3-8.テスラ共和国に入国だ~!
すいません!投稿忘れてましたぁ〜!疲れてるのかなぁ〜?
本日は夜勤なので昼に投稿しています。
「やあ、こんにちは!旅人なんて珍しいね〜。ちょっと審査させてもらうからね。え〜っと、お住いは?」
「ボルタニア大陸のレオナード王国にあるアクロという温泉町です。みんなで旅行中なんですよ」
「へぇ~!別大陸から!それはまた遠いところに来たね。ここに来る直近はどこに寄ったかな?」
「サバール王国のビオです。1週間弱滞在してからこちらに来たんですよ」
「あぁ~、あそこか···。娯楽が多いから楽しかったんじゃない?」
「ははは···、まぁそうですね」
「ここにはどういった目的で来たんだい?観光?」
「そうですね。観光もそうですが、ここは農業や酪農が盛んと聞きました。知り合いが大規模農園を経営しているので、なにか参考になるものがあれば知りたいですね」
「観光は···、あんまりめぼしいものはないよ?あと、農業のノウハウはどこでも教えてもらえるかはわからないよ?一部は企業秘密だからね」
「これは失礼しました。じゃあ、様子を見るだけにしておきますね」
「あんまり変な行動してたら憲兵に捕まるから、気を付けてな。審査はこれで終了だ。通っていいよ」
「ありがとうございます。そうそう、道中で聞いたんですけど、マクス帝国が戦争するかも?ってウワサを聞いたんですけど、本当なんですか?」
「あぁ~、その話か。最近よく聞かれるんだが、はっきり言ってガセだよ。どこから偽情報が流れてるのかわからないけど、これからうちは収穫時期で大忙しだし、それにうちから帝国に食料を輸出してるんだ。そんな事になったら自分たちが飢えちゃうから、そんなバカなマネはしないと思うよ」
「そう言われればそうですね。失礼しました」
「そのあたりの話は旅人だと敏感になるだろうしな。ゆっくりしていってくれ。この道のかなり先に首都インダがあって、中心部にホテルがあるからな」
ボクたちは無事テスラ共和国に入国できた。審査は他の国よりも厳しかったね。審査官はにこやかだったけど、何か警戒しているのかもしれないよ。
戦争のウワサがガセだって言い切ってたけど、裏がありそうだね。収穫が忙しいってのは真実だろうけど今すぐ戦争するわけじゃないからね。
まぁ、現時点では治安には問題なさそうだ。門から首都までの街道の周囲は牧場と広大な畑が広がっている。あちらこちらで世話する農家の人が作業しているから、切迫した状況ではないことが救いだね。
歩いていると、後ろから大きな荷馬車がやってきた。もう少ししたら収穫だから、出荷のために集まってるんだろうね。
「やあ、こんにちは。皆さんは歩いて来たのかい?」
「ええ、そうですよ」
「砂嵐に遭わなかったかい?」
「あぁ~。遭いましたけど、連れがドラゴン族なので飛んで逃げましたよ」
「おぉ〜!?それはそれは···。あの街道はここ最近砂嵐が酷くてね···。私もギリギリ逃げ切れたんですよ。サバールへ戻るのが大変になりそうで困るんだよなぁ〜」
「こんなに大きな荷馬車なら厳しそうですね。この時期にこちらに来たのは収穫した野菜とかを運ぶためなんですか?」
「そうだよ。砂嵐もあることだし、1回で多く運びたいからね」
「なるほど···。今積んでるのは何になるんですか?重そうですけど···」
「あぁ···、肥料だよ。来年の作付けに必要だからね。相当な量があるから、この時期に運び込むんだよ」
「見ていると畑が広いからそれだけ必要なんですね···。ありがとうございました」
「もう少しで首都インダだからね。お先に行かせてもらうね〜」
大きな荷馬車はそこそこな速さで走っていった。···さて、芝居をするのは大丈夫かな?
ボクは防音結界を張った。ここからの会話は聞かれるとちょっとまずいからね···。
「レオ?さっきの荷馬車、怪しくない?」
「怪しいも何も、積み荷からは肥料のニオイしてなかったぞ」
「あぁ~、そっちで気づいちゃったかぁ〜」
「アキー?どういう事だー?」
「リオ、あの商人の話は全部ウソだよ」
「えー!?そうなのかー!?」
「そもそも肥料ってどれだけ厳重に梱包してもニオイがキツイんだよ。その帰りの荷馬車に食品を積んだらニオイが移っちゃって売り物にならなくなっちゃうんだよ。元の世界でも食品専用のコンテナがあるぐらいだからね」
「あー、くさい食べ物はやだなー」
「この時期にあんな大量の荷物を持ち込むなんて、需要を考えたらありえないと思ったんだ。だから積み荷を聞いたんだよ。とっさに思いついたか、聞かれたらそう答えるように言われてたか···」
「じゃー、何を運んでたんだろうなー?」
「武器だ」
「やっぱりレオもそう思ったか。ボクもそうだと思うよ。よく気づいたね」
「鉄っぽいニオイがしてたからな」
「さすが···。これはちょっとキナ臭くなってきたなぁ〜」
やっぱり戦争のウワサは本当のようだね。食料という『人質』があるにしても、万が一攻めて来られて蹂躙されるわけにはいかないから、自衛のための準備なんだろうなぁ〜。
さて、この先どうなることやら···。
街道を歩く事1時間弱で首都インダに到着した。ここも平坦地が多いので、家の間隔は広くて庭付きがほとんどだ。そして大きな倉庫がたくさんあった。農機具や収穫物を一時的に置いておくんだろうね。
町の中は人通りがあんまりなかった。活気がないのかなぁ〜。まぁ、とりあえず宿を確保が最優先だね。
審査官が言った通りの場所にホテルはあった。そこそこ大きなホテルだね。これなら部屋も空いてるだろうから、さっそくおさえちゃおう!
