2-8.ルメの魔法ショー開催!(予選ですってば!)
さあ次はあたしの番ね!
今のところ、魔法を使う人はそこそこいるけど、勝ち残ってる人はほとんどいないわ。みんな創作魔法なんだけど、イメージが固まりきってないって感じだし、魔力の込め方がいびつだわ。
あたしは魔法を使うのが楽しいし、じーじの教え方がうまいから一気に上達したわ。まぁ、同じ3つ子であるスウとカークに比べたら攻撃系はあんまり上手じゃないけどね。
リングに上がると、やっぱりあたしをみんな狙ってるわ。武器も持ってないから楽勝って思われてるのかしらね?
「それでは予選第30組、始め!」
「よろしくおねがいしますね」
やっぱりあたしが礼をしてる間にみんな突っ込んできたわ。それでみんなやられてるのにね。じゃあ、ちょっと準備に時間かかるから、最初はこれね!
「···ふりーふぉーるトルネード」
あたしの周囲に渦巻く風の壁を作り出す。触れた者は上空までひとっ飛びよ!そして落下してまた上空へ巻き上げられるのよ。楽しい空中散歩を楽しんでもらってるわ!
アキじーじの世界には『ふりーふぉーる』って遊びがあるらしいわね!そのお話から思いついたのよ。
「「「ひゃぁあああ!!」」」
うふふ!いい声出してるわね!アキじーじによると、『ふりーふぉーる』は『ぜっきょーけい』ってやつらしいわね。絶叫あげてるって事は成功ね〜!
さてと、次の魔法の下準備は終わったので魔法を止めると···、巻き込まれた3人は気絶してたわね。しかもおもらししちゃってるわ···。やり過ぎちゃったかしら?
他の選手はビックリしてるけど、あたしの魔法が解けたのでチャンス!と思って再度突っ込んできたわ。すると···、
バコンッ!!ぴょーーん!!
「うひゃぁあーー!?」
「なあああーー!?」
床に緑色に光るワナ魔法陣を張ってたのよ。これは『じゃんぷだい』ってものよ。踏むと高く飛び上がるのよ。アキじーじによれば、赤色と緑色があって、緑色は目の前から姿が消えてしまうぐらい、とんでもない高さまで飛び上がるらしいわよ。···なんで色が違うだけで変わるのかしらね?
もちろん、普通に落下したら命はないわね。ちゃんと風魔法も付与して落下速度を落としてるわよ。
ドカッ!!
まぁ、気絶するほど痛いのは我慢してほしいわね〜。これで2人倒したわ。
じゃあ、次に行きましょう〜!この魔法も仕込み済みだからね!一気にいくわよ!
「エレクトリックパレード!」
あたしの周囲には雷魔法で作ったたくさんの雷球を、かわいい竜のぬいぐるみっぽい形にしてみたのよ。ただの球じゃあつまんないから工夫してみたのよ。じーじは呆れてたわね···。
ちなみにこの魔法の名前はアキじーじがつけてくれたんだけど···、あんまり大きな声で言っちゃいけないって言われたわ。でもカッコいいから言っちゃった!
なんでも『ハハッ!』ってしゃべるキャラクターが『ちょさくけん!』って武器の名前を叫びながら、相手が死ぬまでどこまでも追いかけてくるって言ってたわね···。ある意味ホラーね···。
さて、雷でできた竜のぬいぐるみたちは自動追尾でリング上の選手に向かってゆっくりと歩き出したわ。みんな拍子抜けしてるわね?形だけで判断すると···、痺れるわよ?
そして、ある選手に雷の竜のぬいぐるみが抱きついた!
「あばばばばばーーー!?」
感電して気絶しちゃったわ。アキじーじによれば『電圧をとことん上げて電流は心臓に流さないイメージで!』って言ってたけど、よくわかんなかったからテキトーにイメージしたのよ···。うん、気絶してるならこれでいいわね!人体実験は成功よ!
真っ黒こげで頭の髪がチリチリになって気絶しちゃった犠牲者が出た事で、リングの上は大パニックになったわ!たくさんの雷の竜のぬいぐるみに追いかけられて逃げ惑い、時には別の選手とすれ違ってぬいぐるみにぶつかって感電したり、場外へ逃げたり···。
でも、中には気絶してる選手を担いでぬいぐるみにぶつけて消滅させるなんて非道をやっているヤツがいたわ···。これはちゃんとお仕置きが必要ね!あの3人ね!覚悟しなさい!
「プチエクスプロージョン、『お便り、待ってま〜す!』いっけーー!」
あたしは非道を行った3人それぞれに小規模な爆裂魔法を放った!
どーーん!!
爆発による衝撃波で場外へ吹っ飛ばされて、地面についた途端にもう一回爆発し、煙がバラの花のような形になったわ。悪を倒したら爆発するってのはアトラが見てた『とくさつもの』では当たり前だけど、それじゃあつまんないのでアニメにあった爆発のイメージをしてみたのよ。うん!美しいわね〜!
「そこまで!」
「ありがとうございました〜!だいしょうり〜!」
リングの外でアトラとモンドとフーが待ってたわ。これで全員本戦出場決定ね!
「ルメねえ!さいごのばくはつはよかったぜ!」
「ありがと、アトラ。やっぱりあくにんにはばくはつがいちばんね!」
「かみなりのりゅうのぬいぐるみがかわいかったよ〜!」
「ありがと、フー。けっこうあれはじかんかかるのよね〜」
「ワナもすごかったな!ただのまほうじんじゃあないなんて、だれもおもわないぜ!」
「アキじーじにきいたおはなしからおもいついちゃったからね〜」
こうして、孫たちは全員本戦に出場決定したよ。一緒に見ていたレオとリオが感想を言い合ってたね。
「モンドはなかなかいい相手に当たったな」
「そうだなー。モンドも楽しんでたなー」
「フユの槍術もかなり使ってたね。これ、フユが見たら喜ぶだろうなぁ〜」
「···アキ、だいじょぶ。···ちゃんと録画してさっきちーむッス!で送っておいた」
「ハルさん···、さすがだなぁ〜。そうそう、ルメちゃんも魔法を上手に使いこなしてたね。ボクが話したネタをこうもうまく魔法にしちゃうなんてすごいわ···」
「ルメは威力よりも演出重視だからなー。見た目はかなりド派手だぞー」
「あんな創作魔法見たことないぜ···。アキの世界のネタみたいだが、雷の竜のぬいぐるみ魔法は凶悪だな···」
「あ〜、レオ?あれは元ネタがちょっとまずいからあんまり使ってほしくないんだよなぁ〜」
「元ネタって、エーレタニアじゃだれも知らないから問題ないぞー?」
「いや、リオ。この日記を読んでる人にバレたくないって事なんだけどさ···」
「そんなの、読むヤツなんてアキが死んだ先だから気にするなー!」
いや、そういう意味じゃないんだけどさ···。みんなは内緒にしておいてね!
番外編でもご紹介しましたが、ルメちゃんは威力よりも演出重視です。見た目が派手な魔法を好み、派手でない魔法は派手になるように改造しちゃうんですね。
ちょっと著作権がヤバい魔法を繰り出してましたが、本当に大丈夫かなぁ〜?作者が襲われそうな予感がしますけど···。
さて次回予告ですが、無事予選突破したので翌日は1回戦が始まります。アキくんたちが関係者席へ向かおうとすると呼び止められます。いったいどんな用件で止められたのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




