7-8.そして伝説が更新された!?
UFOの中で宇宙人の調査に付き合ったボクたちは、はるか上空へ飛び去ったUFOを見送った後、ルダさんの集落に戻ってきた。
う〜ん···。これ、どう説明したらいいのかなぁ〜?いたのは調査しに来た宇宙人で、もういなくなったって言っても信じられないだろうしなぁ〜。そもそも宇宙人の概念がまず理解できないだろうしなぁ〜。
まぁ、適当にごまかすか!
「おお!無事お戻りになられたか!それで···、いかがでしたか?」
「確かに奇妙な家がありましたけど、様子を見ていたら飛んでいきましたよ」
「···は?家が、飛んだのですか?」
「信じられないでしょうけど事実です。ボクたちもビックリしましたよ···」
事前にみんなには話を合わせてもらうよう、口裏合わせをしておいた。だからみんな首を縦に振ってくれた。そのおかげでルダさんたちは納得してくれたよ。
ウソは言ってないからね!様子もちゃんと見たし、UFOが飛び去ったのを見送ったからね!その間は聞かれなかったから言わないだけだよ!
「わかりました。これであの周辺でも狩りができるようになりました。これも皆さまのおかげです!ご先祖様が遺した伝説は正しかったと後世にしっかりと伝えておきますぞ!」
「いや···、それはちょっと後世のドラゴン族の人に迷惑かけちゃうんで···」
「ははは!大丈夫でしょう。ここは、誰も来ることのできない秘境ですから。この伝説がそこまで残らないかもしれませんし!」
それ言われたらそのとおりだけどさ···。あんまり負の遺産は遺したくないんだけどなぁ〜。
こうしてボクたちは翼人たちのご好意でここで1泊させてもらった。宴を開いてもらって、盛大にもてなしてくれたよ。
見たことのないお肉と魚の煮込み料理だったよ。見た目はあんまり良くなかったけど、めっちゃおいしかったです!ごちそうさまでした〜!
グロー歴525年8月16日 曇
おはよう!今日はちょっと湿気が多いようで、この高地の下では霧がかかっていたよ。
なんというか···、絶景だわ···。例えるなら元の世界の兵庫県朝来市にある竹田城かな?雲海がきれいな場所で有名でしょ?ボクは行ったことないけどさ。
「おや、お早いですな。昨日はゆっくりくつろげましたかな?」
「おはようございます、ルダさん。これ、絶景ですね」
「アキさんたちは運がいい。この景色はそうそうお目にかかれないんです。やはり伝説のとおり我らの集落にとって良いことがあったからでしょうな」
「ははは。そうですかね〜」
「そろそろ朝食ができますから、準備ができたらお越しください」
「わかりました。ありがとうございます」
さて!みんなもそろそろ起きるかな?と思ったら孫たちが起きてきたよ。
「おはよう、じーちゃん!うわぁ〜!すっげー景色だな〜!」
「おはよ〜、じーじ!これが絶景ってやつね〜!」
「おはよう、アキじーちゃん!なんだコレ!?キレイだな〜!」
「おはよ、アキじーじ。なんだかくものうえにいてるみたい」
「アキじーちゃん、おはよう!お〜!?これ、前に見た戦隊の最終回の背景みたいだぜ!」
「モンドくん、フーちゃん、カークくん、クーちゃん、アトラちゃん。おはよう!よ〜く見ていくんだよ〜。こんな景色はそんなに見れないからね〜!」
孫たちもこの景色が気に入ったようだ。見とれていると、ナナとハルも起きて景色を楽しんでいたよ。
残りはリオだね!これもいつも通りだよ。良くないんだけどさ。
結局はナナのマリオネット魔法で操って朝食会場に行き、無理やり食べさせてた。のどに詰まってむせたところで目が覚めたよ···。
ホント、もう介護レベルになっちゃってない?ボクより寿命長いんでしょ?今の段階でこれじゃあ、ナナが大変だわ···。
朝食をいただき、ボクたちは高地を後にした。
これはボクたちが知らないことなんだけど、今回の伝説はなんと石碑にされちゃったみたいで、ボクたちの死後もちゃんと語り伝えられてしまったみたいだ···。
ボクたちは引き続き海岸線沿いを一路北西方面に進んでいった。マクス帝国から見ると、大山脈を越えた反対側でかなり西だから時差がさらに発生してるみたいだ。
これでボルタニア大陸のアクロとは7時間差かぁ~。今が正午だから、アクロだと午後7時だね。こりゃ帰った時の時差ボケがさらにひどくなりそうだなぁ~。
赤道は越えたみたいなので、北半球に戻ってきたみたいだ。南半球にいた時は『西から昇ったお日様が東へ沈む』をリアルに見れる!って思ってたけど、あれやこれやと忙しすぎて、特に何の感慨も湧かなかったわ···。しまったなぁ~。もうちょっとゆっくりしておけばよかったかなぁ~?
