5-3.『神捨て世界』だったエーレタニア
「お〜!?その事ね〜!たっくさんいるよ〜!」
···返ってきた回答は驚くべき事だった。
某人気旅番組で『クマはどうですか?』の返答みたいな回答をされちゃったよ···。
「えっ!?たっくさん神様がエーレタニアにいるんですか!?」
「そうだよ〜。なんせこのエーレタニアはエレくんが担当する前の神がいろんな世界に戦争ふっかけて恨みを買い漁ってたからね〜。エレくんが担当してしばらくしたら逆侵略のバーゲンセールが始まっちゃったんだよ。あの時は大変だったよね〜」
「···あぁ~、あれはキツかったなぁ〜。ナビくんが空中庭園を創って、オレがドラゴン族と神狼族のレオを創ってなかったらゲームオーバーだったもんなぁ〜」
「で、撃退したのはいいけど、中には元の世界に帰りそびれちゃった神も結構いたんだよ。そういえば複数の神がいるいくつかの世界からは『無能だけどクビにできないから事故に見せかけてエーレタニアに捨てちゃえ!』ってところもあったんだよね〜」
「何それ!?ナビくん!オレ初めて聞いたぞ!?」
「まぁ、仕事しない窓際族神らしかったから無害だと思ってね〜。ほぼ無害だったから放置してたよ」
「なんかそれって姥捨山の神版じゃないです···?『神捨て世界』になるのかな?よく某山手線の7人の英雄のようにリベンジしようとしなかったなぁ〜」
「窓際族神だからやる気0だったからね〜。たいていはフツーに人として過ごして、リタイアして天寿を全うした神もいたよ」
「でも、今回のマクス帝国の帝王は生きてましたよ?」
「それはね、体を乗換えてるんだよ。神は不老不死だし、同じ人が不老不死でいたら怪しまれるからそういう偽装をしているのさ!」
「···さっき言ったリベンジを企んだ某山手線の7人の英雄の元一族と一緒じゃんか!?」
「まぁ、自分のお子さんの体に乗り移ってるんだけどね。そういう手段をとる神もいるし、不老不死の体のままでこの世界いる神もいるし、たっくさん残ってるよ〜」
「···頭が痛くなってきた。って事はボクは死ぬまでマクス帝国に狙われるって事じゃん!?とんでもない敵を作ってしまったなぁ〜。エーレタニアの神の力の核ないのに、とんでもないトラブルに巻き込まれちゃった···」
「いや、アキくんには13個核があるから、純粋に神同士が引き寄せられてるんだよ〜。エーレタニアの神の力の核の副作用じゃないよ!」
「···え?」
「だから今後も他の神に出会いやすいと思うよ〜!」
おいおい···。善意で神様の業務やってるのに、恩を仇で返すんかい!?やってらんねーー!!
「···よし!神様辞める!!」
「えっ!?アキくん!?」
「自分の身や家族に火の粉が降りかかるんやったらやってられるかーー!!」
「おぉ~!?オレと同じ事をアキくんも言ったなぁ〜。···って、オレもヤバくね?もしかして借金返済が進まないのも複数の神の力の核があるからか!?ナビくん!?そこんとこはどうなのさ!?」
「二人とも落ち着いて!エレくんはただの自業自得だから安心して!」
「安心できんわ!!ちょっとナビくん!?酷くない!?」
「大丈夫!二人とも解決策はあるから!」
「解決策!?なんですかそれは!?」
「人の身で神をやるからこうなるんだ。神様専業になっちゃって神界で業務すればいいんだよ」
「···それはちょっと困るなぁ〜。ボクにはハルたち家族がいるからなぁ〜」
「ナビくん?それはまたオレに地獄を見ろって事だけど···?すでに借金地獄ではあるけど···」
「じゃあ、うまく立ち回るしかないね」
結局は自分でなんとかしろ!って事か···。まぁ、今回は自分の油断が引き起こしたからなぁ〜。なんとかするか。
あとはこれも確認しておくか。
「ナビさん?あと聞きたいのは、GPを使って神の力を行使するのが可能かってのを確認したいんですけど?ムーオみたいに強い神とかもいるんですか?」
「GPはほとんど使えないけど、この世界に前からいた神はそれなりに強いかな?ファイアーウォール張ってからはほぼ人と同じ程度だよ」
「なるほど。核を狙った3人組はそんなかんじでしたね。となると、帝王は力を隠してそうだなぁ〜」