「すいませ〜ん。2家族9人なんですけど、とりあえず4日ほど宿泊したいんです。空いてますか?」
「いらっしゃいませ。ファミリータイプのお部屋が2つでしたら空いてますが、チェックインは午後3時からなんですよ。少しお待ちいただくことになりますが、よろしいですか?」
「えっ?もう3時ですけど···?」
「あぁ~、これは失礼しました。お客さまはサバール王国からお越しなんですね?」
「はぁ、そうですけど···。もしかして時差ですか?」
「左様です。こちらはただいま午後2時なんですよ。準備でき次第ご案内いたしますので、ロビーかこの裏にあります喫茶店でお待ちいただけますか?」
「ありがとうございます。そうさせていただきますね」
あぁ~、そうか···。さらに時差があるのか。となると、アクロからは、6時間時差ができちゃったね。帰りはしんどそうだわ···。
ロビーのイスにみんな座ってたので、また時差の話をしておいた。
「えーー!?また1時間遅くなるのかー!?」
「ある意味堂々とリオは1時間長く寝れるわけだけどね」
「じゃあじーじ!きっさてんでおちゃしよ〜!」
「ははは!そうだね。ここまで結構歩いたからみんなでお茶にしようか!」
喫茶店は空いてたので、注文したお茶菓子はすぐにやって来た。
「おぉ~!ケーキがあるなんて···。うん!おいしいね!」
「あたしもはじめてたべた〜!おいし〜!」
「あたいも!これはあくをたおしたあとのごほうびにもってこいだぜ!」
ルメちゃんとアトラちゃんはケーキは初めてだったみたいだね。やはり農産地だから食材が新鮮なんだよ。
「アキー!これうめーなー!アキの世界で食べた『すいーつ』に似ているぞー!」
「リオ?食べ過ぎたら太るよ?」
「(ギクッ!?)あ、あたしはほどほどにしておくわ···(ちょっとお腹周りが···。食べ過ぎちゃったかしら···?)」
ナナは冷静になったからちょっと抑え気味だね。詳しくはツッコまないよ。ハルとモンドくん、レオはおいしそうに食べてたよ。
一方フーちゃんは···、思いっきり真剣な眼差しでケーキを見つめていたよ。どうしたんだろう?
「フーちゃん?どうしたの?」
「すいませ〜ん!てんいんさ〜ん!!」
ど、どうしたんだ!?フーちゃんがいきなり店員さんを呼びつけちゃったよ!?
「は〜い!お嬢ちゃん、どうしたのかな?」
「このケーキ、しょくざいをおしえて〜!ママにつくってもらうの〜!どこでかえるの〜!?」
「えっ!?お嬢ちゃん!?食材ですって!?シェフに聞いてみないとわからないわね···」
「じゃあ、シェフにきいてもいい〜?」
「ちょ、ちょっと待ってね···」
フーちゃん···。ナツにケーキを作ってもらうつもりなのか···。これは明日の行き先は市場に決まりだね。
隣国でヤバそうな話があったら自衛に走るのは当然ですね。指くわえて見てるわけにはいきませんからね。ただ、不安を煽るのは治安上よろしくないのでこっそりとやっているようです。
それに気づいたからと言ってアキくんたちには何もできません。外国人ですし、旅人ですからね~。
そして農業国なので食事はおいしそうですね~!さっそくフーちゃんが食いついてしまいました。
さて次回予告ですが、シェフを呼んでもらうと勝負を仕掛けてきました!となるとアキくん側も料理人を呼ばないといけませんね。ということで!アキくんはナツちゃんに急遽来てもらうことにしました!転移すればすぐに来れますからね~。さて、どうなるのでしょうか?
明日以降は来月まで夜勤がありませんので、12/31~1/2を除いて21時過ぎに投稿を予定しております。年末年始は時間を変更しますが投稿します。1/1~4日までは本作投稿1周年記念のSSを投稿する予定です。テレビでのお笑い番組に対抗するわけではありませんが、小説での初笑いを!と思っておりますので、ご期待くださいね~!




