年末すぺしゃるSS-2.エーレタニアでの年末年始の過ごし方 後編
本年最後は商船三井さんふらわあ様の『さんふらわあきりしま』の船上からです!先ほど鹿児島県志布志港を出航しましたよ〜。
今日航海ではなんと!年越しそば、さらに明日の朝のバイキングにはおせちまで出ちゃうんですよ。
年越しは高知県沖の太平洋で迎え、初日の出は紀伊水道付近で見れるかな?
「アキパパ!ご無沙汰してます!」
「久しぶり!アキパパ!」
「久しぶりだね!ケン、リナ!今日と明日の夜はナツがおいしい料理を用意してるってさ!」
「ありがとね~、ナツ!うちの子は大食いだから、後で食費渡すわね!」
「ぼくも後で渡すよ!ところで今やってるのは解体?」
「そうだよ~。ハルがデスアリゲーターを狩ってきたからモンドくんとフーちゃんが解体の練習をやってるんだよ」
「アキパパ!うちの子にもさせてやってもいいかしら!?」
「ぼくのところもいいかな?」
「もちろん!30匹あるから助かるよ~!」
というわけで、リナとケン一家も交えての大解体ショーが始まったよ!
「みんな?まずは僕のやり方を見ておくんだよ?まずはここを切って···、内臓を取り出すんだ。そして水魔法できれいに洗ってから···、よいしょっ!はい、こうやって開いてからお肉を切り出していくんだよ。わかったかな?」
「「「「はーーい!!」」」」
コルくんが実演してリナとケンのお子さん10人がそれを見てからそれぞれ解体し始めたよ。
「コルくんも解体できるんだね?」
「はい。父さんと一緒に商隊の護衛をやってる時に倒した魔獣を、僕が捌いてましたから。それなりにできますよ?」
「それなりって···。すごい上手だったよ?」
「ははは。ありがとうございます!それじゃあ僕はみんなの指導をしてきますね!」
そう言ってコルくんは子どもたちに指導して回っていた。リナもケンも同様に指導していたね!
そうして総勢15人で解体をしたので、ものの1時間ぐらいで解体ショーは完了したよ。ちょうど午後3時だからおやつの時間だね!そう思ってると、リオの家から···、
「おー!みんな疲れただろー?そんなみんなのためにけーき?を作ってみたぞー!」
「···あの~、リオ?なんで色が青いのさ?」
「うーん、なんでだろうなー?一応アキに教えてもらったれしぴ通りにやってみたんだけどなー?」
「味見したの?」
「えっ?してないぞー?」
リオがお盆の上に載せているケーキの色は青かった!!その毒々しい色とリオのセリフから、全員が青ざめちゃった···。ケーキの色と一緒になっちゃったよ···。
すると、クーちゃんがリオの前に向かったよ。何する気なんだ···?
「クーがもっていく」
「おっ!?いいのかー?助かるぞー!」
そうしてリオがクーちゃんにお盆を渡そうとしたその時!
ガラガラーーン!!
クーちゃんがお盆を落っことしてしまったんだ!もちろんケーキは見るも無残に···。まぁ、元からケーキの形には程遠かったけどさ···」
「あー、てがすべった。じーじ、ごめん」
「···あー、まー、しかたないぞー。オレの渡し方が悪かったかもなー。アキー?悪いなー。気を使って準備したんだけどなー」
「あ···、いや、気にしなくていいよ。それよりも片づけはボクがやっておくよ。リオも片づけしたらうちでお茶しなよ?」
「そうするかー」
そう言ってリオは片づけに戻ったよ。リオがドアを閉めたその次の瞬間···!
「けいかくどおり(ニヤッ!)」
「クーちゃん···。おそろしい子!」
クーちゃんは事故に見せかけてリオのケーキを処分しちゃった!全員ホッとした表情に戻ったよ。リオには悪いけどさ···、あれは食べ物じゃないぞ!?ここ最近で最悪の失敗作を食べさせられるのを回避できたよ。年末に全員食中毒になるわけにはいかないからね!
その後はみんなでお茶をしたよ。もちろん、お菓子はボクが用意しておいた。リオはがっかりしてるだろうから、リオの好物のお菓子を出しておいたよ。さっきのことはすっかり忘れ切って幸せそうな顔をしていたよ···。お子ちゃまだなぁ~!
そして夕食の時間になった。
「···じゃ、今日はカレー鍋だよ。···いっぱい食材を用意したから、たくさん食べて」
「「「「おいしそ~~!!」」」」
夜は鍋だった!たくさん人が集まったらやっぱり鍋だよね~!冬だからあったまるよ~!
それはもうおいしかった!!ナツが仕込むとまったく味が違うんだよね~!ホント、天才的だわ!
食材にはさっき解体したデスアリゲーターのお肉もあったよ。ワニのお肉って鶏肉みたいなかんじなんだよね~。さすがに30匹分は食べきれないけどさ!
