8-5.ちからにおぼれたもののまつろだ
本日は新日本海フェリー様のゆうかりで苫小牧東港まで乗ってきました!日本海が大荒れだったので3時間遅延しました···。酔い止め貫通して船酔いするぐらいの大揺れでしたね。
急遽苫小牧で1泊して明日帰ります。
「じゃあ、次はあたいだな!」
次の試合はアトラちゃんだ。相手は女の子だね。この子は武器を持ってないね。
···いや、これも幻術かもしれないよ?そう考え始めると、目で入手する情報が果たして正しいか判断に迷ってしまうなぁ〜。それも作戦のひとつかもしれないけどね。
「よろしく」
「おうっ!日頃の鍛錬の成果!思う存分発揮するぜーー!」
「ふふふ。元気なお孫さんですね。それでは始め!!」
「いくぜー!鎧装着!!とうっ!!」
まずアトラちゃんは魔法と竜気を混ぜて金色の鎧を生み出して、変身バンクっぽい演出で自動で装備していった!
これ、最初は変身バンクなかったんだけど、某魔砲少女アニメ見ちゃって『この方がかっこいいな!!』って事で開発しちゃったんだよね···。
「待たせたな!さあ、始めるぜ!」
「変な鎧着て、何が変わったのかしら?」
「それはやってみてのお楽しみだぜ?楽しむ前にネタバラシしたらつまんないだろ?」
「それもそうね。···その鎧もろとも砕く!」
「いいぜ〜!かかってきな!!」
「はぁあーー!!」
まずは女の子の先制だ!そのまま正拳突きをアトラちゃんの鎧に繰り出した!!
バーーン!!
「くっ!?この鎧!?」
大きな音がしたけど、鎧は壊れてなかった!しかも弾力まであるんだよ。某龍の玉を探すアニメの戦闘服を再現しちゃったらしいんだよ···。柔らかいのに衝撃に強いって状態をね。
「気づいたか!そんな攻撃じゃこの鎧は壊れないぜ!今度はこっちからいくぜ!ドラゴンクロー!!」
「くっ!?な、なに!?」
女の子はアトラちゃんの右手にあった光る爪の攻撃を避けたんだけど、服が切り裂かれちゃったんだ!
「残念だったな!あたいのドラゴンクローは爪本体から少し離れていても、有効なんだぜ」
そう、光る爪なんだけど、実は見えない部分にも爪があるんだよ。光ってる部分はフェイクも兼ねてるんだ!何も幻惑系は向こうの十八番じゃないんだよ。
「なら、こちらもそれなりの技で対抗するのみ!」
「いいぜ!かかってこーい!」
女の子は何やら構えを変えたよ。そして一気に間合いを詰めた!
「幻影拳!」
猛烈な勢いでパンチを繰り出してきた!もちろんアトラちゃんも爪を消して同じようにパンチで応酬したけど···、
「ぐっ!?ま、まさか!?」
「そうよ!私の拳も消せるのよ!さらに幻惑も加わってるわ!さすがのあなたでも、この数は捌ききれないわ!!」
見える拳の一部は幻影、しかも有効打は見えないものもあるという技か···。これは数で押さえ込もうという作戦だね。
「なるほどな!だったら···、それを超える数で攻めたら勝てるって事だな!」
「なんですって!?」
「じゃあ、あたいのヒーロー技じゃなくて、格闘技の技を見せてやるぜ!ヴィーに教えてもらったこの技、くらえーー!!恒河沙!!あーーたたたたたた!!」
アトラちゃんのパンチの拳がすさまじい勢いで撃たれる!さらには魔法も込みで撃ち込んでるぞ!
「くっ!うあっ!?お、押される···」
「まだまだまだまだーーー!!」
「ぐぅっ!キャーー!?」
女の子を吹っ飛ばしてしまったよ···。って事は!?
ちゅどーーーん!!
