8-11.リオ、おサイフを取り上げられる!?
本日は夜勤なので朝に投稿しています。
昨日投稿した際にこの話をしていませんでした。あとで気づいて修正しましたが、夜の投稿を待っていた皆さま、申し訳ありませんでした。
グロー歴525年8月27日 晴れ
おはよう!今日もいい天気になったよ。
朝食を用意している間、孫たちはいつもの早朝トレーニングに出かけてたよ。帰ってきたらいただいて、そして出発するよ。
「フィルさん、お世話になりました」
「なんのもてなしもしとらんがの。こっちこそおいしい食事をありがとう」
「いえいえ、それでは!」
「クロによろしくの〜!」
リオたちに乗って3時間ほど。そろそろサバール王国に間もなく到着というところまで帰ってきたね。
ここでさらに1時間時差が進んで、アクロとは5時間差になったね。最大で7時間差まで拡大していたことを考えると、今回の行程は最長距離なんじゃないかな?南半球まで行ったしね。
眼下には緑竜の集落のある湖が見えてきた。サバール王国の首都ビオも視界に入ってきたね。
なんだかここの景色を見ると『帰ってきたなぁ〜』って思うね。
ボクたちは門の手前の平地に降り立ち、その足で入国の列に並んだ。すると···、門から兵士さんが出てきてこっちに向かってきたよ。
「こんにちは。失礼ですがアキ様ですよね?」
「はい、そうですが···?」
「やはりそうでしたか。ドラゴンが近くに降り立ったので、もしや?と思ってましたよ。国王が戻り次第、お会いになりたいとの事でして、申し訳ありませんが本日は国内のホテルでお泊りいただけませんか?」
「ええ、いいですよ。しかし、どういった用件なんでしょうか?」
「それは私にもわかりかねますので···。では、こちらへどうぞ。優先で審査にご案内いたします」
国王様がボクたちに用事ね···。これは何か動きがあったのかなぁ〜?
そして、ここに来たらもはや常連になってしまったカジノ付きホテルで今回も宿泊することになりましたよ。往きと同様、宿泊費と食費は国が持ってくれたよ。必要経費はカジノ代だけだ。
「よーーし!今回も稼ぐぞー!」
「じーちゃんは何度やっても学習しねぇな···」
「これがいぞんしょうってやつか。こうならないようクーもきをつける」
「アキじーちゃん?ついにあたいはじーちゃんを悪認定して、手にかけないといけないのか?」
リオはもう行く気マンマンだった。まぁ、こうなることはみんな予想していて、まさにその通りになっちゃってるから、孫たちも呆れていたよ。
ナナは『もはや何も言うまい···』といった心境のようで、あきらめの表情だったよ。
というわけで、今回のボクの作戦はこうだ!
「みんな、ちょっと待ってね。リオ?今回はお小遣い制だから、リオのおサイフはナナが預かるからね〜!はい、ナナ」
「へっ!?ちょっとーー!?おサイフなかったら賭けれないぞーー!!」
「あ〜、そういう事か。なんであたしは今までこの方法に気づかなかったのかしら?最初からこうしておけば頭を痛めることもなかったわね〜!」
「というわけで···、はい、リオ。今回はこのコインだけでゆっくりしていってね!」
「そんなーーー!?ひどいぞー!あんまりだぞーー!!」
「じゃあ、部屋でゆっくりしていてもいいわよ?」
「それもやだーーー!!」
部屋の床でジタバタするリオ。···みんな呆れちゃってるよ。孫よりお子ちゃまなリオの様子に、みんなドン引きしてしまっていたよ。
今回のリオはテーブルゲームだと2回しかできないコインを渡しておいた。すると、低額のスロットマシーンで遊ぶしかなくなっちゃうんだよね。でないと、長く楽しめないからね〜。
しかし!この考えは甘かった!
「やったーーーー!!大当たりが出たぞーー!」
「ウソ!?うわ〜、マジでジャックポット引いちゃったかぁ〜」
「でも大当たりでも少ないぞー?」
「そりゃ低額のスロットマシーンなんだもん。この程度だよ」
「よーし!だったらもっと大当たりして高額の台にイクゾーー!!」
するとどうなったとみんなは思う?なんと、ジャックポットをさらに引き当てちゃって、リオのコインは元手の3倍にまで膨れ上がってしまったんだ!
