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【シリーズ完結!】アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~  作者: ぷちきゅう
第6章 ウェーバー大陸の秘境へ行こう!

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6-4.サバール王との面会

 グロー歴525年8月4日 曇


 おはよう!今日はサバール王との面会の日だね。時差ボケ対策も完了して、みんなちょっぴり早起きになったよ。


 朝食を食べて、時間までのんびりくつろいだ後に、みんなでお城へ向かった。


 城に到着して受付にアポを取っていると伝えると、すぐに入城手続きをして正門から中に入った。


 中では案内人が待っており、用意された馬車に乗り込んで城の奥の方まで連れて行ってもらえたよ。


 そして、迎賓館みたいなところに案内されちゃったよ!?普通に会議室みたいな場所でいいのに···。



「お待たせいたしました。ではご案内させていただきますね」



 案内人さんを先頭に迎賓館っぽい建物の中に入ると···、ヘンリーさんと王様が待ち構えていた!



「王様!?待たせてしまい、申し訳ありません!」


「ははは!アキさん、別に構わんよ。こちらがムリ言って来てもらってるんだから。それに、ちょっとだけ早く着いたのでな。ここで待っていただけさ」


「そう言っていただけると助かります」


「それじゃあ案内しよう。固くならんでいいよ。ここは我々だけしかいないからな」


「お気遣い感謝します、ヘンリーさん」



 ヘンリーさんの案内でボクたちは会議室に案内された。内装がすごい豪華だわ···。



「そういえばそちらのドラゴン族のお孫さんは初めてだな。自己紹介しておこうか。サバール王だ。キミたちのおじいさんたちとは懇意にさせてもらってるんだ」


「私は警務大臣のヘンリーという。よろしくな」


「は、初めまして!リオの孫のカークと言います!」


「クーです」


「ははは!しっかりとしたお孫さんだな!」


「おう!ちゃんとしつけてるぞー!」


「ちょっとリオ!?失礼しました!」


「いや、気にせずともよい。今日呼んだのは、現在のウェーバー大陸の情勢について話しておこうと思うてな」


「情勢···、ですか?」


「詳しくはヘンリーから話させてもらうぞ」



 ヘンリーさんから聞いた話をまとめると、2年前と比べて治安状況に変化はないそうで、比較的穏やかな情勢らしい。


 ただ、マクス帝国が制圧済みの周辺国から人材を集めだしたらしい。帝都内では魔法を禁止されているので、帝都の外に急造で町と工場が作られてるそうだ。


 この工場、表向きは『帝都が手狭になったので、新規開拓した土地に工場を移転した』というけども、『必死の洞窟』に近い事から、洞窟内にある隠されたなにか(・・・)を掘り出して整備してるのでは?という疑いがあるようだ。


 ···やっぱりあの洞窟の奥深くには他人に見られたくないものか、使われてはならないものがあったっぽいね。


 だったら廃棄すれば···、もしかして、廃棄すらできない(・・・・・・・・)もの···?もしくは廃棄されていた···?


 いずれにせよ、怪しい動きであるのは確かなようだね。現時点では工場は建設中との事で、何を作るのか?が分からない以上、手を出せないよね。


 そんな動きを察知したのか、テスラ共和国は軍備増強に舵をきったようだ。あくまで『魔獣に対抗するため』という名目らしいけどね。


 そりゃ隣国が怪しい動きをしたら自衛するよ。自国が蹂躙されるなんてまっぴらごめんだもんね。


 一応サバール王国もこっそりと軍備増強を初めてるらしい。というのも、ピムエム皇国からの輸入品にこっそりと武器が入ってるらしい。


 

 こちらは『海の魔獣対策と、資材の採掘場周辺が魔獣のナワバリになってて、その対策』という名目だそうだ。しかもこれは事実だそうで、それに乗じてるらしいね。


 やっぱりどこの世界も政治ってのはこんな感じだなぁ〜。きれいごとの裏にはドロドロとしたものがあるんだよ。名目があればある程度は自由にできちゃうしね。議会も選挙もないと、なおさらこの傾向が強くなるんだ。


 まぁ、その分意思決定はめっちゃ速い。そりゃ即断即決で国を動かせるわけだからね。メリットデメリットがどちらもあるんだよ。



「以前よりも状況はよろしくないのだが···、それで今回はどちらへ行くんだい?」


「ヘンリーさん、情報ありがとうございました。今回は大陸の西部、マクス帝国の奥深くへ行ってみようと思ってます」


「ほう?帝国の奥は帝国に属する小国家群や、国家すら存在しない地域もあるのだが···。しかも大山脈もあって、その先は誰も行ったことのない前人未到の地だよ。大丈夫かい?」


「はい。変装のおかげでボクを知ってる者以外には別人に見えますし、そういった場所に行ってみたいと思ってましたから」


「そうか。まぁ、ドラゴン族もいて空を飛べるならなんとかなるかもな。ムリはしないよう、気をつけてくれ」


「ありがとうございます。ボクたちは明日朝に出発する予定です」



 そう言うと、リオがいきなり立ち上がった!



「えーーー!?って事はカジノは今日までかーー!?」


「ちょっとアンタ!場所わきまえなさいよ!?」



 ナナに怒られてリオはマリオネット魔法で強引にイスに座らされたよ···。恥ずかし〜!



