7-6.ファンタジー世界の法則が乱れる!?
ボクたちは翼人の集落に案内されて、そこで歓待を受けた。昔、金竜の整調者に一族を救ってもらったらしく、その時に『困った事があったらドラゴン族を頼れ』って言われたらしく、ボクたちに近くにいるモノの退治をお願いされたんだ。
「ルダさんだっけ?その魔獣について教えてくれるか!?」
「ええ。ただ···、あれは魔獣ではないと思うんですよ」
「えっ!?近くにいるモノって魔獣じゃないのか!?」
ここでアトラちゃんは気づいたね。ルダさんは、『魔獣』って一言も言ってない。だからこの時点では敵が何なのかがわかんないんだよ。
「おそらく···。魔獣と言えば何らかの動物に近い姿なんですけど、そいつらはそれとは似つかない姿をしているのです。つい先日にいきなり現れたんですよ」
「おい、アトラ?これってマズいかもしれんぞ?」
「カーク兄、そうかもな···。でも、ヒーローは困った人を助けるものだからあたいにできることはやってみせるぜ!」
「アトラねえ、かっこいい」
「おれもアトラと気持ちは一緒だぜ!魔獣じゃなくてもできる限りやってやるぜ!」
「でもなんだろ〜ね?フーは気になるよ〜」
カークくんは危険度が高いと判断したね。モンドくんとフーちゃんは、状況によっては退却も考えてるようだ。思ってた以上に慎重になってるね。
「場所はここからまっすぐ15分ほど飛んだ先になります。見たことのない家もありますので、我々もよくわからずに安易に近づけないのですよ」
「わかったぜ!あたいのできる限りやってやるぜ!」
今回もアトラちゃんは乗り気だったね。まぁ、ご先祖様の活躍を聞いちゃったからなおさらか。さらに翼人の助けになれるって思ってるからなぁ~。
そして準備を整えて翼人たちが指示した方向へ15分飛んだ先に···、それはデカデカとあった!
「なんだー?あれはー?」
「鉄っぽい家ね〜。変わった形よね?」
「初めて見る形だな···。アキとエレがリフォームした世界にもない形だぞ?」
「···うっそだろ!?なんでエーレタニアにこんなもんがあるんだよ!?」
「···アキはアレ知ってるの?」
ホントにもう···、やだわこの世界!
なんでこんなところに未確認飛行物体があるんだよ!?
このお話は異世界ファンタジーものでしょ!?なんで急にSFやねん!?おいエレやん!?ナビやん!?こんなもんまでGPで作ったんかい!?
もうね?みんなが『家』って言ってるのは巨大な円盤で中心が膨らんでる、おなじみの形のUFOだよ!
あぁ~···、ファンタジーな世界なのにSFって···。『世界の法則』が乱れるわ!
てっきりボクたちの魔法VSマクス帝国の科学技術の展開になるかと思いきや、まさかのハリウ◯ド映画の『インディペ◯デンス・デイ』かよ!?もうわけわからんわ!
「···あれはボクが知る限り『宇宙船』で、宇宙人が乗ってきたんだよ」
「宇宙人ー?ってなんだー?」
「空にあるどこかの星に住んでる人のことだよ」
「···えっ!?アキじーちゃん!それって怪人たちと一緒じゃんか!?やっぱりあいつらは悪だったのか!?」
「アトラちゃん···。あれはフィクションだから···。それにまだ悪と決まったわけじゃないからね」
「ということはじーちゃん?あそこに住んでるのはエーレタニアの生き物じゃないってこと?」
「モンドくん、そういう事だよ。あんな宇宙船を作っちゃうほど文明が発達した星から来たんだ。もしかすると、ボクたちの魔法も物理攻撃も効かないかもしれない」
「···アキの元の世界を超えてるの?」
「ハル、そうだよ。まぁ、元の世界の科学技術では星を渡ることはできないけど、月は昔に行けてたね」
「じーじ?ど〜するの?」
「う〜ん···。ボクとしては見なかった事にして帰りたいなぁ〜。まともにやり合いたくないし、どういう攻撃をしてくるかわからない。ヘタに手を出したら痛い目に遭いそうだよ」
「でも、とりあえず様子をみるぞー。相手を知ってから対応でも問題ないぞー。ヤバい時は、アキの転移で逃げたらいいからなー」
「まぁいいけどさ···。って、リオ?単に宇宙人に興味があるからって事はないよね?」
「そんな事ないぞー!」
「···静かに。···中から出てきた」
ハルがそう言ったので、ボクたちは身を隠した。するとUFOからタラップが下りてきて、宇宙人が出てきた!!
···ん?見た目は人型っぽいな。映画とかだとよく宇宙人って見た目がグロテスクなものが多いけど、UFOから出てきた宇宙人は宇宙服っぽい服装だったよ。
···なんだろう?どこかで見た覚えのある格好なんだよなぁ〜。全身銀色のスーツを着た···、あっ!?
もう···、ヤダわ···。あれ···、某『最後まで泣いちゃダメ』なRPGの『スタ◯マン』そっくりだわ···。元ネタはドット絵だったけど、リアルだとツヤッツヤな服だわ···。
ホント、エレやん!?ナビやん!?京都市の十条に本社がある超有名な某花札屋さんにマジギレされるで!?PKビ◯ムγ撃たれて即意識不明やで!?バッジ持ってへんやろ!?
とりあえず『スタ◯マンもどき』としておこう。···やっぱり『宇宙人』でいいか!でないといろんなところからいろんな意味でボッコボコにされちゃう!
出てきたのは3人だ。···『人』の単位であってるよね?何か話をしてるけど、かなり離れているのでまったく聞こえない。
警戒しているようではないね。ただ単に外に出て雑談してるっぽいよ。目的がさっぱりわからんなぁ〜。
そういえば翼人に対して被害って聞いてないよね?もしかして、敵じゃないのか?いや、判断するには早すぎる。
しばらく見ていても特に主だった動きはないね。こっちにも気づいてないよ。
···どうしようかな?このまま観察してても仕方ないんだけどなぁ〜。そう考えてると、リオがヒソヒソ声で聞いてきた。
「(アキー?こっちから話しかけてみるかー?)」
「(う~ん···、いきなりこっちから出ていくと相手がびっくりして警戒すると思うんだよね···。何かきっかけがあれば···、ってフーちゃん!?)」
なんと!?フーちゃんが一人で勝手に宇宙人のところへ向かっちゃったよ!?このままだと連れ去られちゃうかも!?
ついにファンタジー世界の禁じ手に近い存在、宇宙人が登場してしまいました···。
これ、書いてる最中に『やってもうたわ···』ってなりました。どうしてこうなった!?アキくんたちも大混乱ですが、書いてる作者も大混乱でしたよ。
しかも格好が某RPGのまんまでして···。宇宙人って思いついたのが真っ先にコレだったんですよ···。かなりやり込んだゲームでしたから印象深かったんでしょうね。
この作品が最も消されそうな原因の一つになるかもしれません。修正したり消されたらお察し下さい。初詣のおみくじで『炎上注意!』の警告はこれだったのかもしれませんわ。
さて普段通り次回予告ですが、フーちゃんが宇宙人とコンタクトを取ってしまいました!すると、『話を聞かせてほしい』とエーレタニアの言語で返してきました!アキくんたちはどう対応するのでしょうか!?
それではある意味ドキドキな次回をお楽しみに〜!




