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【シリーズ完結!】アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~  作者: ぷちきゅう
第6章 ウェーバー大陸の秘境へ行こう!

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6-9.アトラ好みの国?

  グロー歴525年8月7日 曇


 おはよう!昨日は滅んだ国の領主邸跡の建物で寝させてもらったよ。荒らされていないきれいな部屋があったので、そこを使わせてもらったんだ。


 料理は厨房を借りた。食糧庫が荒らされてたけど、厨房機器は問題なかったからね。



「アキー?今日はどうするんだー?」


「リオ、とりあえず生き残った人がいるみたいだし、盗賊団は退治したって報告をしたら出発かなぁ〜?」


「じーじ?お片付けとかお手伝いはい〜の〜?」


「うん、フーちゃん。ボクたちはこの国の住人じゃないからね。本当はここまでやらなくてもいいんだけど、この国の人たちができる事までやるのはマズいんだよ」


「そういえば、あたいが好きな戦隊も悪を退治してさっそうと去っていたな!あれはそういう意味だったのか〜!」


「アトラちゃん···。まぁ、そうかな?(たぶん番組の尺の問題だと思うけど···)」



 というわけで、ボクたちは出発の準備を整えて···、ぶっちゃけ無限収納カバンに入れるだけなんだけど、片付けを終えて領主邸を後にした。


 そうそう、中にいた人はちゃんと供養しておいたよ。それぐらいはさせてもらったよ。



 そしてメインストリートと思われる場所を歩いていると、物陰から声をかけられたよ。



「あっ!?アンタたちって昨日の!?」


「あっ、はい。盗賊団は全員旅立ち(・・・)ましたよ」


「本当か!?いや、そうじゃなかったら無事に出てこないよな!」


「はい。もう安心していただいて大丈夫ですよ。それじゃあボクたちはこれで」


「ちょっと待ってくれ!オレたちは国を滅ぼされてどうしたらいいか分からないんだ!助けてくれないか!?」


「え〜っと···、ボクたちは旅人ですよ?そこそこ腕に覚えがあるので、襲われたから仕返ししただけなので···。申し訳ないんですけど···」


「そ、そうか···。そりゃ···、そうだよな···。あぁ···、これからどうしたら···」


「隣の国に状況を知らせる程度ならできますよ?」


「それはマズいんだよ···。先日襲った盗賊団と変わらんよ。占領されておしまいだ···」


「あぁ〜、そういう事か。ボクたちは旅人なんですけど、このあたりの事情はよくわかってないんです。差し支えなければ教えていただけますか?お礼と言ってはなんですが、お昼は炊き出ししますよ」


「それはありがたい!」



 どうもこの小国家群、戦国時代っぽくなっちゃってるようだね。そうやって強い国にまとめ上げようって帝王は考えてるようだ。


 まぁ、武力以外に経済的支配ってのもあるようだ。


 う〜ん···。なんか帝王って政治で遊んでないか?でも、神様の業務(スマホゲーム)ってもろにゲーム感覚だし、それをリアルにやっちゃってる感じだよなぁ〜。でも、それってボクも同じだけどさ。


 結局は隣国へ救済を求めることになったよ。そりゃそうだよ。残った人たちは100人もいなかったからね。


 襲撃の際に逃げ出せた人が多く、ここにいる人たちは逃げ遅れて略奪も回避できた人たちだったんだよ。


 おそらく逃げた人は隣国へ行くだろうから、もしかすると救援の軍隊が向かってるかもね。念のため、ボクたちも情報提供って形で寄ることにしたよ。



 出発が昼過ぎになってしまった···。まぁ、仕方ないよね?