「ははは!楽しんでいただけてるようで何よりだ。だが、離れるからこそ次が楽しみになるのではないかな?」


「おー!?確かになー!」



 さすが王様!リオを説得しちゃったよ!


 これで面会は終わったよ。このあと昼食を一緒にいただき、ホテルに戻ってきたんだ。



「さて、次の目的地なんだけど···。今回はマクス帝国を飛び越えるまで高速飛行で飛んで、そこから街道沿いに歩いていこうと思うんだけど、どうかな?」


「いいぞー。ついでにさっきの話に出た工場ってのを上空から観察するかー?」


「そうだね···。低高度だと気づかれるから、高度15000フィート(約5000m)ぐらいから望遠鏡で覗いてみるか!」


「よーし!じゃー、それでいくぞー!」


「アキじーちゃん!マクス帝国は悪だけど、放置でいいんだな?」


「うん、アトラちゃん。ヘタに手をだしたらマズい事になりそうだからね。個人の力でなんとかしない方がいいんだよ」


「巨悪になるとヒーローは孤独になるんだな···。あのヒーローの最終回近い話にもあったぜ···。こういうことなんだな」



 アトラちゃんは大人になったなぁ〜。正義に突っ走るってある意味危険な考えだったんだけど、やっぱりボクが正しい事したのにマクス帝国で犯罪者扱いされたのがショックだったんだろうなぁ〜。



 さて。当然の事ではあるけど、このあとはみんなでまたカジノに行ったんだ。今回はそれぞれでゲームを楽しむのではなくて···。



「なー?なんでオレにみんなくっついてくるんだー?」


「あたしだけじゃ歯止めにならないからよ」


「じーちゃんがどういうやり方で遊ぶか勉強するためだぜ!」


「じーじがわるさするところをたたくから」


「どうして悪に堕ちるのかを勉強するためだぜ!」


「リオを暴走させないためだよ」


「···どうやって負けるのかを勉強する」


「負け方も勉強になるのかな?って思ってな!」


「フーでも勝ったのにリオじーじはどうして負けっぱなしなのかなぁ~?って思うから!」



 そう、みんなリオがどんな負け方をするのかが気になっちゃったので、リオのやり方を見ることにしたんだよ。



「おまえらなー!そんなに近づくと集中できないぞー!」


「まぁまぁ、気にせずにやったらいいよ。今回はナナ公認だしさ!」


「アキたちも止めに入ってくれるなら今回はいいわ!」


「くそー!見とけよー!今回は絶対に勝つぞー!」


「『遊ぶ』じゃなくて『勝つ』って考えるからダメだって言ってるのに···」



 今回はポーカーをやるようだ。昨日ハルがボロ勝ちしちゃったから、気になったようだったよ。しかし···。



「ちょっとリオ!?なんでそのカードを捨てちゃうのさ!?」


「えっ!?これ捨てちゃダメなのかー!?」


「せっかく役が揃ってたのに···」


「でもあんまりいいのじゃなかったぞー?これでいいんだぞー!」


「あぁ~、次のカードに期待しすぎなのと、大きな役狙いか···」



 そして結局···。



「くそー!ダメだったかー!」


「あぁ···、せっかく勝ててたのになぁ~。リオ?あんまり欲を出さずに小さな勝ちをコツコツ積み立てるのも大事なんだよ?」


「それじゃあ稼げないぞー?」


「だから稼ぐって考えがダメなの!ゲームなんだからさ!遊びなんだよ!」



 やっぱりリオは一発逆転を狙う傾向が強いようだね···。そりゃ大当たりしたらいいんだけど、そううまくいかないもんだよ?

 今回は政治的なお話でしたね。エーレタニアでは議会制民主主義の国は存在していません。王政なんですよね。これにも理由がありまして、ご存じのようにこの世界では魔獣被害が非常に多く、そのため軍隊の派遣などには迅速な決断が迫られます。スピード感重視で国を動かすとなると、どうしても議会を通す悠長な時間はありません。

 そのために王政としているんですね。だからといって民意を無視しているわけではありません。ちゃんと意見を述べたりする機会は設けられていますよ。例としては第5章で明らかになりましたが、ピムエム皇国の予算折衝は闘技場で行われ、紛糾した場合は皇帝と大臣が拳で決める!というルールで庶民には大人気なんですよ。すごいでしょ?


 さて次回予告ですが、サバール王国を出発してマクス帝国上空を通過すると、巨大な工場が建造中でした。さらに奥へ飛んで宿場町で泊まろうとすると、検問がありました。もちろんアキくんは誤認されたのですが···。とんでもない高額賞金首になってましたよ!?すごい金額にあきれるのでした···。


 なお、明日は夜の続編の続きのほかに午前9時過ぎあたりから試作の新作『継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!』を、時間を開けて序章5話+設定資料集を1日で投稿します。


 こちらはアキくんの世界を舞台にしてますが、1000年後の荒廃した世界となっており、本作のようなギャグテイストではありません。


 評判よければこの続編完結後に第1章以降を連載投稿する予定です。


 上部の『エーレタニアシリーズ』から行くことができますので、よろしければご覧いただき、一言感想とかいただけると嬉しいですね!


 というわけで明日は7回投稿しますよ~!お楽しみに~!

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