ。


 だから、出力を一部ムダにして出力を見かけ上、下げるんだよ。魔法も一緒だったから、このあたりの感覚が掴めるかがカギだね。



「よーし!今日はここまでにしとくぞー!あんまり長々やってもうまくいかないからなー。ただ、イメージは何度もしておくと次やる時は魔法が発動しやすいぞー!」


「はい!ありがとうございました!」


「「「はーーい!!」」」



 今日はここまでだね。ジェットエンジン魔法ができたら、スウくんたちは翼やしっぽを使って姿勢制御の訓練が始まる。レオたちはその前に翼と垂直尾翼を魔法で顕現させないといけないんだよ。


 しかも姿勢制御で可動式だからハードルが高いんだよね。まぁ、これができたらトランスして龍脈と共有すれば理論上は無限に飛べるからね!



 こうしてクロくんはアクロ滞在中にリオとレオによって鍛えられていったんだ。


 来週からはボルタニア大陸を案内する予定だよ!




 その頃、マクス帝国のとある街角で···。


 ハァハァ···。フーたんのかほり(・・・)が日に日に薄くなってる!?もうここにはいないのか···。


 強力な因果のせいで因果律操作(・・・・・)にGPをかなり消費してしまったな。一部書き換えできなかったが、フーたんだけは確実に無実にしてやったわ!


 さて、フーたん探索を再開···、ん?そこを歩く男、人ではないな。ただ、フーたんの残り香があるぞ!?よし!話を聞くとしよう!



「そこの人。いや···、神かな?ここに銀と青の髪をした獣人の女の子を見かけなかったか?」


「な!?いきなりなんですか!あなたは!?」


「答えるのだ。どうなのだ?」


「まさか···!?あなたも神ですか···?」


「そんな事はどうでもいい!」


「た、確かに知ってはいますがもう帰りましたよ?」


「な、なんだってー!?」


「うわっ!?いきなり大声だして···。いったいあなたはなんなのですか!?」


「そんな事はどうでもいいと言ってる!こうしてはおれん!すぐに帰るぞ!邪魔したな!」


「は、はぁ···」



 フーたんがいないならもうこんなところに用はないわ!直ちに帰るぞ!どぉりゃぁああーー!



「き、消えた···!?いったいなんだったのだ···?」



 フーちゃんのすとーかーさんが教授に出会って話をしたようだった···。

 クロくんとレオくんに高速飛行魔法を教える回でした。

 この世界の魔法はかなり融通が利く便利なものでして、イメージさえ固まっていれば理屈がわからなくても発現します。もちろん、理屈が分かっている方が消費魔力量は抑えることができます。

 魔力でごり押しで強引に魔法が発動できるというのが特徴ですね~。このあたりはAIに絵を描いてもらうのと同じでしょうかね?細かく指定できればある程度思う通りのものが出来上がりますからね。


 そしてすとーかーさんがやらかしたのは因果律操作でした!このせいで今後アキくんだけ災難が降りかかるようになります。


 さて次回予告ですが、クロくんの目的は整調者の人に会いたい!ということなので、カイジの町のカーネさんとアイリさんを訪ねるために向かいます。ボルタニア大陸周遊の旅に出ますよ~!


 それではお楽しみに~!

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