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【シリーズ完結!】アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~  作者: ぷちきゅう
第6章 ウェーバー大陸の秘境へ行こう!

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6-8.アキ、ブラックベアー団を旅立たせてしまう!?

 滅ぼされてしまった町に徘徊···、というか略奪しようとしていた盗賊団の連中をす巻きにして、ボクたちはこの先にある領主邸へズンズン進んでいった。



「な!?なんだ貴様ぶげっ!?」


「おい止まれ!さもなくあひゃ!?」


「おい迎撃しろ!!撃てぇ!」


「矢が当たらないだと!?どうなってやがるんだ!?バケモンか!?」


「矢がダメなら魔法だ!そりゃっ!!···な!?打ち負かさ?ぎゃーーー!?」


「こ、コイツら!?人間じゃねぶごっ!?」


「い、急いでお頭に報告だーー!」



 まったく作戦なしで真正面から向かっていくと、道中で略奪中の盗賊に襲われたよ。


 でも、『そう、かんけいないね!』ってな感じで孫たちが見敵必殺!って勢いで叩きのめしていた。


 もうね?途中からは『どんだけ倒したか競争しようぜ!』ってカークくんが言い出してからは、向こうが気づく前に倒しちゃってたんだよね···。特にモンドくんとフーちゃんは暗殺技使えるからね。


 領主邸に近づくにつれて、攻撃は激しくなってきた!魔法の他にも矢も飛んできた!


 しかし、矢は矢じりが鉄製だったからボクの電磁バリアで弾き返し、魔法はカークくんが反対属性の魔法をぶつけて打ち消すどころか打ち負かして(・・・・・・)魔法を撃ってきた敵にぶち当てるなんて芸当までやっちゃったよ···。


 カークくんはスウくんやルメちゃん同様に魔法が得意だからなぁ〜。リオの指導のかいもあって、扱いが非常に上手だよ。



 こうしてズンズン進んでいくと、ボクたちの後ろからは住民と思われる人がちらほら出てきたんだ。



「あ、ありがとう!」


「助かったわ!ありがとう!」


「領主邸に行く気か!?気をつけるんだぞー!」



 感謝の声が聞こえてきたね。それに応える時間はないので振り返らずにそのまま進んでいった。


 ···なんか某時代劇のように横1列で堂々と向かってるんだよね。



 さて、そんな無敵状態で領主邸にやって来た。



「ほ、本当に来やがった!?お、おい!ここは通さブリュワァ!?は···、はわぁ···」



 クーちゃんがサッと懐に入り込んで股間に破滅的な(・・・・)蹴り上げを食らわせちゃって、敵の性別が変わった瞬間だった···。



はずれた(・・・・)。せがひくいからしかたない」



 見た瞬間、ボクもヒヤッとしたわ···。クーちゃん、容赦ないわ〜。しかも背が低い事を理由に事故扱いだよ···。


 そしてエントランスホールに入ると、吹き抜けの2階にお頭っぽい人がいた。1階には全員集合したようにたっくさんの盗賊連中が武器を構えていた!



「テメエらか!?うちのもんをかわいがってくれたのはぁ!?」


「ええ、そうですよ。カツアゲされそうになったので、頭なでなでしてかわいがってあげましたよ?」



 気絶させてから回復魔法かけた時にね。アトラちゃんが、『コイツらの髪の毛ってどうやってこんな形に立ってるんだ?』ってなでなでしながら触ったからね。ウソは言ってないよ?



「ふざけた連中だ!そして何も知らんバカだな!これだけの人数に勝てるわけないだろぉ!?」


「道中の連中は1人残らずす巻きにしておきましたよ?50人くらいかな?降参して巻き上げた金品すべてを返してごめんなさいしたら見逃してもいい(・・・・・・・)ですけど?」


「アキ!?」


「(レオ、挑発だよ。そんな素直にするわけないじゃん)」


「(そりゃそうだろうけど···。びっくりするぜ···)」


「ナメんなぁーー!!全員!やっちまえーー!!」


「「「「おーーーー!!」」」」


「よし、じゃあみんなで大暴れしようか!ただし、建物にキズつけないようにね!」


「「「「おうっ!!」」」」


「それじゃあボクも···、()らせていただきます!」



 某山手線の英雄と同じセリフでこちらも返してやる!さあ!始めよう!



