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【シリーズ完結!】アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~  作者: ぷちきゅう
第5章 クロのホームステイ

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5-1.ドジ踏んだわね···

 本日より第5章全17話をお届けしますよ〜!

 マクス帝国を密出国で脱出したボクたちは、サバール王国で王様に状況報告をしたのちに、いったんボルタニア大陸に戻ってきた。


 まずはパスさんのいるピムエム皇国に転移で戻ってきたよ。パスさんなら身分証の出入国情報の偽造なんて軽いからね!あんまり多用はしたくなかったんだけど、今回ばかりは致し方ないよ。


 パスさんには事前に今日の夜に着く予定ってちーむッス!で連絡はしておいたんだ。そのためにVIP用の門の前には車が用意されていたよ。



「本日はもう夜ですので、皇帝陛下は明日朝にお会いになられるそうです。そのため、ご用意しているホテルで本日はお休みください」


「手配ありがとうございました」


「いえいえ!皇国を発展させた功労者ですから、この程度は造作もないですよ。ささ、お疲れでしょうから早く出発されてください」



 今はもう午後11時を過ぎようとしていた。このままホテルに着いたら日が変わってるなぁ~。時差の関係でまったく眠くないんだけどね。



  グロー歴523年8月29日 曇



 ホテルには日付が変わってすぐに到着した。部屋はいつもの最上階の特別貴賓室だよ。



「すっげーへやだなぁ〜!」


「フーもこんなすっごーいへや、はじめてみた〜!」


「すごすぎてあたし、ねれるかしら?」


「お〜!?ひーろーのあたいにこんなへやをつかわせてもらっていいのか!?」


「ははは!みんな、気にしないでいいよ。ボクたちが皇国で過ごす時はこの部屋だからね」


「やっぱりじーじはすっごーい!」



 う〜ん···。フーちゃんがすごいって言ってるけど、成り行きでこうなるやってるだけなんだよなぁ〜。思えばエーレタニアに来てからの旅ではいろんな人に会ったけど、どれもいい出会いだったよね。


 はしゃぐ孫たちを見ていると、クロくんもびっくりしていたよ。



「はぁ~···、こいつはすごいぜ···。アキさんって金持ちなんだな?」


「いや、そういうわけじゃないんだけどね···。たまたまこの国の皇帝陛下と旅した事があっただけなんだけどさ」



 まぁ、他の人から見たらそう思われても仕方ないか。



「さて、とりあえず寝ちゃおうか?まだ向こうだと夕食前だけど、軽く寝て調整しとこうね。今日の日中がつらいよ〜!」


「ぜんぜんねむくないのに···」


「フーも!」


「あたしもねむくないわ···。ねれるかしら?」


「あたいも···。これもひーろーにはだいじなのか···?でもかいじんはいつもあかるいときしかいないような?」


「アトラちゃん···。あれは特撮だから、夜は戦ってないだけなんだよ···。撮影できないし···」


「そうなのか···。もしかしたらこのまえのけんぺーのようによるにくることもありそうだな!いつでもねれていつでもおきるくんれんってことだな!」



 アトラちゃんらしい考え方で落ち着いたよ···。さて、ボクも寝ることにしようか。仮眠を長くとったけど、地下牢でほとんど寝てないからボクはそれなりに睡魔が襲ってきてるからね。



「ハル、ボクはもう寝させてもらうよ」


「···ん。···じゃ、今日は一緒に」


「もちろん!心配かけちゃったからね」


「···離さないよ?」


「どうぞどうぞ!···手加減はお願いします」



 こうしてボクたちは立派なベッドでゆっくりと深く寝ることができたよ。



 その日の朝。


 時刻は午前10時だ。かなりゆっくり寝ちゃったなぁ〜。時差を考えると、ウェーバー大陸では午前5時だけどさ。


 早起きがこっちではお寝坊さんになっちゃうんだ。これが調整難しいんだよね〜。海外旅行では避けられない試練だよ。


 ボクが起きると、ハルも目覚めたよ。まるでボクに合わせてるかのような感じがするけど···。



「···ん。···おはよ、アキ」


「おはよう、ハル。起こしちゃった?」


「···ううん。···アキが起きそうな予感がしたから起きた」


「···それって気を使わせちゃってる?」


「···そんな事ない」


「そ、そう···。じゃあ、ちょっと遅いから昼食も兼ねて何か食べようか?」


「···ん」



 リビングに行くとそこには···!?



