6-17.(番外編)コピーアキの自宅警備日誌 その1
この投稿で第6章は完結ですので、朝に投稿しています。
こにゃにゃちわ~!ボクはコピーアキやで~!よろ~!
やっと続編で出番が出てきたね~!先日のSSで作者にボクのお話をスピンオフで書けや!って言ったら、無表情で『それむり』って言い切られたからな。
それ以降も執拗に出番を、作者の耳元で飛ぶ蚊のようにつぶやきながら要求しとったんや。そしたらオリジナルからこんな話が出たんや。何でも言うてみるもんやな~!
あれはオリジナルが旅行に出かける1週間前の事やったなぁ~。
『来週からボクたちはまたウェーバー大陸に旅行に出かけるから、帰ってくるまで自宅警備をしてほしいんだけど?』
『ええで~!くつろぐのが神界かエーレタニアの違いだけやしな!マカセテ!』
『···ボクたちは出かけてるってご近所さんは知ってるから、その姿で外に出たり大きな音を出さないでよ?出る時は変装しておいてよ?』
『街中は鎧着とけ!ちゅーことやな!金ピカやから目立つわな~』
『いや···、思いっきり目立つのはヤメテ···。ボクの家から出てきたら、ご近所さんから問い合わせあるから···』
『なんや、つまらんの~。ま、オリジナルをおちょくるのはこのへんにしとこか。···例の刺客来たらどないしとくんや?』
『命はとらないで。とりあえず記憶消去はしておく程度でいいかな?町の外へ放り出しておいたらいいよ』
『相変わらず手ぬるいなぁ~。そんなんやから2年経っても狙われるんやで?多少は抑止力として見せしめにもせなあかんのとちゃうか?』
『言いたい事はわかるけどさ。相手も雇われだってのはこれまでの襲撃の時にハルの事情聴取で判明してるからね』
『雇われでも業務内容を承知の上でやっとる以上、手加減はいらんと思うけどな。相手も武装しとるさかい、こっちからの反撃を考えとるしな』
『それでも穏便にしたいんだよね。エスカレートしすぎると、ご近所さんに迷惑かけちゃうからね』
『まぁ、それもそうやな。ほな任しとき~!』
『そうそう、部屋は奥の空き部屋を使ってね。···掃除以外はボクとハルの部屋には入らないようにしてよ?』
『わかっとるって!恥ずかしいもんの場所はすべて把握済みやしな!』
『そんなもんはないわ!···ハルがあんまりコピーを信用してないからだよ』
『···あぁ~、なるほどね。ハルにゃんはオリジナル好き過ぎるからなぁ~。おんなじ格好のヤツがおったら気に食わんやろうな』
というわけや。無人やと刺客に家荒らされてまうからな~。荒らされた家はご近所さんには大迷惑やしな。
ちなみにリオの家はリナちゃん一家が留守番することになっとるんや。まぁ、これまでの襲撃でも狙ってくるんはアキだけやったからな。そもそもドラゴン族を襲った瞬間に命なくすなんて、ボルタニア大陸では常識中の常識やしな!
ちなみに自宅警備って、引きこもるんとは違うで?ちゃんと『警備日誌』つけとるからな!ちゃんと業務しとるって証拠を残して、次の日の昼にアキにちーむッス!で報告しとるからな!時差あるから、そこは気を遣うとるで。
ここからはその警備日誌を見てもらうで~!
グロー歴525年8月2日
オリジナルから自宅警備開始を命じられたで。今日の業務は魔導冷蔵庫の中身と温泉の使い方の把握しとく。取扱説明書を隅々までインプットしてから業務に用いるデスクトップパソコンを空き部屋の机に設置したで~。
神界からPC持ってくるんに大量のGPを消費してもうたわ···。世界を越えて物品移動は貢物以外やとコストがとんでもなく高いと判明したわ···。GP使いすぎた事はレオにもすでにバレとるやろうから、隠し立てはでけへんな。日誌にも記録してもうたしな!
その分、またエレやんから巻き上げを強化しとこ!それにオリジナルはデスクトップパソコン欲しがっとったしな!プリンターも用意しとるさかい、今後の学園での業務がはかどるで~!これでチャラやろ!?インクはGP使って用意してや!
グロー歴525年8月3日
今日は朝から庭の除草、家の外壁清掃をやっといたで!
おいオリジナル?結構サボっとったやろ?除草作業は夏になる前にやっとかんと大変になるんやで?まぁ今回やっといたから次は秋の終わりごろやな!
外壁清掃は水魔法でやっといた。こっちもやっとらんやろ?ちゃんと高圧洗浄しといたからな!やったところとやってないところが深夜のテレビ通販ばりにくっきりしたで!