満腹になったら次は温泉タイムだ!いつも通りうちは男性用、リオの家は女性用だよ!
そして風呂上りには子どもたちには冷たいジュースを用意しておいた。ボクたちはお酒だね。これから大人たちはお酒を飲みながらのんびり過ごすんだよ~。
「ヨウくん?うちのナツは乱暴してないかい?」
「あ~、ここ最近は大丈夫っすね。ただ、フーに対して俺から言うと麺棒が飛んできますけど」
「それは乱暴でしょ···。ヨウくんはフーちゃんに過保護気味な感じがしてるから、そこを注意したいんだろうと思うんだけどさ?」
「俺ってフーに対して過保護なんすか?」
「ちょっとね···。保護者としては一部当然の対応なんだけど、いずれ独立して巣立つんだからさ?ちょっとずつフーちゃんの好きにさせてあげるのも大事なんだよ」
「···あ~、フーがうちから離れる···。想像しただけで不安だ···。仕事量が···」
あ~、これはちょっとまずいよ?フーちゃん以外にも仕事量がすさまじいのか···。まぁ人気店だからなぁ~。従業員雇ったらいいんだけどなぁ~。
「コルくんは冒険者業は順調?」
「はい!子どもたちも上3人はだいぶしっかりしてきたのでお留守番しながら弟や妹たちの面倒を見れるようになってきましたからね。それでもリナと一緒に日帰りしかできませんけどね」
「まぁ、あたしたちは高速飛行魔法が使えるから、ママと同様に日帰りでも広範囲行けるからね~!」
「1日で一気に稼いで、できる限り多く子どもたちと時間を取りたいですからね!当分はこのペースでやって、子どもたちが大きくなったら同行させるつもりですよ」
「うちの子たちもかなりの実力を身につけてきたからね~。あとは実戦あるのみよ!」
「順調そうだね!ケンのところは?」
「ぼくのところも順調だよ!会社もどんどん大きくなって、範囲も広がったからね。ただ、飛べる青竜全員で飛んじゃってる状況だから、これ以上は一気に広げられないね。開拓したところを確実にこなしていくのがこれからの課題かなぁ~?」
「高速飛行魔法も、クオンたちにはそろそろできそうよね~?ちょっとクオンが方向オンチっぽいのが気になるわ~」
「そうなんだ、ミルちゃん。まぁ、慣れたら大丈夫だと思うよ~!」
久々にヨウくん、そしてコルくんリナ夫妻とケンとミル夫妻と世間話をお酒を飲みながらしたよ。こうして子どもたちと飲みながら話をするってのはいいよね~。フユとナツは帰ってきた時にしてるからね。
夜も更けて、寝ることにしたよ。明日ものんびりするよ~!
そして翌日、つまり大晦日だね!
朝はのんびりして、子どもたちと孫たちは早朝の走り込みと魔力循環の訓練をしていた。もう日課になっちゃってるからやめるって事は考えられないようだね。健康的でいいよ!
昼食は今日もボクが料理したよ!今日は···、玉子焼き(別名:明石焼き)だよ~!
「お~~!?これはかいじんボールオクトパスが『じんるいみなたまごやきたべたくな~る』さくせんをやったときのたべものだ~~!!」
「おっ?アトラちゃん?これ知ってるの?」
「もちろんだぜ!『しょくひんせんたいぐるめんじゃー』のおきにいりのはなしだぜ!」
「そんなのあったっけ···?まぁいいか!はいどーぞ!熱いから気を付けるんだよ」
「おうっ!うっ!?あっちーー!!」
「ああ!ダシにつけてしばらく浸してからのほうがいいよ!」
「うぅ···。おのれ!かいじんボールオクトパスめ!!モグモグ···。うめーー!!アキじーちゃん!これってうめーな!」
ははは!これも一気に作れるからね~。こういう時にはもってこいだよ~!
夜はナツが用意してくれてたよ。今日はハンバーグだ!しかもチーズが中に仕込んでるよ!?こちらも大好評だったよ!
食後ものんびりと過ごして、まもなく日付が変わろうとしていた。
「ハル、今年もありがとね。来年もよろしくね!」
「···もち。···私もよろしくね」
そうして時刻は午前0時になった!新しい年の始まりだよ~!
これにて年末すぺしゃるは終了し、本年の投稿も終えました。
今年1年、ド素人の作品にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
来年も可能な限り毎日投稿していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
さて次回予告、新年最初は小説で初笑い!をテーマに、まずは1人漫才師(?)の登場です!
その人(?)は···、番外編でたった1話だけ登場したコピーアキくんです!5話担当します!
SSを書こうとした際に猛アピールしてきてうんざりしたので登場です(笑)!
コピーアキくんがエレくんの世界に救援に向かう様子をお届けしますよ〜。
お正月は初日の出の後の7時過ぎあたりの投稿を予定しています。
それでは皆さま、よいお年を〜!