「ふぅ~···。あら!?やっと起きたわね〜!待ちくたびれたわ〜!」


「おはよ〜!アキおじさん!」



 パスさんとサキちゃんが勝手に入ってお茶していたよ···。ホント、この国の皇帝陛下は自由すぎるわ···。



「すいませんね。時差ボケでまだ眠いですけど」


「5時間だったかしら?私も体験したことないから、感覚がわかんないわね〜」


「おじさん、今起きたからおなか空いてるでしょ〜?サキが何か頼んでくるね〜!」



 そう言ってサキちゃんが気を利かせて食事の手配に出て行っちゃったよ。気が利くなぁ〜。


 しばらくしたらみんな起きてきたよ。早起きしたのにもう外は明るいから、感覚狂っちゃうよね。



 サキちゃんが手配した食事がカートで部屋に運び込まれ、ボクたちはブランチとしていただいた。


 そして、事のあらましをパスさんに伝えたんだ。



「なるほどね···。ウェーバー大陸で戦争の(きざ)しありね···。しかも理由がこの大陸との交易による経済戦争ね···。えらい理由をふっかけてきたものだわ!」


「まさか交易が盛んになったのが向こうの不安を煽る結果になるとは思いませんでしたよ。でも、よくよく考えたら元の世界でも外国との交易の際には似たような状況になってましたね」


「まぁ、言い分はわかるわよ。慎重に事は進めていたんだけどね。でも、経済的に打撃が与えられて産業が壊滅したわけじゃないんでしょ?」


「そうですよ。だから、こじつけの口実なんでしょう。いろいろ偽装工作して武器をかき集めて、着々と戦争の準備をしてるんです」


「これは困ったわね···。サバール王国とは結構いい関係になってきたし、アキくんプロデュースのうちの魔導具の輸出は絶好調なんだから、どうしたものかしらねぇ〜」


「しかも帝王が異世界の元神様ですからね。ムーオよりもやりづらいですよ···」


「ムーオは単独だったからアキくんたちで追い返せたけど···、今回戦争が起きたら一般の市民が兵士になってしまうから、アキくんたちの武力は使えないわ。···まさか政治的に世界征服を企む神様がいるなんて想定外にもほどがあるわね!」


「とりあえずボクたちはマクス帝国ではお尋ね者になってしまいました。密出国したので入国情報消去をお願いするハメになってしまったんですよ」


「まぁ、そこは気にしなくてもいいわ。仮にバレてふっかけられても、なんとでもしてやるわよ。そういえば、マクス帝国はうちと似て技術大国らしいわね?」


「そうですね。ボクが元いた世界の技術体系ですけど」


「魔法に対抗する技術ね···。手の内が読めそうにないから、そこはアキくんに助言願いたいわね」


「ええ。もし攻められるようなことがあれば協力しますよ」


「ありがとう!サバール王国には私から情報提供しておくわ。一番最初に侵略されるとすればサバール王国でしょうしね···」


「一応、武力を集める目的で格闘技大会が開かれて、それなりの戦力は確保したみたいですけどね。情報提供、よろしくお願いしますね」


「それにしてもアキくんにしては珍しくドジ踏んだわね?警告を軽く考えちゃうなんて···」


「ホント、大失敗でしたよ···。まさか人命が軽んじられるなんて···。でも、後悔はしてませんよ」


「そうね。この国では人命最優先な考え方ではあるけど、そうでない国の方が多いわ。ところで、最近のアキくんはちょっとゴリ押ししてない?以前よりも戦力が増えたからって、それで油断しちゃダメよ?今のアキくんたちは国を相手にしても問題ないぐらいの戦力ではあるけど、やり方次第でアキくんたちをやり込める手段はいくらでもあるの。今回がいい例ね」


「身を持って理解しましたよ···。今後は気をつけますね」



 まぁ、あの帝王にも似た事言われたからね。次は油断しないよ!

 アキくんが困ったら気軽に頼れる相手が大国の皇帝ってのも心強いですよね〜。

 パスさんも注意しましたが、ある程度余裕が出てくると人間大胆な行動をとってしまいがちです。ゲームだと『強くてニューゲーム』とかでザコ相手に無双したりしませんか?


 もちろん、アキくんも油断はしてないのですが、どうしても心にスキが生じるのも当然な事なんですね。


 今回、某ロマン溢れる2作目のRPGリメイクを作者がプレイしたので、パスさんには有名なセリフを言ってもらいました。皇帝だからね!


 さて次回予告ですが、アキくんたちはアクロに戻ります。ウェーバー大陸でたくさん神様と会ったのは理由があるのか?を確認したところ、とんでもない事実が明らかになってしまいます!どんな事実なんでしょうね?


 それではお楽しみに〜!

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