9-5.レオ、ついにエレさんにバレる!!
グロー歴525年11月7日 晴れ
あれから2ヶ月経った。ついにマクス帝国が宣戦布告をしたとの情報がパスさんから届いたよ。
昨日はボクの仲間たちを全員集めて対策会議を開いた。そして、全員で出撃することが決まったんだ。出発は明日だ。
今日はみんなアクロに合流する予定だ。ボクはピムエム皇国へパスさんを迎えに行くことになってしまったんだ。
『アキくん!私も出るわ!』
『ちょっと!?皇国はどうするんですか!?』
『こんな事もあろうかと、今月1日をもって皇帝をサキに継承したわ!今の私は···、自由よ〜!』
『おいおい···。とんでもないなぁ〜』
そう、パスさんはサキちゃんに皇帝を継承しちゃったんだよ···。ちなみにサキちゃんはノリノリだったらしいよ。『今、受け継ごう!歴々の皇帝の(国)力とコネを!でっけ~国にしてやるわ!』って宣言しちゃったんだってさ···。それって某ロマンあふれる皇帝継承ゲームのセリフじゃんかよ···。この親にしてこの子ありってか···。とんでもない家系だなぁ〜。
カーネさんたちはリオが迎えに行った。フユたちは昼ごろに転移でこっちに来るそうだ。
デジアさんとイピムさんはコルくんが迎えに行った。
これで、ボクが揃えられる全戦力が揃うんだ。龍脈の力は使わない方向だけど、それでも最強クラスの駒は揃えたよ!
そうそう、宇宙人のトミーさんたちから武器のカタログをもらったよ。ただ···、
『············』
『どうだい?これの中から好きなのを選んじゃって!』
『トミーさん?全部航空戦力なんですね?』
『そりゃ、宇宙空間でやり合うんだからね。地上戦なんて考慮してないから、足なんてもちろんないよ。偉い人には分からんでしょうがね〜』
『なんで宇宙人が某ロボットアニメの整備兵のセリフを知ってるんです?』
『アニメってなんだい?』
『素かよ···。さすがにUFOで乗り込みたくないなぁ〜』
『じゃあ、兵器じゃないけどこの修理用人型ロボットなんてどうだい?』
『これは著作権的にアウトです!モ◯ルス◯ツなんてダメに決まってるでしょ!?魔力で動くシル〇ットナ〇トでもダメ!!』
『え〜?結構人気モデルなんだけどなぁ〜。入荷したら即売り切れになるぐらいなんだけど?』
『ガ◯プラかよ···』
というわけで、今回は刀を5本用意してもらった。合計6本だね。某人型ロボットの合金製らしいから、軽量で頑丈かつ切れ味バツグンだけどさ。
とりあえずこれでマジックキャンセラー対策は万全だね。今回も短期決戦にしておかないと、ボクとリオが受け持つ授業が遅れて学生さんたちに迷惑かけちゃうからね!
そうそう、パスさんはトミーさんと話をして、技術協力を取り付けてがっちり握手していたよ···。この魔法のあるファンタジーな世界が、いつの間にかSFになっちゃうのか?ボク、宇宙旅行までやるの?さすがにそれは···。作者も『それむり』って無表情で言うと思うよ?
午後になって続々と皆さんがお越しになった。総勢32人だと家の中だけじゃ狭いので、庭にもテーブルを用意したよ。暑くもなく寒くもないから、ちょうどいいね!···いや、やっぱり狭いわ。
キッチンではナツがヨウくんをこき使って準備していたよ。もちろん、フーちゃんもしっかりと分身してお手伝いしてるよ。
というわけで準備が整ったので、今回もボクが音頭取りになってしまったよ。もちろん防音結界は配置済みだよ。
「え〜、皆さん。お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。明日、出発してマクス帝国の野望を打ち砕きたいと思います。相手は魔法無効化するマジックキャンセラーと呼ばれる秘密兵器がありますが、こちらにも対抗する武器を用意できました。大魔王とは勝手が違いますが、お互い連携してこの局面を乗り切りましょう!かんぱ〜い!」
「「「「かんぱ〜い!」」」」
今回のナツの料理は揚げ物系だね!大鍋で一気に揚げていってるよ。うん!おいし〜!なんの肉かさっぱりわからないけどね。
孫たちも楽しんでるね。明日向かうのは戦場だ。あんまり孫たちには見せたくないんだけどね。モンドくんとフーちゃんはバリバリのアタッカーとして動いてもらうし、本人たちもやる気は十分だ。
なんとか平穏無事で帰ってきたい。そして、まだ見ぬ場所へ旅行もしたい!ボクは気合いを入れて明日に備えてハルと一緒に寝るのでした。
···ハルさん?ちょっといつもより強めで抱きしめてきてません?若干、背骨がミシミシ言ってるんですけど···?まぁ、この程度なら寝れるか。おやすみなさ〜い!
グロー歴525年11月8日 晴れ
さあ!今から出撃だ!ヒステリシスで入手したマットレスのおかげでリオもちゃんと起きてやる気は十分だ!