今日で旅行14日目。今回の旅行も折返しを過ぎたかなぁ~?2年前はひどい目に遭っちゃったけど、今回の旅行は···、いや結構ひどい目に遭ってるよなぁ~。
もうトラブルは勘弁してほしいんだけどなぁ~。···これ、フラグじゃないよね?この時は警戒していたんだけどね。
「アキー?なんかこの先に大きな塔が見えるぞー」
「え?あぁ~、あの森の中の右側にあるやつかな?遠目からだとちょっと傾いてるような気がするけど···」
「なんかの遺跡かなー?ちょっと寄ってみるかー?」
「でもなんかまた巻き込まれそうな気がするけど?そろそろのんびりできる場所を探してキャンプでもしない?」
「それもいいかもなー!」
「じゃあ、みんなに連絡しておくから、リオはどこかいい砂浜あったら着陸してくれる?」
「了解だぞー!」
そう、この時のボクはトラブル回避成功!って思ってたんだよね···。
「それじゃあ、今日から明後日までここをキャンプ地とする~!」
「「「「おーーーっ!」」」」
孫たちも乗り気だ。ここは誰もいないビーチだ。気配察知をしても周囲には人も集落も一切ない、完全に無人の海岸だ。
森の中はちょっと魔獣が多そうだけどね。この大陸にしては珍しいなぁ〜。
この前は亀を助けちゃって海底に行っちゃったけど、ここだったら誰にも邪魔されずにアウトドアを楽しめるっしょ!
まずは孫たちがテントを張ってくれた。ボクは夕食の下ごしらえと肉焼きセットの準備だ!
ハルとナナはのんびり海を眺めていたよ。リオとレオは海釣りにチャレンジだ!孫たちも『夕食の足しにするぞ~!』って釣りを始めたよ。一昨日釣りやってそこそこ釣れて嬉しかったようだね~。
そう、こうしてある程度サバイバルできるようになっていないと、この世界では生きるのが大変だ。食材確保の方法も知っておかないといけないんだよね。
「あー!食った食ったー!」
「旅に出てからトラブル続きだったし、ここらあたりでのんびりしとかないとね〜」
「じーちゃんと一緒だといろいろあるなぁ〜」
「ママも言ってたよ〜。じーじと一緒だといい経験できるって!」
「モンドくん、フーちゃん···。ボクとしてはそれって思いっきり不本意なんだけどなぁ〜」
「でもアキじーちゃん!おれもいい経験になってるぜ!じゃんけんに勝って良かったぜ〜!」
「クーのこんごのじんせいにやくだつ」
「アキじーちゃんと一緒だとヒーロー活動を思う存分にできるぜ!」
「カークくん、いい方に捉えてくれてありがとう。クーちゃん···、大人びた考えするんだなぁ〜。アトラちゃん···、ボクたちは悪を倒すために全国行脚してるんじゃないからね···」
みんな好意的に捉えてくれてたよ。
そうしてもう夜遅くなったので寝ることにしたよ。おやすみなさ〜い!
グロー歴525年8月17日 晴れ
「···アキ、···起きて」
「···ん〜〜?ハル···?どうしたの?」
「···魔獣が来てる」
「···えっ!?」
「···かなり多い」
「わかった!みんな!起きて!!」
せっかくアウトドアを楽しんでたのに···。
またまたアトラちゃんの伝説が1つ増えてしまいました!アトラちゃんとしては『フツーのヒーロー活動してるだけ』と思ってるんですが、やはり金竜自体が珍しすぎるので各地で伝説化されちゃうんですね。
ちなみに新作で判明することなんですが、多くの伝説を知らないうちに作ってしまったために、アトラちゃんの子孫はみんなヒーローになりたがってしまうんです。どんな事になったのかは新作を楽しみにお待ち下さい。
さて次回予告ですが、アウトドアを楽しんでいたところへ深夜に魔獣の集団の襲撃を受けてしまいました!周囲の安全を確認していたのにも関わらずの奇襲だったので、これはなにかありそうですよ?
それではお楽しみに〜!