「そうかもね。でもムーオみたいに実力行使してないから、そこまでじゃないよ」
「わかりました。最後にお二人に知り合いの神様っているんですか?」
「オレはいるなぁ〜。ちょっと変態だけど悪いヤツじゃないよ。とんでもない力を持ってるけど悪用しないし、武力じゃないな」
「ボクもいるよ〜!よく『神様 Zoom in!』上でオフ会開いてるからね〜。30人くらいかな〜?」
「ナビくんはおともだち多いんだなぁ〜」
「エレくんはほとんどいないもんね。引きこもってるし」
「好きで引きこもっとらんわ!!」
「ハイハイ、お二人の漫才はいいですから。情報ありがとうございました。また相談させてもらいますね」
「そうだ!アキくん!相談料としてお土産は!?」
「···エレさん?お土産をねだるなんてはしたないですよ?はい、これは酒のつまみセットですよ。ナビさんもどうぞ」
「お~!ありがとね~!アキくん!おいしそうなつまみだね~!ボクの横に置いておいてね~」
「···アキくん?オレが借金生活で酒なんて買えないって知っててこの仕打ちかい!?」
「早く借金返済してお酒買えるといいですね!」
「···そーですね」
はぁ~···、とんでもない事実を知ってしまったよ···。神様たっくさんいるんかぁ〜。元の世界の八百万の神様じゃなくてリアルな神様だけどね。
って事は場合によっては別の神様にも狙われるんだよね···。しかも引き寄せちゃうのかぁ〜。あの帝王みたいな敵対関係は避けたいんだけどなぁ〜。
さて···、何かしら対策が必要だよね?ボクは狙われても、ハルたちに危害が及ぶのは絶対に避けたい!
どうしようかなぁ〜?
そう思ってるうちに家に帰ってきたよ。
「···おかえり。···何かわかった?」
ハルが迎えてくれたよ。リオたちも来ていたので、リビングに行ってお茶を用意してからさっきの話をみんなにしたんだよ。
「···って事なんだ」
「はー、神がたっくさんいるのかー」
「でも、武力は持ってなくても敵対したくないわね」
「···だいじょぶ。···アキは私が守る」
「アキじーちゃん!あたいもあくしんとたたかうぜ!あたいはひーろーだからな!」
「アキじーじ!しんぱいいらないわ!あたしもがんばるから!」
「じーちゃん!おれもがんばるからしんぱいするな!」
「じーじ!みんないるからだいじょぶだよ〜!いつものようにげんきでいこー!」
「みんな···、ありがとう!ボクもできる限り手を尽くすよ!」
ボクはいい仲間と家族に恵まれてるなぁ〜。大変な事もあるけど、ホントこの世界は天国だよ!
一方、マクス帝国では···。
ハァハァ···。フーたんがこの国に来てるかほりがしたのに、もういないだと!?しかも憲兵が探し回ってる!?
フーたんは絶対に悪くない!悪いのはストーキ···、ゲフンゲフン!ボクチンだ!!
よし!そんな誤解をなかったことにしてやる!フーたんに仇なす者は絶対許さん!
困ってるフーたんは見たくないのだ!ちょっと困り顔でプンプン怒りながらののしってくれるフーたんがいいのだぞ!?なぜそれがわからんのだ!教養のない連中ばかりで困る!!
···よし、これでもう大丈夫だ。フーたんー!どこに行ったのだー!?ハァハァ···。
エーレタニアは戦禍に巻き込まれてましたが、実際にはドサクサに紛れて無能な人たちの処分場にされてました。本文中にもありますが、エーレタニアになる前の神が至るところにケンカ売りまくって恨みを爆買いされてたので、大荒れになるから何やってもいいや!という無法地帯だったからなんです。
その後、エレくんが立て直しに成功したので、今は安定してるんですね〜。
そしてマクス帝国にフーちゃんを追ってきたすとーかーさんがとんでもない事をやらかしました!この行動が後にアキくんたちの運命を変えてしまいます。
さて次回予告ですが、旅行から戻ってきたので久しぶりにのんびり過ごしますよ〜。すると、モンドくんの身にとんでもない事が降りかかります!ナニサレチャッタのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




