7-1.これってカメの恩返し!?
本日より 第7章全18話が始まります。
第1話のタイトルからして危ない感じがしております···。
グロー歴525年8月12日 雨
「リオ!ちょっとこの雨の中で飛ぶのは危険だよ!」
「そうだなー!近くに降りれるところがあるから、そこに降りるぞー!」
世界樹から飛び立ったボクたちは、再び南へ向けて飛んでいた。
ホント、このあたりには何にもない。見渡す限りジャングルが続いていたんだ。集落っぽいのも見当たらないし、こっち方面にはもう何もないのかなぁ〜?
大雨で視界が悪い中、とリオが高度を下げていくと、眼下には海が広がっていた。
近くには広大な砂浜があったので、そこに着陸するみたいだね。
そして無事着陸した。
すぐにボクは降りてテントの設営を始めた。モンドくんとフーちゃんも手伝ってくれたよ。
「ふぅー。ひどい天気だなー。さすがにこの雨の中では飛びたくないぞー」
「熱帯特有のスコールだね、リオ。これは今日はここまでだなぁ〜」
「じーちゃん?メシはどうする?これじゃあ調理できねえよな?」
「そうだね、モンドくん。悪いけど、今日は無限収納カバンに入れてる料理にするよ」
「じーじ!ママから料理を預かってるから、それでいいんじゃない〜?くらうど?に入れてるって言ってたよ〜!」
「おっ!?そういえばフーちゃんの言う通りだよ!ナツが用意して『ワンワン!どらいぶ』にアップロードしたって言ってたね!じゃあダウンロード···、うわぁ〜···。たっくさん入ってるわ···。ん?テキストデータ···?どれどれ〜」
『食べ終わった食器類は『ワンワン!どらいぶ』に入れといて。こっちで洗うから』
「ナツ···、そこまで甘えちゃっていいのかな?」
「皿洗いは今はパパの仕事だからじゃないかな〜?」
「あ〜、そういう事ね···。ヨウくんの仕事を増やすためか···。ナツは厳しいなぁ〜」
「やっとパパも分身の術でお仕事できるようになったから〜、これも訓練って事だね〜!」
そう、ヨウくんはついに分身の術で仕事ができるようになったんだ!ただ···、2人までだけどね。ナツやフーちゃんのように4人にはなれてないんだ。そのために訓練と称して仕事を大量に押し付けられてるらしいよ···。ナツ···、容赦ないなぁ〜。
というわけで、今日は豪華なナツの料理をいただくよ〜!『ビーフっぽいかもしれないシチュー』をみんなで食べたよ。ホント、何の肉だろう···?おいしいからいいけどさ。
食器類と鍋は一応ボクが洗ってから『ワンワン!どらいぶ』にアップロードしておいたよ。汚水処理できないからキッチンペーパーもどきでふき取るだけだったけど、これだけでも食器洗いはしやすいと思うよ?
雨は納まることを知らず、ずっと土砂降りのままだったよ。明日は止んでくれるといいんだけどなぁ〜。それじゃあ、おやすみなさ〜い!
グロー歴525年8月13日 晴れ
おはよう!今日は晴れたね〜!日差しがキツい···。
早起きした孫たちは、今日も元気よく早朝ランニングに出発した。ボクはみんなが戻るまでに朝食の準備を整えておくんだ。
1時間後···。
あれ?孫たちが帰ってこない···。どこまで行ったのかな?砂浜を走るのって難しいから、そう遠くまで行ってないと思うんだけど···。
一応、モンドくんとフーちゃんにはキッズスマホがエレさんからプレゼントされてるので、ボクのスマホの地図アプリの迷子捜索機能で探索は可能だ。
調べてみると···、あれ?こっちに向かってるね。ということは待ってればいいかな?
そして15分後···。
視界にモンドくんたちが見えてきたんだけど···。何か大きなものを持って帰ってきてるぞ?なんだろうね?
そして···、持って帰ってきたものが明らかになった!でっかい亀だったよ···。羽生えてるけど···?某キノコの王国を襲った軍団の中にいる奴じゃんか!?
ええんか!?エレやん!このキャラも相当ヤバいぞ!?大丈夫なんやろな!?この世界丸ごと削除されても知らんぞ!?
ホント、エレさんって際どいところ攻めるなぁ···。ボクが創った世界じゃ、こんな冒険しとらんぞ!
いかんいかん···、話を戻さないと···。
「じーちゃん!砂浜を走ってたら、この変わった生き物を助けたぞ〜!」
「じーじ!魔獣に襲われてたから助けたの〜!」
「なんかお礼したいって言い出して、どうしたらいいか分かんなかったから連れてきたんだけど···」
「ここにもしゃべるいきものがいた」
「魔獣退治はヒーローの務めだぜ!」
···うわぁ〜。これって浦島太郎のまんまじゃんか!?原作の亀には羽は生えてないけどさ!
ってお礼って、竜宮城に連れていって、接待した後に玉手箱をくれるって流れだよね?···ヤバくね?
「と、とりあえず···。あの〜?詳しい話を聞かせてもらえますか?」
『おお!?この子らの親であるか?ワシはハタという。海底にある海王宮に出入りする行商人なんじゃ。この近辺で納品する貝殻を集めておったら、魔獣に襲われてしもうてなぁ〜。甲羅の中に閉じこもっておったら、この子らが助けてくれたんよ。ほんに助かったわい!』
···うん。名前からしてかなりヤバイ!半濁点取っただけじゃんか!?
そして亀は行商人ね。竜宮城じゃなくて海王宮って名前か···。名前がちゃうだけでまんま浦島太郎やんけ!?
『この子らが助けに来んかったら、ワシはもうダメじゃった。少しばかりお礼をしたいのじゃが···。お時間はいただけぬか?』
···本当に玉手箱っぽいぞ?さて···、どうしようかなぁ〜?断ったほうがいいんだろうけど、善意を踏みにじるってのは孫への教育にも悪いし···。
···あっ!?そうだ!ヤバかったら転移しちゃえばいいんだ!ここの場所も地図アプリで登録済だし、何にも問題なくなったね!
「いいですよ。でも、どちらに行くのですか?」
『海王宮のある海底の都、『ノーラス』にあるワシの店に案内するぞい。では、ワシの後に···、そういえばお前さん方は潜れるのかの?地上の生き物は長く潜れんはずじゃったが···』
「まぁ、魔法使えば数時間程度は···」
『そうか!では問題なかろうて。ではついて来なされ』
さっきこのハタさんは『行商人』って言ってたからお城に行くんじゃなかったか···。そりゃそうか。出入り業者はお城に自由に出入りできないもんね。
というわけで、ボクたちは海底にあるノーラスという町へ行くことになった。全員風魔法で空気を超圧縮して酸素ボンベを擬似的に作って潜ったよ。
ちなみにハルはボクが酸素ボンベを作って渡しておいた。ホント、便利な魔法をアトラちゃんに教えてもらったよ〜!
まんま某昔話そっくりな展開になっております(笑)!ただ、亀は某配管工の敵キャラに似て羽が生えてるんですが、どこで使うんでしょうかね?そのゲームの2作目のように水中で使うのかは不明です。
さて次回予告ですが、某昔話のようにお礼をしてくれるそうで、海底都市ノーラスへ行くことになり、アトラちゃんから教えてもらった潜水魔法で向かいます。竜宮城じゃなくてお店へのご案内ですけどね。どんな都市なんでしょうか?そんな珍しい場所なので、食材も珍しかったとなると、フーちゃんが買い付けしますよ~!
明日は急遽夜勤になりましたので、朝に投稿します。お楽しみに~!




