シリーズ投稿1周年記念SS-2.コピーアキの戦場
本日は新年会でその場で投稿するつもりだったのですが、主催の親戚が高熱出てしまって中止になっちゃいました···。
今年はインフルエンザが猛威との事ですので、皆さまもお気をつけ···、と言ってもどうにもならない場合もありますけどね。無理をなさらないようにして下さい。
ボクことコピーアキはその後も文字通り世界を飛び越えて救援隊の結成に奔走したのだ!って、飛び越えてるから走ってないわ!(ビシィッ!)
そうしてエレさんの世界に救援隊は降り立った!
もちろん、専用の『うぉっ!?まぶし!!』ってぐらい光ってる黄金の鎧は着込んどるよ。
この鎧、どうもエレさんからオリジナルアキに問い合わせがあったらしいんだよね〜。
その時にオリジナルは『姿を見せたくないから!』って言ってごまかしたらしいで?その後でボクも怒られたけど、『じゃあ、少女マンガチックに瞳を輝かせた姿で顕現してもええんやな〜?』って言ったら黙っちゃったわ。ということで鎧は必須やで〜。
さ〜て、今回の手勢は普段通り5000を用意したで。対するは···。向こうも連合軍っぽいな。兵装が3つぐらい違うかな?
最近は単独の世界で攻めてくるんは少なくて、連合軍で攻めてきとることが多くなってきたわ。まぁ、こっちもそうなんやけどさ。
結局エレさんの世界を攻め落としても、連合軍の中で取り分とかで揉めるの確定やのにね。神様ってのは誰しも自己中のワガママなのばっかやしね〜。お互いが利用してる気でいるのに、実は利用されてる側なんやで。
とりあえず避難は完了のようやな。じゃあ、始めるか!あんまり被害出すと請求額割引せんといけなくなっちゃうからな。速攻で潰す!
まずは精神攻撃や!これで相手のやる気をなくしてやるで〜!
ボクは某『エンディングまで泣いちゃダメ』な昔のRPGに出てくるおにいさんが持ってるのと同じ『ふしぎなメガホン』を手に、思いっきりこう叫んだ!!
『おまえの おかあさんは ないてるぞ〜〜!!』
『ふしぎなメガホン』についている拡声魔法で、敵全体にボクの叫び声が響き渡った!『SMAAAASH!!』やな!すると『せっとく』が成功したのか、敵全体が動揺し始めたで〜!これで相手の戦意が下がって攻撃力が落ちたな。まれに『せっとく』が失敗して怒らせちゃって敵の攻撃力が上がる時もあるけどな。
さあ、先制攻撃が効いてるうちに潰していくで〜!
『ぱんつぁー、ふぉー!!』
最前線は防御特化の部隊や!中央が突出した『く』の字の陣形でズンズン進んでいくで〜!
これで相手の攻撃に耐え抜き、相手が息切れした瞬間に後方の攻撃部隊によって攻撃に転じる作戦や!某ロマンあふれるRPGの2作目の某陣形を使わせてもらっとるよ!
防御特化の部隊は魔法盾を角度30度ぐらいにして弾いている。垂直だと壊れやすいんやけど、このぐらいの角度なら弾く程度やから、そう簡単には突破されへんで!
地上では戦線を押し込む一方、空からの攻撃もきた!
『魔法部隊!薙ぎ払え!』
後方の魔法部隊は上空に大きな魔力球を作成しとった。その魔力球から光線が左から右へ薙ぎ払った!
ズドーーン!!
薙ぎ払った場所が線上で爆発し、もうもうと土煙が上がって視界が遮られた。某巨大な兵士の必殺技を参考にさせてもらったんやで。腐ってやがらないからな!さて、ここがチャンス!
『忍び部隊、後方へ』
敵の視界を遮っている間に忍者部隊が敵の後方に回った。こちらはハルモニアの世界から今回呼んだ部隊やで。ハルちゃんの名前からとった世界だから、こういうのが得意な部隊があったんだよね〜。
さて、お膳立ては整ったな。あとはボクが前面に立って奥技を使えば終了や!
土煙がじょじょに晴れて来たこの瞬間だ!
『演出部隊!作戦開始!』
演出部隊がボクの姿を敵から見えやすいように上空に投影し始めた。さて、始めるで〜!
『奥技魔法!···風が、···来る!』
ボクが奥技魔法を宣言すると、こっちから敵に向かって、風が吹き出した!敵が矢や大砲、魔法を撃っても風で押し返されてしまって自陣に落ちていったで。
この風、自陣にはなんの影響もないんや。むしろこっちの威力が増大しとるんだよね〜。元は某ロマンあふれるRPGの3作目の戦闘用じゃないチート技やけどね。
さらには敵側に『勝ち目がない』ってビジョンも幻影として投影されているんや。自分たちの攻撃が通用せえへんし、こっちの攻撃ばかり通っちゃっとるから、リアルでも手のうちようがない状態も相まって、敵陣では逃亡しようとする者も現とるね!
しかし!まわりこまれてしまってるんだわ!忍び部隊が敵陣の後方で陣取っちゃっとるからね〜。
うん、これで敵は詰みの状態やな。さ~て、ここで勝利の1曲歌うよ~!四面楚歌って言うからね~!
