4-14.マクス帝国を後にして···
本日は夜勤なので朝に投稿しています。
「それじゃあお元気で。何かあれば連絡するよ」
「その特殊な切手を貼っていれば知り合いの青竜高速特急便でボクに届きますから。それではお元気で!」
ボクたちは外門の外まで送ってくれた教授に別れを告げて密出国した。2泊しかできなかったけど非常に有用な情報ばかりを仕入れることができたね。
同時に帝王も敵になることは避けられそうにないね。もしかすると、ボクの命を狙ってくるかもしれないなぁ〜。
今のところ、マクス帝国は動けない。ただ、必死の洞窟にある遺産の内容によっては開戦を早める可能性があるんだ。
さて。この状況で対抗する術を考える必要があるんだけど、今回は国家が絡んでいる。ボク単独で動くわけにもいかないよ。
とりあえず帰るか!もう用事は済んじゃったし、サバール王国に報告してから帰ろう!もうそろそろ長期休暇も終わりが近いし、時差ボケを修正しないといけないしね!
そうそう、さっき教授が話していたのはケンからもらった切手の事だ。これが貼ってあればマグの町にあるケンの会社の支店に届けばボルタニア大陸まで届けてくれるんだよ。
「よし!じゃあサバール王国に寄ってから帰るよ〜!転移したら朝まで仮眠してから国に入るよ〜!」
「「「「おーー!!」」」」
「アキー?カジノに寄る時間あるかー?」
「···やめといたほうがいいよ?」
「今度こそ大丈夫だー!問題ないぞー!」
「いや···、後ろ後ろ···」
「へっ?」
そこには鬼の形相をしたナナが立っていた!
「ほう···?どんな根拠でそんな口がきけるのかしらね〜?」
「あ···、ナナー?」
「じーちゃん···。やっぱりあくはあくのままだったんだな···」
「アトラー!?これはちょっとした気分転換だぞー!?」
「じーじ···、マーマのいうこときいてくれないんだ···」
「ルメー!そ、そんな事ないぞー!?」
「「「こんかいはダメ!!」」」
「···はい」
ということで、王様に報告してからすぐに帰ることになったよ。
そして、リオと合体変身してから超長距離転移でサバール王国の首都ビオに飛んで、テントを立ててみんなで仮眠した。
孫たちも眠い中、よく頑張ったよ。テントだからゆっくり休めそうにないけどね。おやすみなさ〜い!
そして昼前に起きて、軽く朝食にしてから、入国審査の列に並んだ。
入国審査で用件を伝えたら入国審査抜きでそこで馬車を手配してくれて、そのままお城へ直行したよ。密出国しているから入国審査できないしね。
お城では少しだけ待たされたけど、すぐに王様への面会が許可された。面談室には王様とヘンリーさんがいたよ。
ボクはテスラ共和国とマクス帝国の状況を説明した。
「なるほどな···。国民には知られていないが軍備増強をしているという事だな。テスラ共和国も自衛と思われる武器を密かに入れていると。だから国内の情報と外部の情報が食い違うわけだ···」
「すぐに戦争にはならないと思いますが、準備をこっそり進めているのは間違いありませんね」
「それにしても、まさかアキさんが犯罪者に仕立て上げられるとは···」
「申し訳ありません。ドジやらかしてしまいまして···」
「いや、気にすることはない。元はと言えば私から無茶な願いを聞いて行動してくれた結果なのだからな。むしろ危険な目に遭わせてしまい、大変申し訳なかったよ。入国情報の消去もこちらではできないし···」
「そんな!?頭を上げてください!アテはありますから!」
「ははは···。とりあえず国内ではキミたちを保護する通達を出している。もし身に危険を感じたら、すぐに連絡をくれたまえ」
「ご配慮、感謝いたします」
「うむ。こちらとしても少しずつではあるが防備の準備を進めていくとしよう。今後もよろしく頼むよ」
「わかりました。何かあれば青竜高速特急便で連絡下さい」
こんなところでケンの会社が役立つとは思わなかったね!兵站は国力や戦争の要だからね!
王様とヘンリーさんとの面会が終わって廊下に出ると、そこには黒竜のクロくんがいた。
「おっ!?久しぶりだな〜!」
「あ〜!クロくん!どーしてここにいるの〜?」
「フーも元気そうだな!俺はここで傭兵として世話になってんだよ」
「そーなんだ〜!そうそう、フーたちはこれからかえるの〜!クロくんもいっしょにくる〜?」
「えっ!?ちょっとフーちゃん!?」
フーちゃんがクロくんを誘ったよ···。そういえばクロくんはボルタニア大陸に興味あるって言ってたな。まぁ、すぐに戦争になるわけじゃないから、しばらくなら大丈夫かな?
