3-12.畑を見に行こう!
グロー歴523年8月20日 晴れ
おはよう!今日もいい天気になったね〜。
サバール王国とは1時間時差があるので、みんな5時起きだよ。健康的でいいよね。
さて。今日のリオは早起きしてるだろうか?昨日、『明日から本気出す!』って失敗フラグ立ててたけど···。
ボクはリオの部屋をノックすると、ルメちゃんが出てきたよ。
「おはよう、ルメちゃん」
「おはよう、アキじーじ。じーじならいちおうおきたよ」
「···一応?それって···?」
「みてもらったほうがいいかなぁ〜?」
そう聞いてボクは部屋に入ると···!うん···。起きてるよ。半分以上寝てるけど···。
「んーー···。むにゃむにゃ···」
「リオ···?ナナ?これって本当に起きてるの···?」
「一応ね。少なくとも服は着替えてトイレは行ったわ···。そこまでして寝たいのかわからないわ···」
リオは一応立ってるんだけど、目は閉じて寝言を言ってるんだ···。どうやって立ってるんだ?って思ったら、どうやら翼を使って姿勢を安定させてるみたいだ···。ある意味、器用だなぁ〜。
「それじゃあ朝食に行きましょうか!」
「ナナ?この状態のリオも行くの···?」
「もちろんよ。アツアツのスープを口に入れたら、熱くて目が覚めるでしょうしね」
「いや、その前に歩けるかなぁ〜?」
その心配は無用だった。ナナがリオの背中を軽く押すと、ゆっくりとした足取りでリオは歩き出した。若干、千鳥足になってるけど大丈夫かなぁ〜?
ボクも部屋に戻ってみんなで朝食を食べに行った。周囲からは目を閉じてる状態で千鳥足で歩くリオをジロジロと見られてしまったよ···。
どうしよう?元の世界でもあったけど、まぶたに目を描いちゃおうか?それも怖いか···。
レストランに入り、明らかに挙動不審なリオを店員さんもジロジロ見ちゃったけど、リオの後ろでナナがうまいこと押したり引いたりして誘導していたよ。
そして席についてモーニングセットが出てきた。ルメちゃんがリオの口をこじ開けてからナナがアツアツのスープを、冷まさずにそのままリオの口に放り込んだ!
「···アッチーー!!」
口の中がヤケドして暴れるリオを、アトラちゃんがしがみついて抑え込んだ!
「え〜っと···、リオ。起きた?」
「フーッ!フーッ!舌がヒリヒリするぞー!」
「あっ、ちゃんと起きたね」
「えっ?ここはー!?」
「レストランだよ。ここまで来た記憶ないの?」
「ないぞー?どーなってんだー?」
「って事はやっぱり寝ぼけてトイレ行って着替えてここまで来たのか···」
「まぁ、アンタが寝ぼけてても誘導すれば一応は動くって事ね。取扱説明書に書き加えておくわ」
「ちょっとー?ナナー?まーた良からぬ事を考えてないかー?」
「またって何よ!?アンタがちゃんとしないからでしょうが!!」
「お、おう···。すまんなー」
さて、いつもの夫婦げんかはおいといて、ボクたちは久々に全員で朝食を食べたよ。いつもはリオがいないからね。
さあ、今日はこの国の畑を見に行こうか!何かしらいいものが見れたらエイルさんに伝えたいしね。
というわけで、畑のある区画へ向かってみた。場所は昨日市場で聞いておいたんだ。ちょっと距離があるみたいだから、リオに乗せてもらって、通常の飛行で飛んでもらったよ。
飛ぶこと20分ほどで到着した。見渡す限り、全部畑だよ···。これはすごいわ···。
ところどころにポツンと建物があったよ。どうやら納屋みたいだね。エリアごとにこうして納屋を中心に農家の人が育ててるみたいだね。
これだけ広いから、みんな移動は魔力で動く自転車だったよ。車輪のタイヤはどうしてるのか気になるね。
すると、飛んでるリオにみんな気付いたね。まぁ、ドラゴンが飛んでたら誰でも見ちゃうよね。
「リオ!近くの広いところに降りれるかな?」
「おうっ!そこの建物の横に降りるぞー!」
そうしてリオにはゆっくりと降りてもらって、地上に降り立った。すると、納屋から誰かが出てきて、こっちに来たよ。
「ドラゴンなんて初めて見たぜ···。あんたらは何者だ?」
「お騒がせしてすみません···。ボクたちは旅をしてまして、ここの国は農業が盛んと聞いて、ちょっと見に来たんですよ」
「そうか。まぁ、大したもんはないぞ?そもそも旅人がこんな何もない畑に来ること自体、ないんだけどなぁ〜」
「いや、そんな事ないですよ?こんな広い畑なんて見たことなかったですしね。差し支えなければ見学してもいいですか?」
「あぁ~、今収穫時期でな。忙しくて相手できないんだわ。道から見るぐらいはいいが、畑には絶対に入るなよ。命の保証はしないからな」
「えっ!?それはどういうことですか!?」
「それは言えねえんだわ···。国の法律で決まってるとしかな」
「···わかりました。気をつけますね。わざわざありがとうございました」
「いや、何も知らずに畑に入ってしまうと大変な事になるからな。これぐらいはな」
雰囲気的に納屋の中も見せてはくれなさそうだったよ。···どうやら、これは何かあるね。部外者が入ると命の保証はないと来たよ。
ボクたちは散歩みたいに畑の道を歩き出した。道はかなり広くて、馬車4台ぐらいすれ違えるぐらいだ。これだけ広大な畑だから、物資搬入や収穫物の出荷が滞らないようにするためだね。路肩に馬車を止めるスペースも確保してるんだろう。
道のすぐ横に用水路があった。ところどころに取水口があり、そこから畑の内側へ水を引き込んで溜めていた。大規模に畑をする以上、水やりは重労働だから、こうして整備されているんだろうね。
畑の形は長方形ないし正方形だった。きっちり区画整理されて、面積あたりの収穫量を最大にしてるんだろうね。
かなり近代的な農業をやってるよ。おそらく魔導具も使ってるに違いないね。元の世界でも農機具ってめっちゃ高いって聞くから、よそ者には見せたくないんだろうなぁ〜。
うん。なかなか参考になったよ。写真もスマホで撮ったし、あとでエイルさんに送っておこう。
そう思ってると、リオが何かに気づいたようで、防音結界を張ってから話しかけてきた。
「アキ?さっき、畑に入るなって言われたよなー?」
「そうだね。命の保証とまで言われちゃったけど···」
「···巧妙に隠してるけど、これは強力な結界が施されてるぞー」
「えっ!?結界!?」
「そうだー。おそらく事前に登録した者以外が入ると反応するんだろうなー。しかもステルス機能付きだぞー」
「なんで畑でそこまでしてるのかな?」
「盗人対策にしては過激過ぎるなー。しかも法律って事は、国がやってるって事だぞー」
そう話してると、ハルが意見を言ってくれた。
「···何か隠してるのかもね。···もしくは見られたらいけないものがある?」
···これは戦争の準備の予感もするぞ?
畑は厳重な警備が敷かれていました。かなり過激な対応ですね。その理由は次回で判明しますよ〜!って、次回予告までしてしまいましたね···。はい、そういうことなんです。
それではお楽しみに〜!