作業をやっとると、お隣さんから声がかかったわ。もちろん、変装しとるからな!
『あら?草むしりですか?アキさん一家は昨日お出かけになったと聞いてましたけど···?』
『ああ、こんにちは。ごあいさつが遅れましたね。私はアキ様から旅行中にこの家の整備を請け負った者でして、『ハウスキーピングのシュウ』と申します。アキ様が戻ってくるまで警備も行うことになってるんですよ』
『ああ!あなたがそうなのね?アキさんから旅行中は『はうすきーぴんぐ』?って業者が出入りしてますって聞いてますわ。言われた時は意味が分からなかったけど、こういうことなのね?』
『おっしゃる通りです(オリジナルはちゃんとご近所さんに周知しとったな)。家の整備や警備を行うんですよ(ホンマは警備までせえへんけどな!)。どうも最近はいろいろ物騒らしいですからね~』
『そうなのよ~。不審人物がこのあたりをうろついてるってウワサで聞いてるのよ~。私は見たことないけどね~』
『出会わないのが一番ですよ~(あくまで目標はオリジナルのみって事やな···)。当分の間は私がいますので、何かありましたらお気軽にお申し付けください』
『ええ、そうさせてもらうわ~』
さっき名乗った『シュウ』っちゅーのはボクの偽名やで!アキを漢字にしたら『秋』って変換されることがほとんどやから、音読みにしたったんや!ちなみにオリジナルの名前の漢字は明人やからちゃうで!
グロー歴525年8月4日
今日は屋根の防水塗装をしておいたで。塗料はもちろんGP使うたけどな。
こっちもやっとらんかったやろ!?オリジナルは元の世界で電気設備管理業務以外にも建物管理業務もしとったんやから知らんはずないで!ボクが知っとるんやからな!
家っちゅーのは建てた後の維持費用がめっちゃかかるんやで。いくらこの家がピムエム皇国から貰うたとしても、維持管理は居住しとるアキの仕事や。温泉維持管理費は皇国に出してもろとるみたいやけどな。
防水塗装はきっちりやっとかんと、雨漏りして建物の寿命を一気に縮めてまうんや。特に木造は柱が腐ったら終わりやからな。
ついでにリオの家も昼からやっといたで!今日の留守番はリナちゃんやったな。
『アキパパのコピー人形···、なのよね···?なんて呼んだらいいのかしら···?』
『好きに呼んだらええで~!』
『···じゃあ、アキパパのコピーを略して『アキコ』で!』
『···!?それはアカンて!アキの元の世界の某大御所歌手と同じ名前やんけ!?怒られるだけじゃ済まされへんわ!どつかれるわ!』
『···え?ダメなの?じゃあ···、『コピーさん』で』
『それでええで!···リナちゃんも怖いもの知らずやなぁ~』
『···?どういうことかしら?』
グロー歴525年8月5~9日
この5日間は壁面の防水塗装しといたで~!もちろんリオの家もな!これで当面は安心やな~。GP使うて創った塗料やから、元の世界の塗料の数倍は長持ちするで~!この世界にはないチート塗料や!アキが寿命で死ぬまでもつんとちゃうかなぁ~?ははは!
コピーから警備日誌が毎日届けられるんだけど···、めっちゃ家を整備してくれてるわ。ただ···、
「アキ!?コピーのヤツがGPをしこたま使い込んでるぞ!?すぐに止めるか!?」
「いや、レオ···。今回はいいよ。ボクの家のために使ってるんだし、ボク自身にも役立ってるからさ」
「アキはコピーを甘やかしてないか?あいつ、調子に乗るとロクな事しないぞ?」
「わかってるよ。でも···、今回はこれでいいよ。ちゃんと目的があってやってるんだしね」
どうやらGP貯金の半分近くを使い込んだらしい···。レオが激おこになるのもわかるよ···。
第6章第1話のあとがきにも書きましたが、この番外編は追加エピソードなんです。
新春SSを書いた直後に本文中にある通り蚊の鳴くようないやらしい音で出番を要求されて根負けしてしまい、こんなエピソードが追加となったんです···。
本作のキャラで最も自己主張の激しいキャラになってしまいました。
自宅警備と言いながら、庭の除草作業や屋根の防水塗装まで、暇だからなんでもやってしまいました(笑)!ハウスキーピングはここまでしませんからね!
ここぞとばかりにアキくんが貯めていたGPが一気に使われてしまいました···。今後もいろんな事でコピーアキくんはGP使っていきますよ。
本日は夜にネタバレ集を投稿いたします。そちらもお楽しみに〜!




