シリーズ投稿1周年記念SS-4.コピーアキ、エーレタニアで大暴れする!後編
オリジナルのアキが皇国へ急用ができたんで、今日はコピーであるボクが講義を頼まれたんや。でも足がなかったから、寝坊助のリオの魔力を乗っ取ってベッドに縛り付けてからベッドごと学園まで飛んできたってわけや!
「なんだなんだ!?ベッドが飛んできたぞ!」
「誰か乗ってるわね!」
「って···、アキ先生とベッドにロープで縛られてるのって···、リオ先生じゃん!?」
「どういうことだってばよ!?」
お~!学園も大混乱に陥っとるぞ~?みんな集まりだしたな~!
「おいコピー?着いたんならロープをほどけよー?」
「おっ!リオ、そうやね~!ちょいと待っててな~!」
「アキ先生!なんで今日はベッドで来たんですか!?」
「それには海よりも深~い事情があってね···。リオに連れてきてもらおうと思ったら、起きなかったからベッドごと一緒に来ちゃったんだよ」
「ベッドって飛べるんですか!?」
「飛べないけど、リオの魔法を応用するとこういうこともできるんだよ(ホンマはできひんけどな!)。ただ、ちょっと高度すぎるからリオじゃないとムリなんだよね(オリジナルのマネせなアカンから、高度と『飛行高度』をかけたギャクを一発かませたかったんやけどなぁ~!)」
「リオ先生はなんで縛られていたんですか!?」
「リオは寝相が悪いから、いつも家ではこうやって寝てるんだよ」
「違うぞーー!(コピー)アキが縛ったんだろーー!?」
「アキ先生···、そういうプレイがお好みなんですね···?きれいに縛られてたし···(ゴクッ!)」
「そうでもないんだけど、せざるを得ない時はやるかな?ははは!」
「今日のアキ先生って、なんかいつもよりテンション高めだなぁ~。いつもと違う方法で来たからかな~?」
「(おっとイカン!ちょっとだけ地が出ちゃったわ!演技演技~)普段と違って朝からバタバタしちゃったからね。さあ、もうすぐしたら2限の授業が始まるから、みんなも準備しておいで!ボクも講義の準備をするからさ!」
「「「「は~~い!!」」」」
ふぅ~···、アブナイアブナイ。危うくバレるとこやったわ!やっぱりアキをよく知っとる連中にはバレやすいか···。こら気を付けとかんと、コピーってバレたらオリジナルに思いっきり怒られてしまうわ!
「それじゃあ、リオ!ボクは講義に行ってくるね~!帰りも乗っけてね~!」
「オレは運び屋と違うぞーー!それにこんな早く来たら暇だぞーー!」
「朝食がまだやろ?学食でのんびりしときなよ~!」
「···それもそうだなー」
チョロイ!さ~て、リオを言いくるめてボクは職員室へ向かったで~!
今日の講義は結構多いんだよね~。2限は高等数学Ⅰ、昼休憩後の3限は初級電気工学、4限は初級物理学、5限は高等数学Ⅱなんだよ~。アキってめっちゃ担当してるんだよなぁ~。
「アキ先生、おはようございます。今日はなんか変わった通勤でしたね···。まぁ、普段も変わってますけど」
「おはようございます。すいませんね~。ちょっとした事情があって、あんな変わった方法で来ざるを得なかったものでして···」
「実際にあんな方法で通勤できるんだったら、みんなベッドから起きなくなっちゃいますよね~!冬なんて特にそう思いますよ~!」
ヨシ!うまいことごまかせたな!怒られちゃうかなぁ~?って思っとったけど、アキは普段から転移で通勤してるからあんまり変に見られてないんだよね~。
さて、アキが準備してくれていた授業セットを一式持って、教室へれっつごー!
教室はボクの講義を受ける生徒でいっぱいやったよ~!みんな熱心やから、席も前から埋まっていくんやで。元の世界の大学とは逆やね~!
「は~い!それじゃあ今日の授業を始めるよ~!みんな~!今日も気合入れてがんばろー!」
「アキ先生?なんかいつもとテンションが違うなぁ~」
「あっ!ごめんね~(ヤバイヤバイ···)。それじゃあ教科書の74ページからだね~。きょうからはベクトルについて勉強するよ~!ベクトルは大きさに向きが加わったものなんだ。力とか風とかがそうなんだよ。例えば同じ強さの風でも正面から来る風と背後から来る風で全然違うでしょ?強さは同じでも向きが違ってると全く別物になっちゃうんだね~!そしてこのベクトルってのは矢印で表現すると···、大きさが長さで表すとこうなるんだよ。そして···」
おっとイカン!小説で授業やったら読者さんが寝ちゃうやんけ!?難しい話はここまでにしとこ!ちゃんと講義はしたんやで!
そうして2限の授業が終わり、ボクは学食へ行ってリオと合流したんやで~。もちろん!人形であるボクもメシは食うで!実体化中のレオもメシ食うとるやろ?