すると、観念したのか白旗を揚げて武器を捨てたわ。···おい?1曲ぐらい歌わせんかい!(ビシィッ!)しゃーないな···。ほな話聞こか。
「さ〜て、今回の大将は誰かな〜?」
「···私だ。···降伏するが、どうする気だ?」
「丁重に元の世界にお帰り願おうか。ゲートはこちらで開けるからさ。ここはまだ発展途上の世界だからね。···熟した果実の方がおいしいと思わないかい?」
「···まるでこちらが利するような言い回しだな。何を企んでる?」
「企むなんてとんでもない!事実を述べただけさ。ボクもこの世界の人間ではないし、雇われだからね〜」
「なるほど···。一度出直してこいということか。そして、またこちらが攻めてきた時にこの世界の神から防衛依頼が来ると···。どちらかといえばこちらよりもそちらの方があくどいな···」
「ははは!···否定はしないよ。こっちも商売だからね〜。手段を問わず、帰ってさえくれればこっちは成功なんでね。害虫駆除業者は害虫がいなくなっちゃったら商売にならないのと一緒さ」
「こちらを害虫呼ばわりか···。いいだろう!ならば次はこちらが駆除してやる!」
「いいね···。その時を待ってるよ。お帰りは···、はい!こちらだよ〜!またのお越しをお待ちしてますね〜!」
「···フン!被害が軽微だったのは不幸中の幸いだったが、次はこうはいかんからな!」
さ〜て!任務完了〜!今回も被害は軽微やったし、地形が変わるような事にもなっとらんから、無割引で請求できるね〜!
そう思って振り返ると、レオが怖〜い顔をしとったよ!?
「おいコピー!さっきのはなんだよ!?まるで再戦を促すような事を言ってるじゃねーか!」
「まぁ、そうやね」
「また防衛しなきゃならねーんだぞ!?これじゃあ、いつまで経っても終わらないぞ!」
「終わらせる気なんてないで?」
「は···?なんだって?」
「だから、この防衛は終わらせる気なんてないって事や」
「平和にする気はないのか···?」
「平和が一番なのはわかっとるけどな。それって、結局長続きせーへんのさ。適度に攻められた方がええ。危機感を持っとるのと持ってとらんのとじゃあ、世界発展のスピードが桁違いや。他の世界が攻めてこんかったらこの世界の中での戦争が始まるし、逆にこっちから戦争を仕掛けちゃうわ。外部からの襲撃の方が、平和になってまとまりやすいもんやで」
「············」
「それにさ〜、次もまた依頼が入るって事が確定したんやで?スポット業務ばかりだと収入が安定せーへんからね〜!」
「はぁ〜〜···、アキに報告するからな」
うん、ええで〜!アキも渋々納得するだろうしな!
レオは自分の手でエーレタニアを守るために戦っていた過去がある。だから『殲滅して平和を取り戻す!』ってしか考えられへんのや。
でもボクは違う。そりゃ平和が一番や。でも、長く続くと平和ボケしてしまって、『防衛しよう』って気がなくなってしまうんや。だから、適度に争うほうがいいという考えや。病院の無菌室で長期間過ごしとると免疫が落ちてしまうのと一緒ってことやな。
まぁ、レオもボクもどちらも正しいんやで。要はバランスが重要っちゅー事やね〜。
ボクはアキのコピーだから、アキも同じ考えやで。本人は口では否定するやろうけど、意識の奥底の考えはこれや。ボクはそれを忠実に実行してるに過ぎへんのさ。
さ〜て!キトニアの神界に戻ったボクは、すぐさま今回の報告書と請求書を作成してエレさん宛てにメールを送りつけておいたで〜!それと今回協力してくれたみんなにお給料を支払わんとね~!
すぐにエレさんから『リボ払いで!』って返信来たね〜!これで手数料も込みでがっぽり儲けさせてもらったわ〜!リボ払いは手数料が高いのと、元本が積み上がると手数料だけの支払いばかりになって、なかなか元本返済にならないってワナがあるからな〜!
エレさんはまんまとこのワナに引っかかってる状況なんよね〜。まぁ、そうせざるを得ない状況なんやけどな。みんなも『ご利用は計画的に!』ね〜!
こうしてボクが活躍したおかげでエレさんの世界は平和になり、アキの世界連合は儲かり、エレさんは借金漬けになってるんよね~。
アキの生活の裏で、コピーのボクはこうして稼いでるんやで!
コピーアキくんはあくまで『防衛』目的なので、手段問わず追い返したら任務完了です。
ちょっと過激な考え方ではありますが、これも一理あるんですよ。要するにバランスが問題なだけなんですよ。平和すぎてもダメだし戦争ばっかりでも荒廃してダメだし、このあたりは世界が違うのでアキくんの考え方も変わっています。異世界同士での条約なんてないですから、どうしても防衛には武力が必要なんですね。
さて次回予告ですが、今度はコピーアキくんがエーレタニアで大暴れします!アキくんの代わりに学園で講師をする事になってしまいますが、コピーアキくんは転移ができません。何とか足を確保しようと考えたところ、とんでもない手段を採ります!何をしちゃったんでしょうか?
明日以降は通常通り21時過ぎに投稿します。お楽しみに〜!




