7-16.開き直って創ったリゾート地
人の住んでいない場所にあったリゾート地。ここは異世界人にとっての憩いの場でもあったんだ。
作られた理由が、復讐に疲れた心を癒す目的だったんだ。
確かにナビさんから、エレさんが神様になる前の神様がいろんな世界にケンカ売ったってのは聞いてたけどさ···。まさか別の異世界でバラバラにされてたなんて驚愕の事実だったよ···。チェーンソーでも使われたのか?
まぁ、侵略されたんだからそうされても仕方ないけどさ。
「でも、トランさん以外の世界は復讐に燃えて侵略に来たと聞いてますよ?どうしてトランさんだけ···?」
「よその世界の事情なんざ知ったこっちゃねえよ。うちはそうしたってだけだ。家主が変わってるのに前の家主への復讐なんざおかしいだろうが」
「確かにそうですね」
「もしかしたらうちの世界以外にもここを別荘にしてる世界があるかもな。この世界に迷惑かけずにいれば、この世界の神は何にもしてこないし、ナビにはこの事は知られてるしな!」
「ナビさんを御存知で?」
「ああ。『神様 Zoom in!』でたまに情報交換してるなぁ〜」
「ナビさんが知り合いの神様がいるってのはトランさんの事だったんだなぁ〜」
そしてナビさんはエレさんに言ってないと···。まぁ、『聞かれなかったから言わなかったんだよ〜!』って言いそうだよね。するとレオもトランさんに質問したよ。
「おっ!アンタだったのか。リゾート地開発やってるって言ってた神は。変わったヤツがいるなぁ~とは思ってたんだけどな」
「そうだぜ。ということはアンタがナビ00だな?ここはのんびりするには絶好の場所だったんでな。俺も疲れたらここでのんびりして、英気を養ってから戻るのさ。そういえば、ここから南東にある塔を潰してくれたそうだな?助かったぜ!武力持込み禁止だから困ってたんだ」
「でも、リーフさんたちは武器持ってましたよ?」
「ああ、あれな?ちょっとした小細工でな。全部バラして部品状態で持ち込んでんだ。かなりの回数に分けたから、もうやりたかないけどな!」
うわぁ〜!それって元の世界でも密輸のやり方の方法のひとつだよ!?世界が変わっても手法は一緒か···。
「というわけで褒美といっちゃなんだが、なにか欲しいものがあれば遠慮なく言ってくれ。当面はモンスター被害はないだろうからな!」
「ありがとうございます。それじゃあ、ボクはこの屋敷にあるマットレスがいいですね」
「···は?それもいいが···、そんなもんじゃ釣り合わんぞ?ここほどじゃないが、別荘を2つすでに用意してるぞ?」
「えっ!?さすがにそれは···」
「警備費用考えたら安いもんだ。ここでみんな英気を養って、俺の世界で頑張ってくれるおかげでGPも結構貯まってるしな!他には何がいい?」
「え〜っと···。ちょっとみんなで考えさせてもらえないです?」
「いいぞ!じゃあ、屋敷出て別荘に案内するぞ。そうそう、ここから出発する前日に声をかけてくれ」
ということで、別荘をもらっちゃいました···。アクロに家あるけど、ここに別荘って言っても転移だとかなり厳しい距離だよ?リオの高速飛行魔法でもかなりかかりそうだ。
屋敷を出て10分。案内された別荘は···!?すぐ目の前が砂浜の絶好のロケーションだった!
しかもログハウス···。ホント、バカンスに来たぞぉーー!ってな作りだったね。
アクロの家とほぼ同等な広さの家だったよ。しかも2軒も!ちょっと良すぎるよね?