「おー、ちゃんとマジメに授業やったかー?」
「もち!せやないとオリジナルに怒られるさかい、ちゃ~んと、やっとるで~!」
「アキもリスキーな事したなー。休講にしたらよかったのになー」
「学生の負担になるような事は可能な限り避けたい!って事みたいやし、サボればよかったのにね~。オリジナルはマジメやわ~」
「お前はそのアキのコピーだろー?なんでこんなに性格違うんだー?」
「レオもそう言うとるけど、コレがアキの本質や。普段のアキは本性を巧妙に隠しとるんやで。リオは気づかなんだか?」
「気づいてないから聞いてるんだぞー。そっかー、アキは普段から我慢してるのかー」
「ガマンとは違うで。人間、誰しも本性なんて隠しとるもんや。でないと、人間関係がギスギスしてもうて、つまはじきにされてまうからな~!」
「それ言ったら、今のコピーはマズくねー?」
「ははは!アキを詳しく知っとる連中だけに見せとるだけや!···ボクがこうしておけば、アキが何かの拍子で本性をむき出しにしても、多少はショックが和らぐしね~」
「···オレも本性を隠してるのかなー?」
「せやで。でも、無理して出す必要はないで。自分自身の精神をコントロールできてるっちゅー証拠やからな」
さ~て!昼休憩も終わったから、次の授業にれっつごー!そして5限まできっちりと終えて、ボクはリオの高速飛行魔法でアクロに帰ってきたで~。帰りはリオの蓄魔の腕輪の魔力を引き出して帰ったよ~!
家に帰ると、ハルちゃんが戻っとったね~。オリジナルはまだ帰ってきとらんようやなぁ~。だいぶ難航してそうやね~!
「ハル~!ただいま~!」
「···おかえ、···!」
次の瞬間!ボクは投げ飛ばされてから床にはっ倒されて、のど元に短剣が突き付けられてとった!
「げふっ!!ちょ!?待った!待ったーー!!」
「···正体を現せ。···さもなければ命はない!···うまくアキに化けてるようだけど、私にはバレバレだよ?···アキに化けるなんて、···許さない!」
「これには事情があるんやーー!ボクはコピーアキやーー!オリジナルのアキから話聞いとるやろーー!?」
ハルちゃんは正体見抜きおったで!?なんでや!?なんとか説得して短剣はのど元から離してもらったわ···。それでも表情が普段は無表情なのに今は激怒してて、めっちゃ怖いわぁ~!
リビングで土下座して必死で事情を話していると、オリジナルが帰ってきおったわ!···ちょっとタイミング遅くね?
「ただいま~!遅くなっちゃった。···ってハル!?それにコピー!どうしたのさ!?」
「···お帰り。···これで納得した。···コピーがいるって聞いてたけど、コレがそうなんだ?」
「あぁ~···。ハル、ごめんね。今日は皇国で大きなトラブルがあったから、講義をコピーに任せちゃったんだよ。ちゃんと紹介しなかったボクが悪かったよ」
「···アキが無事ならいい」
「ホントにごめん!急いで温泉と夕食の準備するからね!」
ふぅ~。命の危機は去ったで···。って、人形やから『命』あらへんけどな!『核』はあるけどな!
夕食が終わってから、ボクはオリジナルに引継ぎをして、今回のお仕事は終了したんだよ~!
翌日。学園では···
「昨日のアキ先生は面白かったなぁ~!話し方がいつもと違ってたなぁ~」
「ボケ?とツッコミ?···、だったかしら?話し方に起承転結を入れて、最後の結のところでツッコミ?を入れればいいって事ね!」
「普段の授業も面白いけど、昨日は『笑い』の方だったなぁ~!アキ先生の別の一面ってヤツを見ちゃったなぁ~!」
···コピーはどんな授業やったんだ?確かに予定通り進んでるしみんな理解してくれてるけどさ?
みんな昨日のボクがベッドに乗ってやって来ただの、授業で『ボケとツッコミの神髄』を教えたりとか···。何してくれとんねん!!
リオにもめっちゃ怒られちゃったし、やっぱ失敗したわ···。
ははは!ボクの活躍はどうやったかな〜?アキの平穏な生活の裏で、コピーのボクはこうして過ごしとるんやで!なかなか表には出てこーへんけど、アンコールもろうたら、また作者の脳内で大騒ぎして出番を作るで〜!
それじゃあまたな〜!暖かくして過ごして、ボクみたいにカゼひかんようにね〜!って、人形やからカゼひかんわ!(ビシィッ!)
···えっ!?もう1話緊急で出てくれって!?ええで!さっそくアンコールやな!ボクに任せとき!
学園でもコピーアキくんは大暴れでしたね!ちゃんとアキくんを演じていたのですが、興が乗ってしまってボケツッコミ講座も雑談でやってしまいました(笑)。漫才もカリキュラムに入ることは···、まぁないでしょうね。リオくんもうまいこと丸め込まれてしまいました。
そしてハルちゃんはコピーアキくんを見抜いてしまいました!ニセモノって気づいて本気で命取る気マンマンでしたね。さすがアキくん大好きなハルちゃんですよ!
さて次回予告ですが、私が投稿1周年記念日を勘違いしてしまっていたため、緊急でコピーアキくんに1話だけ登板してもらいました。
今度はアキくんの神様の業務を代行しますよ〜!
それではお楽しみに〜!