「サバール王国には指一本触れさせんぞー!カジノは潰させないぞー!!」
「アンタね!?動機が汚れてるわよ!もっとカッコいいセリフを言いなさいよ!孫の教育に悪いわ!!」
「あ〜、ママ?もう別にいいわよ?うちの子たちはもうパパがそう言うだろうなぁ〜って顔してるから」
「あはは···。リオさんらしいですよね」
リオは戦争回避ではなくて、カジノを潰させない!って事で気合い入れてたよ···。冷ややかな目で見るリナとケンのお子さんたち···。ナナのお説教はもはや手遅れで、リナちゃんとコルくんも呆れ顔だったよ。
全員でアクロの町中を移動してると、みんなジロジロ見られちゃったよ···。そりゃ32人もの団体さんだからね。
すると、途中で声をかけられた。
「おっと!?見知った顔が多いなぁ〜」
エレさんだったよ···。そういえばエレさんには今から出撃って言ってなかったわ。
「今からウェル帝王を倒しに行ってきますよ」
「···は?なんだってー!?」
「今回はおみやげありませんから。戦勝報告がおみやげということで」
「それ!オレも行く!」
「は!?」
「ナビく〜ん!出撃準備!」
「あいあいさ〜!···あっ!?」
「···ん?げっ!?」
「ん?どうしたんだい?ナビく···!?レ···、レオ!?」
「···あちゃ〜、油断してたわ」
突然エレさんも行くと言い出してナビさんを呼んだら、レオと鉢合わせしちゃったよ。さらにはエレさんにもレオに気づかれちゃった···。
「レオ!?ど、どういう事!?アキくんと一緒に···?ま、まさか!?アキくんのナビってのは!?」
「あぁ〜、バレちまったからには仕方ないか。そうだぜ。今のオレはナビ00だよ。この体は人形だ」
「···なぜ?」
「···は?」
「なぜ···、オレの前に現れなかったんだ···?同じ町にいたのに···」
「簡単だ。エレはオレにナビしてくれって言うだろうからな。エレにはもうナビいるだろ?」
「だからって!!」
「今みたいに冷静に判断できなくなるからだ。···神狼族討滅の時もそうだったんだろ?」
「ぐっ···」
「オレだって、エレには姿を見せるつもりなんてなかったさ···。お前のことだ。討滅したことを、今でも後悔してるんだろ?」
「············」
「やっぱそうか···。あれは時代が悪かったんだ。オレはどうも思ってない。今の時代の···、ハルたちが幸せそうにしていればそれでいい」
「レオ···」
「こうなるから会いたくなかったんだよなぁ〜。いいか?オレは今のようなお前を見たくなかったんだ!もういい加減にしとけ!」
「···ありがとう」
うん、これでわだかまりはなくなったね。今まで気を遣ってたからなぁ〜。
そんな様子を見ていると、ナビさんが走ってこっちにやって来た。何か大きなものを背負ってるけど···?
「おまたせ〜!いざ出陣!!」
「ナビさん?それって···?」
「アキくん(のコピー人形)から借金して『神様ジャングル』で通販した武器だよ〜」
「ちょっとナビくん!?勝手に借金しないでよ!?完済がさらに遠のくでしょ!?」
「勝てばGP入る(かもしれない)からヘーキヘーキ!」
「そう言って前のコントも入選せずに特別ボーナスのギャラ入らんかったやんか!?いつになったら借金地獄が終わるんじゃーー!?」
ナビさんとエレさんが漫才やりだしたよ···。
「ははは!エレはいいナビがいるな〜!」
「レオ!笑い事じゃないぞ!?」
こうしてエレさんとナビさんまで乱入してきたよ···。オールスター大集合になっちゃったね。
ついにパスさんが皇帝を退位してサキちゃんに継承しました!リメイクされた某皇帝継承時のセリフもちゃんと言っておりますね(笑)!後半部分はキャラによって異なるんですが、もっともサキちゃんに合ったセリフがありましたので、それを使っております。
宇宙人3人組は技術協力という形で参戦です。6本ものとんでもない切れ味の剣を用意してもらいました。切れ味という意味では魔力剣と大差ないのですが、魔法が使えない以上、魔力剣も使えませんからね。
32人パーティー+エレくんとナビくんという大所帯なので、ここから先はしゃべるキャラがほとんどいなくなります(笑)!このお話でセリフ終了!というキャラまで出てしまう始末なんです···。さすがに多すぎたんですが、戦争なのに少人数はさすがに厳しすぎますからね。
もうすぐグランドフィナーレなので、ほぼ全員登場させたら収拾がつかなくなってしまいました(笑)。
そしてついにレオくんの存在がエレくんにバレてしまいました!なんとか丸く収まりましたけどね。
さて次回予告ですが、全員でウェーバー大陸へ向かってまずはマクス帝国側の戦力の分析をします。人型決戦兵器とマジックキャンセラーらしきもののほかには、なんと戦車がたくさんあったのです!
その情報を持ち帰って作戦を考えますよ~!
それではお楽しみに~!