 今回はリオたちに飛んでもらって、隣国への街道の上空を進んでいると、前方から隊列を組んだ一行が見えて来た。



「おっ?軍隊っぽいな···。オレたちが知らせるまでもなかったか?」


「レオ、とりあえず事情だけ話しておこう。救援がスムーズになるよ」



 ボクたちはその軍隊の前方に降り立った。向こうはビックリしていたけど、ボクが手を降っておいたから戦闘態勢にはならなかったよ。



「ドラゴン族!?初めて見たから驚いたぞ···。我々になにか用かい?」


「はい。この街道の先にある国が盗賊団に襲われたんですよ。ボクたちはその後に着いてしまって襲撃を受けましたよ」


「そうだったのか!?よく無事だったなぁ〜。差し支えなければ情報をもらえるかな?」


「あっ、そいつらは全員旅立ち(・・・)ましたよ?もういないです」


「···は?もういないのかい?」


「はい。ただ、逃げ遅れた人たちが100人ぐらいいますので、急いで行ってあげてください」


「にわかには信じがたいが···。わかった。とりあえず先を急ぐとしよう。情報提供ありがとう!」



 そう言って軍隊は行っちゃたね。見送っていると、モンドくんが聞いてきたよ。



「じーちゃん?旅立ったって、あいつら意味わかってるかなぁ〜?」


「別に意味なんてわからなくてもいいよ。いないのは間違いないし、事実だしね」


「旅立つって、行き先が別の世界なんて思わないよね〜!」


「アキじーちゃんだからこそできる芸当だよなぁ〜」


「アキじーじはすごい」


「これも悪を更生する方法だよな!」



 フーちゃん、カークくん、クーちゃん、アトラちゃんが感心してるけど、ボクはボクにできる事をしただけなんだよなぁ〜。ちょっとやれることは多いけどさ。



 さて、これで隣国に寄る必要はなくなった。ボクたちは街道が分岐している地点に来ている。


 ここを北へ行くと隣国で、南に行くと別の国に行けるんだ。さて···、どっちにしようかな?



「みんな?どっちに行きたい?」


「···どっちでも」


「じーちゃんの好きな方でいいぜ!」


「フーも〜!」


「アキじーちゃんが決めていいぜ!」


「アキじーじにまかせた」


「さっきみたいな悪がいそうな方でいいぜ!」



 みんなボクが行きたい方でいいって言ってくれたよ。アトラちゃんは···、ボクたちって時代劇の某御老公様じゃないからね!



「じゃあ、近い隣国じゃない南へ行ってみようか?」


「「「「いいよ〜!」」」」



 この判断が後で後悔することになるとは、この時は知らなかったんだ···。




 飛ぶこと4時間、いくつかの宿場町を飛び越えて、日の入り直前ぐらいでボクたちはとある国にたどり着いた。名前なんて知らないからね〜。


 門には入国審査のために並んでる人が結構いた。夕方だからちょうどラッシュなんだろうね。


 ただ、意外と速くボクたちの番が回ってきたんだ。



「待たせたね!え〜っと、10人でご一行かな?」


「はい、そうです」


「ここは初めてかな?」


「はい。こっち方面は初めてなんですよ」


「そうか···。入国してもいいけど、注意事項があるんだよ」


「え?注意事項···、ですか?」


「最近、事情を知らない旅人や行商人を狙った詐欺や押し売りが多いんだよ。キミたちは思いっきり旅人だって目立つから、絶対にそういう連中が来ると思うよ。あまりにも被害が多いから、通報を受けても対応しきれてない状態なんだ。申し訳ないが、キミたち自身の責任で対処してほしいんだよ」


「はぁ···、それはちょっと···」


「だからやめといた方がいいんじゃない?」



 うひゃ~!これはとんでもない国に来ちゃったぞ···。みんな騙し騙されって国か···。よくそんなんで国が成立してるなぁ〜。


 どうしよう?審査官の言う通り、回れ後ろして別の国に行ってみる?そう考えてると···、



「アキじーちゃん!あたいはここの国に入ってみるぜ!」



 アトラちゃんが叫んじゃった。えっ!?ま、まさか···?



「おっちゃん!その悪人には『教訓』を与えてもいいか!?」


「オレはまだ二十歳(はたち)だ!トホホ···、年齢に見られないんだよなぁ···。ああ!悪い!教訓って、命さえとらなかったら懲らしめてもいいよ。憲兵に突き出してくれると嬉しいかな?」


「よっしゃーー!あたいの出番だぜーー!!」



 アトラちゃん···、先日ボクが使った教訓って意味、わかってなさそうだわ···。後で正しい意味を教えておこう。

 滅んだ国は結局隣国に吸収されてしまいました。これも仕方ない話なんですよね。弱肉強食の世界ではね。


 そして訪れた国は···、ちょっと危なそうな国でしたね。アトラちゃんは大ハッスルしてますが···。


 さて次回予告ですが、入国したらアキくんたちはいろんな人からカモにされてしまい、うんざりしてしまいました···。あまりの酷さにアトラちゃんは大ハッスルから暗黒面に堕ちかけてしまいます···。


 それではお楽しみに〜!

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