「気に入ってもらえたか?」
「はい。ですが···、すごすぎませんか?」
「この程度はどうってことないさ。むしろリゾート地だとこんなもんしかないんでな。定期的にメンテもしとくから、好きな時に使ってくれ」
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいますね」
「そうかい!おっと!?忘れてたぜ。キミたちに俺の加護を授けておくぜ。これでここの連中と普通に会話できるからな。あとはアキと···、ナビのレオだったな?ここの通貨はGPで換金できるからな。と言っても必要なものは俺に言ってくれたら準備しとくけどな!えっと···、欲しいのはマットレスだったな?帰るまでに用意しとくぜ!」
「わかりました。これからもよろしくお願いしますね」
というわけで、せっかくリゾート地に来ちゃったので、もう2泊することにしたんだ。別荘もらっちゃったし、すぐさよなら!ってのはちょっと悪い気がするからね。
別荘の中を見て回ると···、キッチンは調理道具から皿まで一式揃えていた。見たことのないタイプの···、近未来的なソファがあって、ゆりかごのように揺れることもできるよ···。足置きまで完備してるし···、ここはダメ人間製造工場になっちゃいそうだわ。
ベッドもキングサイズだね。お気に入りのマットレスだったから、今日もハルと一緒に快適に寝れそうだね。
「なんでフーと同じベッドなんだよ!?おれは床で寝るからな!!」
「え〜?これだけ広いからいいじゃない〜?狭くないよ〜?」
「お、お、女の子と一緒に寝たらダメだろ!?」
「でもじーじとばーばは仲良く寝てるよ〜?うちのママとパパも一緒のベッドだからいいじゃないの〜?」
「そ、それは···」
「だからだいじょぶだよ〜!」
「···ど、どうしたらいいんだ?」
ははは!モンドくんは正しいよ。ただ、フーちゃんに外堀りを埋められちゃったね。まだ子どもなんだから気にしなくていいのにね。
どちらかと言えばフーちゃんが大胆だわ···。ボクとハル、ナツとヨウくんは夫婦だから一緒に寝てもいいんだけどね。まだそこまでわかってないんだろうね。
ちなみにモンドくんとフーちゃんの部屋のベッドはセパレートできる仕様だったよ。フーちゃん?もしかして、知っててモンドくんをいじっちゃった?
ちなみにリオたちの別荘では特にこういった事件はなく、カークくんたちは仲良く3人で寝ることにしたそうだ。カークくんが『面倒見てやるぜ!』って事らしいよ。クーちゃんがいるからね。
簡単に昼食をボクが作って、腹ごなしに孫たちは泳ぎに行った。水着まで別荘に用意されてたんだよ···。
もちろん!ちゃんと布面積が大きい健全な水着だよ!ふぅ~、2年前の水着回のように際どい『あぶないみずぎ』じゃなくて良かったよ···。
その後はみんな疲れてお昼寝タイムだよ。···えっ!?水着回なんだからキャッキャウフフないんかい!?だって?普通に泳いで魚獲ってたぐらいだよ。それにうちの孫はまだ子どもですが?そんな目で見るなら怒るよ?
夕食は砂浜でバーベキューだよ!あぁ~、こういう時に花火あったらいいんだけどなぁ〜。仕方ないからボクが線香花火を魔法で再現してみたよ。
「「「「きれいーー!!」」」」
まぁ、ぶっちゃけ小さな雷球だけどね。わずかにバチバチさせるとあら不思議!線香花火のように見えちゃうんだ!魔法だからできる芸当だからね。
···宴会芸でもこれ使えそうだなぁ〜。某小説の駄女神様は確か噴水とかやってたように思うし、平和的な魔法行使もいいよね?
さて、のんびり家族でくつろいで夜も更けてきた事だし、寝るとしようか!隣の寝室ではモンドくんがフーちゃんと同じベッドで寝ることにまだ抵抗してたけど、静かになったね。諦めて一緒に寝ちゃったかな?
「ハル、今日もお疲れさま」
「···特に疲れてないけど?···でも、久しぶりにのんびりアキと一緒に楽しめた」
「そう言ってもらえると嬉しいね。それじゃあ、おやすみ」
「···ん。···おやすみ」
今日も快適なマットレスのおかげでぐっすり眠れそうだよ〜!それじゃあまた明日!おやすみ〜。
結果的にリゾート地を救ったということで、アキくんたちは別荘をもらってしまいました。これで2軒目ですね!アクロもパスさんの別荘兼アジトでしたね。アキくんは温泉大好きなのでアクロから動くことはないですけどね〜。
しかしフーちゃんは大胆ですなぁ〜。親戚とはいえ、8歳ぐらいだとそろそろ気にし始める頃ですからね。フーちゃんは論理的に外堀を埋めにかかってきたためにモンドくんは成すすべもなく敗北しちゃいました。
モンドくん?勉強も頑張ろうね!ちなみにモンドくんは感覚派で、頭で考えるより実践して学ぶタイプです。
さて次回予告ですが、せっかく異世界文明のリゾート地なので、買い物しよう!ということでお出かけします。しかし!アキくんたちが魔獣を倒したという情報がすでに知られていたために『お代はいただけません!』と言われてしまいます。そしてフーちゃんはお店のために食材の買い付けもしますよ〜!
それではお楽しみに〜!