「そうか、帰るのか···。ちょっと待っててくれ!許可もらってくるぜ!」
そう言って廊下を走っていったよ···。危なくないかなぁ〜?
10分ほど待ってると戻ってきたよ。
「待たせたな!許可もらえたぜ。1か月ほど世話になるがいいか?」
「おう!いいぞー。うちに泊まったらいいぞー」
「それじゃあよろしくな!」
こうしてクロくんがリオの家にホームステイすることになったよ。クロくんは強くなりたいみたいだから、リオたちがいろいろ教えてくれるだろうね!
用事も済んだので、カジノには寄らずに外門を出た。リオはしょんぼりしていたけど、こればかりは仕方ないね。
「それじゃあクロくん!ここから超長距離転移でまずはボルタニア大陸のピムエム皇国に飛ぶからね〜!」
「えっ···?転移···、だって!?」
「そうだぜ!アキじーちゃんとうちのじーちゃんがきゅーきょくのそうさくまほうでへんしんするんだ!カッコいいぞ〜!」
「へ、変身!?」
「それじゃあリオ、いくよ〜!」
「おうよ!せーの!!」
「「インテグレーション!!」」
「な!?なんだぁ〜!?」
ボクとリオの合体変身に驚くクロくん。だが!?その驚きは短かった···。
「···え?カワイイ着ぐるみ···?」
「しーー!!じーじのまえでそれいっちゃだめー!」
フーちゃん···。注意が丸聞こえだよ···。まぁいいか!
「じゃあ、みんな!ボクに掴まってね〜!」
かけ声をかけるとみんな掴まった。もちろんハルは完全に抱きついちゃってるよ。もう定位置なんだよね···。
そしてピムエム皇国の門に転移した。もうこっちは午後10時だよ···。サバール王国出たのが夕方の午後5時だったからね···。
「スゲェ···。こっちは真っ暗なんだな···」
「午後10時だから早くしないと門が閉められちゃうよ!急ごうね〜!」
こうして今回の旅は無事···、ではないか···。またまたトラブルに巻き込まれちゃったけど、こうしてみんなケガなく帰ってこれました!次はどんな旅になるかなぁ〜?
後日、必死の洞窟内部では···
「ついに···、ついに見つけたぞ!!これこそ!先祖の遺産だーー!!」
「ウェル?これをどうする気なんだ?さすがに長時間は滞在できないし、こんなに大量の兵器は持ち帰れないぞ?すべて壊れてるし···」
「構わんさ!これを基にベンが研究開発すればいいだけだ!」
「···本気で戦争する気なんだな?」
「当たり前だ!これは復讐なのだよ。このくだらん魔法が使える世界に対して!そして元の世界に対してもだ!国民もそれを望んでいる!」
「そうか···。この世界で平和に暮らす気はないのだな···」
さらにマクス帝国の外門では···
「なんだ貴様は?ここは旅人は入国禁止だぞ?」
「ハァハァ···。ここにフーたんが来てるはずだ!フーたんのかほりがボクチンの嗅覚センサーに反応してるのだぞ!?フーたんが入れるならボクチンも入れるはずだ!」
「何をわけのわからんことを···。とっとと帰れ!」
···ほう?フーたんをストーキ···、ゲフンゲフン!見守るという崇高な目的を妨害する気だな?よかろう!ならば認識阻害で通ってやる!!
「これはこれは!どうぞ、お通りください!」
「それで良いのだ!フーたーん!どこにいるんだーい!?」
第4章 完
『このエーレタニアは神様が多いから、こういった野望を抱く神様がいたんだよね···。マクス帝国はこのあとパパの敵になっちゃって、パパが旅立つまで狙ってくることになっちゃったんだよね···。そして、これにパパたちが立ち向かっていくんだよ』
これにて第4章は完結しました。
本編の最終話でフユくんが『パパには敵が多かった』と言っていたのはマクス帝国の事だったんです。
続編では大魔王ムーオのような敵がいません。その役割をマクス帝国がすることになるのです。これから暗殺という名の嫌がらせ(?)が始まってしまいます···。
そして黒竜のクロくんが再登場しました!第5章ではホームステイをしながら鍛錬しますよ〜!
ではこのあと昼頃にネタバレ集を投稿します。併せてお楽しみ下さいね。