「しっかり稼いだぞー!次は2ランク高い台でやるぞー!」
「アキじーちゃん?じーちゃんを止めなくていいのかよ?」
「ぜったいまけるにきまってる」
「やっぱりじーちゃんを成敗しないといけないのか?」
「カークくん、クーちゃん、アトラちゃん。今回はリオが運で稼いだ分だから、好きにさせてあげて。これで負けてお金をつぎ込むなら···、もうやっちゃっていいと思うよ。今回はナナがサイフ持ってるけどさ」
微妙に納得してないカークくんたちだったよ。結局撃沈されてしまって、リオは落ち込んでしまったよ···。
「うぇーー、なんでだーー?さっきまで勝ってたのにぃーー!」
「リオ、引き際が大事なんだよ。ずっと勝つなんてことないんだからさ」
ボクがそう言うと、カークくんは気づいてしまった!
「そうか!じーちゃんは昔から負けることってほとんどなかったから、引き際がわかんないんだ!」
「なるほど、クーもなっとく」
「そうすると、ヒーローが勝ち続けるのも問題って事なんだな···。今回はあたいもいい勉強になったぜ!」
リオの情けない姿を見て、それを反面教師にしちゃったカークくんたちだったよ。
もちろん、リオのおサイフはナナが持ってるから奪って続きをやるなんて事はできないので、今回はここで終了となった。
ちなみに今回はボクはちょっとだけ勝ったよ。フーちゃんは競馬でまたまた勝ってしまっていた···。
「お〜!この馬さん速かったね〜!」
その馬の名前は『はぐれちまったオリハルコン』だったよ···。某竜退治のあのレアモンスターを思い浮かべたのはボクだけ···?
夕食をレストランで食べ終えてから部屋に戻ると、ドアの下に手紙が挟んであった。中には王様が明日のお昼に食事しながら話をしたいとの内容だったよ。返答はフロントにしておけばいいようだから、ボクは部屋に入らずにそのままフロントに行って、伝言をお願いしておいたよ。
グロー歴525年8月28日 晴れ
今日はお城で王様との会食だ。こう書いちゃうとボクたちが偉い人のように見えてしまうけど、れっきとした一般人だからね!
えっ!?一般人は王様と会食なんてせんわ!だって?ボクもどうしてこうなってしまったかわかんないんだけどなぁ〜。
お昼からということなので、チェックアウト時間までのんびりしてから、ホテルの前につけられたお迎えの馬車に乗って、ボクたちはお城にやってきたんだ。ほぼ1月ぶりかな?
そしてそのまま食堂に案内されると、すでに王様が中にいたんだよ···。普通は逆じゃね?
「おお、久しいな!とりあえずは座ってくれたまえ」
「ご招待いただき、ありがとうございます。それでは失礼しますね」
「話さないといけないことがあるのだが、それは食後にすることにしよう。まずはゆっくりと食事を楽しんでくれ」
そう言われて出てきたのはフルコース料理だったよ···。一応孫たちにもテーブルマナーを少しだけやっておいたから、王様とヘンリーさんは驚いていたね。
「素晴らしいな。お孫さんもそれなりにテーブルマナーを知ってるようで、アキさんたちの教育が高度であると感じ取れるよ」
「こういう場もありますからね。そう感じていただけて光栄ですよ」
そして食事が終わって、食後のお茶を頂いてる最中から、本題に入った。
「実はな···。マクス帝国が我が国に属国になるよう要求をしてきたのだよ···」
うわぁ〜!マジでヤバい話になっちゃったよ···。これはマズくね?
カークくんは気づいてしまいましたね!リオくんはこれまで負けたことがほとんどありません。そのため、勝負の引き際がわかんないんですね~。
この引き際、勝負事以外でも非常に難しいんですよ。思いっきり負けたりひどい目に遭わないと、気づかないうちに取り返しのつかないことになってしまうって事があるんですよ。作者もひどい目に遭い続けてきたので、多少なりともヤバいフラグは感じることができるようになりました。それでも地雷踏み抜きますが(笑)!
さて次回予告ですが、マクス帝国に動きがありました!その情報を知ったアキくんは、サバール王の前でちーむッス!でピムエム皇国とつないでサミットを開催することにしました!
その後、コピーアキくんが待つ自宅へ帰って第8章は完結となります。
明日は完結のため、夜勤明けの朝に投稿し、夜にネタバレ集を投稿します。お楽しみに~!