あぁ~、やっぱり爆発しちゃったわ···。ただの演出だし、屋内だから煙は少なめだったけどね。
「それまで!これは面白い技を使いますね〜。大会ではルメさん···、でしたっけ?使われてましたね?それにしてもすさまじいパンチでした」
「おう!従兄妹だしな!勝つまで殴れば負けねえぜ!ただこれ、結構疲れるから、何度も使えないんだよなぁ〜」
今回はアトラちゃんが勝ったね。恒河沙って···、とんでもない数の単位を出してきたなぁ〜。
さて、次はクーちゃんだね。
「よろしく」
「マジでこんなちびっ子とやるのかよ···。師範?いいんすか?」
「ええ。見た目に惑わされると危ないという見本だと思いますよ?我々も幻術を使うんです。姿や形に囚われるように振る舞うのが流儀なんですから、相手がそうであっても戸惑ってはいけません」
「···わかりました。よろしく」
「それでは、始め!」
「さっさと終わらせるぜ!」
そう言って少年は姿を消した!そして···、クーちゃんの背後に立ってた!バックアタックだ!
クーちゃんはまだ気づいていない!そして少年はクーちゃんの背後から襲いかかった!
ガシッ!!
「んっ!?う、動かねえ!?なんて重さだ!?」
「れでぃにおもいなんてしつれいすぎる。じゅうりょくまほうでクーのおもさをなんびゃくばいにもしてるからむり」
「なんだって!?」
「さよなら」
ズドーーーン!!
おぉぅ···。クーちゃんってば、重力魔法で重量を何百倍にまでした状態で殴っちゃったから、とんでもない破壊力を出したわ···。
いわゆる力積だね。同じパンチの速さでも、子どもと力士だったら重量がある分、力士の破壊力はバツグンだ!
しかし···!
「あ、あっぶね〜〜!あんなの、直撃したら跡形も残らねえじゃねえかよ!?おいちびっ子!わかってんのかぁ!?」
「よそうずみ。いまのはおためし。これでそっちもほんきだす」
「こ、こいつ···!いいだろう!ちびっ子のくせに挑発しやがって!!なら、こいつはどうだ!『変化』!!」
少年がそう叫ぶと、魔力が高まって体の周囲に集まり、形を成していった!これって···、魔獣!?
「おお、アトラねえのようなものか」
『この姿になったからにはもう手加減できないぞ!覚悟しろ!』
「たのしくなってきた。クーもほんきでいく」
そこからは某アニメのように姿とか見えずに音だけがあちこちからしてきてた。でも、今のボクならはっきりと目で追えたよ。これもなりきりセットのおかげかぁ〜。
しかし3分ほどで少年がへばってしまった···!
『はあっ!はあっ!く、くそ!なんて体力してやがる!?』
「クーはまいにちはしってたいりょくつけてる」
『おれだって!んぐっ!?グァアアア!!』
「いけません!これ以上はもたない!」
エマさんが慌てだした!それを見たクーちゃんはすぐに動いた!
「これできめる。いんぱくと」
ドズーーーン!!
『ガ···!?グゥッ···』
「これでよし。ちからにおぼれたもののまつろだ」
クーちゃん···。どこでその言葉知ったのさ!?かっこいいけどさ···。アトラちゃんからかな?
「助かりましたよ。あの技は幻惑自体を体にまとい、戦闘力を上げるためだったのですが、コントロールが非常に難しいので長期戦には向かないんですよ。ありがとう」
いろんな技があるんだなぁ〜。さて、次はモンドくんの試合だよ!
アトラちゃんは数にものを言わせる連撃で圧倒してしまいましたね!恒河沙はネタバレ集で詳しくご紹介しますが、『万』とか『億』とかの数字の桁の名称で10の52乗です。0が52個つく数字の名称なんですね~。普段使わない数字を出す勢いで繰り出しました。
クーちゃんも重力魔法という高度な魔法まで使いましたね~!決めゼリフもどこで覚えたんでしょう?小さいお子さんはなにかしらの影響を大きく受けますので、スマホ内のアニメのセリフを覚えちゃったんでしょうね。
さて次回予告ですが、モンドくんとフーちゃんの試合です。どちらも危なげなく実力を見せつけますよ~!
それではお楽しみに~!