 1分後···。



「な、な、な···、何なんだよ!?お前ら!バケモンか!?10倍以上こっちの方が人数多いんだぞ!?」


「そりゃ確かに『数は暴力』だけど、ボクたちはスタンピードや大魔王も相手にしたことあるんだし、この人数じゃ話にならないんだけど?」


「大魔王だと!?おとぎ話の存在じゃねーかよ?」


「アキー?ムーオはこの大陸には侵攻してなかったから、怖さを知らないんだぞー」


「あぁ~、そういう事ね。まぁ、どうでもいいや。ボクたちが勝ったんだから、奪ったものは返してもらおうか?」


「何でこの町に関係ないクセに善人ぶるんだ!?」


「目の前で悪い事をしてるのを見過ごすほど、ボクたちは弱くないしね。さあ、どうするんだい?」


「断る!!どうせ俺等はどこにも行く場所などない!ここを支配して、まともな生活を始めるつもりだったんだ!準備した武器をすべて失い、もはや行く宛てなどないわ!さあ!好きにしやがれ!!」



 ···はぁ~、そうなるよなぁ〜。


 そもそもどんな環境でも適応できない人ってのは一定数いるんだ。なじめなくて村八分にされて追い出される。新天地を求めてもやはりそこでも同様の扱いを受ける。新しい環境が合えばラッキーなんだけどさ。


 最終的に行き着くのは盗賊だ。


 だからこいつらもやり直したくて自分たちの国を作るべく、手っ取り早くここを乗っ取ってやろうとしたって事か。


 まぁ、信念なき盗賊よりかはマシだけど、どちらも重罪行為であることに違いはないよ。元の住民の生活を踏みにじったんだしね。


 こいつら、どうしよう?全員処刑するのも違うと思うんだけどなぁ〜?そう思ってると、レオから提案があったんだ。



「アキ?今リフォーム中の世界に送るか?人手不足なんだけどさ?」


「おっ!?それがいいかな?本人が同意したらだけどね。じゃあ聞いてみるか!」



 ボクはお頭に近づいて聞いてみた。



「ボクたちにお前らを裁く権利はない。ただ、このままだとこの町の住民にやられるのは時間の問題だ。そこで提案がある」


「提案だと!?」


「そう。この世界じゃない世界でやり直してみる気はないかい?」


「···は?この世界じゃない世界···、だと?」


「そう。開拓中で人手不足なのさ。そこで頑張って開拓したら、国を名乗れるんだよ。どう?」


「そんな夢物語、信用できんな!」


「そりゃそうだね。普通に考えたらね。でも、もし今『死ぬ気』なら、最後の最後で夢物語に付き合ってもいいんじゃない?そこでダメなら、今度こそ本当に終わりなんだからさ?」


「···わかった」


「「「「お頭!?」」」」


「その話、嘘偽りはないのだろうな!?」


「もちろん。信用するなら本当だ」


「コイツらも同じようにしてくれるのか?」


「当然。さっき言ったでしょ?人手不足だって」


「わかった。金品はすべて置いていく」


「よし!それじゃあさっそく行くとしますか!レオ!ゲート開いてくれる?」


「お安い御用だぜ!」


「ありがとう、レオ!みんな?ちょっとだけま待っててね〜!」



 こうして盗賊団ブラックベアー団全員はす巻き状態で、世界を飛び越えた。



「はい!到着したよ〜」


「ほ、本当に世界を越えた···、のか!?」


「空を見てみなよ?月が2つあるでしょ?エーレタニアは1つだけだし」


「ほ、本当だ···」


「じゃあ、全員ロープをほどいて···。それじゃあ、開拓用資材は···、よいしょっと!ココに置いておくから好きに国作っていいよ」


「ア、アンタ···、何者なんだ!?ま、まさか!?神か!?」


「あ〜···、まぁいいか。そうだよ。この世界の神様だね。エーレタニアの住人だけどさ」


「···そりゃ勝てないわけだ。ここを好きにしていいんだな?」


「いいよ。大変だと思うけど、好きにしなよ」


「わかった。···ありがとう」


「お礼なら国ができた時でいいさ。それじゃあ!」



 こうしてボクがリフォーム中の世界へ盗賊団を送り込んだ。やり直す気があるうちにやり直した方がいいもんね!




 その世界で30年が経過した···。


 かつて何もなかった場所に新たな国家が誕生した。屈強な男が多いが、よく働き、よく稼ぐ国で、周辺国からも認められていた。


 その国の名は···、『ブラックベアー』という···。

 タイトルが不穏でしたが、リアルに別の世界へ旅立たせてしまいました(笑)!アキくんだからこそできる芸当ですね~。この盗賊団は運が良かったですよ。


 しかしクーちゃんは容赦ないですね···。これ書いた時は作者も冷や汗かきましたよ···。回復魔法があるので、命さえとらなければある程度は元に戻せるってのがエグいですね。


 さて次回予告ですが、小国家群の別の国に行くことにしました。しかし、その国は騙し騙され···、といったかなり悪が蔓延ってる国だったのです!

 正義に燃えるアトラちゃんはさらに燃え上がりますよ〜!


 それではお楽しみに〜!

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